つねに結果を出す「オンライン会議」の法則 オンライン会議は「無駄な会議」の温床?
日本のビジネスシーンではとかく「無駄な会議」が多い印象がある。というのも、かつての日本では、会議が報告会になりがちで、本来の目的である「共創」や「意思決定」に直結しにくかったからだ。今では、そういった会議も少なくなってきたものの、生産性の高い会議かというと疑問が残る。
オンライン会議が当たり前の時代になりつつある今、対面かどうかにかかわらず、つねに結果を出せる生産性の高い会議にするためにはどうすればいいのか、日本マイクロソフト カスタマーサクセス事業本部 カスタマーサクセスマネージャーの高田詞之氏によると、オンライン会議は、生産性の高い会議に切り替えるチャンスでもあるという。
「チャンスにするためには、会議そのものだけではなく、会議の前後にも気を配らなければなりません。その点、『Microsoft Teams』であれば、会議のオンライン化はもちろんですが、スピード感のあるコラボレーション・コミュニケーションによって、会議前後の生産性を上げることも可能です」(高田氏)
生産性の高いオンライン会議にするためのポイント
「Teams」を活用し、生産性の高い会議を実現するためには、いくつかのポイントがある。最も重要な点は「会議に関係する情報を一元管理」すること。
「Teams」のチャネル内に会議を設定することも鉄則だという。そうすることで、アジェンダや会議資料、会議中のチャット、録画、会議後のフォローなど、会議のすべてを「Teams」内の1つのスレッドに集約できるため、情報を探しにいく手間が省けるのだ。
「事前準備として、アジェンダや会議資料を会議スレッドにアップし、質問なども事前にチャットでやり取りすることで、参加者全員が共通認識を持って会議に臨むことができ、通常、会議冒頭に行う会議の目的やゴールの共有といった認識のすり合わせにかける時間も最小限で済みます」(同)
「Teams」は、会議中もさまざまなツールと連携することで、参加者とのコラボレーションや意思決定を容易にする。
例えば、対面の会議で発言者の話を止めてまで議論をするのはなかなか難しいが、「Teams」会議であれば、チャットを活用して発言者の話を遮ることなく、意見の共有や質問も同時進行させることができる。このように、会議の参加者全員が積極的に関わることで、充実した中身の濃い会議を実現できる。会議後、チャットでのやり取りが残ることで、後から見直したり、会議に参加できなかったメンバーにも情報共有できたりするため、スピード感のある意思決定にもつながる。
「オンラインで、参加人数の多い会議だと、対面の会議よりも参加者の反応が見えにくくなります。『Teams』では、絵文字やハート、いいね!など、発言者に感情を伝えられる『ライブリアクション』機能があります。この機能を活用すれば、オンライン会議でも対面と同等のやり取りが期待でき、効率よく会議を進めることができます」(同)
次のアクションにつながる会議にするためには、リアルタイム性は最も重要な要素の1つである。会議後、数日経ってから議事録が共有されるようではダメだ。「Teams」会議では、会議用に共有された「OneNote」を参加者全員で共同編集することが可能なため、会議中に議事録を取ることで、発言に対する認識の違いの訂正や重要な点の抜け漏れなどもその場でフォローできるうえ、会議後0秒で議事録を共有できる。議事録を取るためだけに会議に参加する書記の役割は不要なのだ。
資料なども、後から集めて配付するのではなく、会議前、もしくは遅くとも会議終了前までに発表者に会議スレッドに添付してもらえばよい。また、アンケート機能のある「Microsoft Forms」を活用すれば、会議中にライブアンケートも実施できるため、大人数の会議であっても参加者の意見を数字で客観的に確認することができる。「Forms」を使って、会議で決めたいポイントを事前に確認するといった使い方も可能だ。
「全員参加」のオンライン会議で、もっと強いチームに
これからの会議は、出社して会議室から参加する人とリモートで参加する人が、混在することが普通になっていくだろう。そのような中で、オンライン会議ならではのメリットを享受するためには、リモート参加者への配慮が欠かせないという。
「会議室にいる人だけが目にできる情報があるなど、リモート参加者が肩身が狭いと感じる図式は改めなければなりません。そのためには、『会議のペーパーレス化』を徹底することが重要です。会議室でしか資料が配られないとなると、リモート参加者は会議についていけなくなってしまいます。必ず事前に会議スレッドで資料を共有し、ペーパーレス化を実現すべきです。
また、会議室からの参加者も『全員がTeamsに参加すること』が大切です。複数人で1台のパソコンの周りで会議をすると、リモート参加者には誰が発言しているのかなど、状況がわかりにくくなります。さらに、『会議室にただいるだけの人』を作り出してしまうリスクもあります。全員がそれぞれのパソコンを使って会議に参加し、チャットをはじめとする各機能を活用して積極的に会議に参加する『全員参加』が重要です」(同)
会議後にも「Teams」を使っていることのメリットを強く感じるはずだ。会議でやり取りされたすべての情報が該当の「Teams」チャネル内に存在しており、会議の主催者が議事録や資料を後から整理する必要はない。会議を録画した動画も自動的に会議スレッドに投稿される仕組みだ。
それらの情報には、会議の参加者のみならず、参加できなかった人も含めてチームの全員がアクセスできるため、会議に参加できなかったことによる情報格差をなくすことができる。会議後もチャットで議論を深めることができるため、会議中に確認し忘れたことや会議後に疑問に思ったことも迅速に共有することで、よりよい意思決定につなげることができる。
「『Teams』は、会議をオンライン化するだけのツールではありません。場所に制約されることなく、メンバー1人ひとりがどこにいても、十分なコミュニケーションを取り、与えられた役割を全うし、ビジネスに貢献するためのコラボレーションプラットフォームです。
これまでは、会議をオンラインに置き換えることに主眼が置かれていたかもしれませんが、無駄な会議までオンラインに置き換える必要はありません。『意思決定をする』『ビジネスを動かす』といった点に注力すべきで、そのために、『Teams』を積極活用していただきたいです」(同)
コロナ禍の収束のメドが立たない中で、オンライン会議が開催される頻度は、今後さらに増えていくことが予想される。このような時代だからこそ、コラボレーションプラットフォームの「Microsoft Teams」を活用した「生産性の高い会議の実現」は、すべての企業にとって一考に値するものではないだろうか。コラボレーションこそ、つねに結果を出せる、もっと強いチームになるための近道だ。