冬の窓開け換気、暖房つけっぱなしでいい?

一般家庭で電気代実験をやってみた

いつもと違うこの冬、室内で快適に過ごすにはどうすればよいのだろうか。寒いとはいえども換気を心がける必要があるのは周知のこと。さらには、乾燥も防ぎたい。しかし、外の空気を室内に入れてしまうとエアコンの電気代がかさむのではないか、また加湿器はちゃんと効果を発揮するのか気になる人も多いだろう。そこで、この冬のエアコンや加湿器の使い方の正解を探るべく、ある一般家庭で実験を行った。その結果とは。

窓開け換気で気になる部屋の温度と湿度

「わが家には24時間換気システムがありますので、コロナ禍の前まではほとんど窓開け換気をしていませんでした。この冬は定期的に換気を心がけています」

※窓を開けなくても吸気口から外の空気が入り、排気口から出ていく仕組みのこと。住んでいる家やマンションが2003年7月以降の建築物であれば、24時間換気システムがついている
 

そう語るのは、50代の男性会社員。夫婦と猫1匹で、神奈川県横浜市のマンションに住んでいる。平日、夫は都内の会社に勤務し、妻は在宅ワークを行っているという。夫は、こう疑問点を語る。

「窓開け換気をしていると、エアコンは換気のたびに運転をオフにするのがいいのか、それともつけっぱなしでいいのか、迷います。窓を開けると冷気が入ってくるので暖房を切らないほうが快適だとは思うのですが、どちらのほうが電気代を節約できるんだろう?ということも気になります」

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一方、妻は湿度について、「冬はとくに乾燥が気になるので、わが家では加湿器を使っているのですが、換気しているとその効果が薄れそうで……実際にどれくらい加湿されているのか気になります」と話す。

そんな疑問を解決するために、2人は次のような実験を敢行した。

  1. 窓開け換気する際、エアコンをつけっぱなしにする場合と換気時に電源をオン・オフする場合、どちらが電気代を抑えられるのか

  2. 窓開け換気する際、加湿器の運転のありなしでどれくらい湿度が変わるのか

 

まず、1つ目の実験。夫婦が住む部屋のリビングダイニングは南向きで約20畳。

「リビングは南向きで日当たりがいいので、冬場でも天気がいい日は、外の気温が低くても日中(10~15時ごろ)はエアコンの運転なしで室温が20℃以上になるときもあります」

換気については、ダイキンがWebサイトで推奨している換気法を実践し、部屋の対角にある玄関のドアとリビングの窓を開けるようにしているそうだ。

対角線上にある2カ所の窓やドアを開けることで、空気の通り道ができるため効率的に換気ができる。

エアコンを運転していれば換気ができているのでは、と疑問に思う人もいるかもしれないが、残念ながらほとんどのエアコンで換気はできない。なぜなら、エアコンは部屋の中の空気を吸い込んで暖めたり冷やしたりする仕組みで、外から空気を取り込むわけではない。そのため、エアコンを使う際も、窓を開けるなどして換気をする必要があるのだ。

さて、実験の概要はこうだ。

  • 時間帯は7:00~23:00
  • 窓開け換気の頻度は30分に1度。5分間の窓開け換気を実施
  • 対角線上にあるベランダの窓と玄関の窓を開放
  • 換気時にエアコンの電源をオン・オフ(換気時に電源オフ/換気後に電源オン)した場合と、エアコンをつけっぱなしにした場合の消費電力量を調査
  • 室内・屋外ともに温度を測った

窓開け換気時の「つけっぱなしvsオン・オフ」実験結果は?

実験結果から紹介すると、エアコンをつけっぱなしにした場合のほうが、1日で約14.5円電気代を節約できた。下記の消費電力量グラフからも、エアコンのオン・オフをするパターンのほうが消費電力量のブレが激しいことが明らかだ。

夫はこのように語る。「エアコンの動作を見ていると、つけっぱなしのほうが、窓開け換気時でも運転が安定している分、電気代は安いだろうと思っていました。

実際に計測してみると、換気時にエアコンの電源を小まめにオン・オフした時の消費電力量は4.02kWh(電気代:108.5円、電気料金単価を27円/kWhとして計算)、エアコンをつけっぱなしにしたときの消費電力量は3.48kWh(電気代:94.0円)で、窓開け換気時にエアコンをつけっぱなしにしたほうが消費電力量は少なくなりました。

電気代に換算すると1日で約14.5円下がることになります。最近はとくに冷える日が続くので、なおさらエアコンはつけっぱなしのまま、定期的に窓開け換気をして、健康に留意しつつなるべく快適に過ごしたいと思います」

実際、エアコンをつけっぱなしのほうが室内温度は高めで推移していた。体感もオン・オフするよりは暖かく感じたという。

換気の際にとりわけ寒く感じるのは、起床時や帰宅時など、部屋が冷えている場合だろう。その際、どのように換気を行えばよいのか。
ダイキンの推奨する冬場の換気方法はこうだ。

冬場の朝や、外から帰ってきた場合には、まずエアコンの暖房を入れ、部屋が暖かくなってからエアコンは運転したままで窓を開けて換気をしましょう。冷えた壁、床、天井を暖めておくことで、窓開け換気をしても部屋の温度が下がりにくくなり、快適に過ごせます。窓開け後も昼間は窓からの日差しを取り入れ、夜はカーテンを閉めて窓からの冷気を抑えることで暖房効果が高まります。

部屋の温度が上がる前に窓を開けてしまうと、室温とエアコンの設定温度の差が広がり、エアコンにかかる負荷が大きくなって電気代が上がってしまう原因になります。起床時間や帰宅時間がわかっている場合には、エアコンのタイマー機能を使ってあらかじめ暖房運転で部屋を暖めておくことが有効です。

ダイキンWebサイト 「上手な換気の方法 〜住宅編〜」より

 

今回の実験では、こちらを参考にして朝の6:30にあらかじめ暖房をつけてから、7:00から換気を始めた。妻は朝の換気について、こう話す。

「部屋が暖まってから、換気をすることで寒さを感じず、部屋の空気が一気にリフレッシュする感じがとても心地よかったですね」

窓開け換気で乾燥が進んでしまう?

では、2つ目の実験、「窓開け換気する際、加湿器のありなしでどれくらい湿度が変わるのか」。エアコンの温度や運転モードの条件を同じにし、リビング中央に加湿器を置いて1日運転させた場合と、そうでない場合の湿度を測った。

結果、「加湿なし」では室内相対湿度が25.5%〜36.9%の幅で推移し、湿度40%未満の時間帯が続くのに対し、「加湿あり」では34.7%〜40.6%で、快適とされる湿度40%の前後に保たれていた

「体感的には、『加湿なし』のほうが肌やのどの乾燥を強く感じました」と妻は振り返る。湿度計をチェックしていた夫は、「『加湿なし』の日の換気時、玄関からの風が強いときは、5分間の換気時の湿度計の変化を目視していると、みるみるうちに約5%下がっていましたね」

外気の乾燥した風が入ることで、室内の湿度が下がるということがわかった。窓開け換気をする今冬は、より加湿の必要性が高まりそうだ。

さて、2つの実験結果を踏まえ、

窓開け換気をしつつも室内の温度と湿度を保ち、電気代も抑えるためには換気時もエアコンをつけっぱなしにし、加湿も欠かさずに行う

が正解のようだ。

まだまだ厳しい寒さは続く。「窓開け換気をすべき」ならば、エアコンや加湿器の使い方にも注意しながら、お財布にもやさしく、効果的に進めたいところだ。家の中で過ごす時間がますます長くなる今、各家庭でできる限りの工夫をして快適に過ごしたい。

 「上手な換気の方法 ~住宅編~」はこちら

 「エアコン節電情報」はこちら   


※本調査は、既存の調査を一部加筆・再編集しております。
※本調査は、1つの住宅を使用し、下記のとおり天候や気温などの条件が近い複数の日に実施したものです。そのため、厳密な同条件での比較ではありません。調査結果はあくまで今回の条件に基づくものであり、住宅やエアコン、気候によって結果は変わります。
 
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