コロナ禍でもチーム力が上がる｢忘年会｣ オンラインだからこそ絆が強まる
新型コロナの感染拡大が継続しており、自粛ムードが再び高まっている。年末年始の恒例行事である忘年会や新年会も同様に、開催を見送る傾向にある。
東京商工リサーチが忘年会と新年会についてのアンケート調査を行ったところ、「開催しない予定」と答えた企業は、資本金が1億円以上の企業で96.4％、全体でも94.2％に上った。
これまで普通にできていたことが突然できなくなった困難な状況だからこそ、職場のコミュニケーションが重要となる。コラボレーション プラットフォーム「Microsoft Teams」の活用を啓発している日本マイクロソフトのカスタマーサクセスマネジャーの組織では、同僚との絆を深めるため、「Microsoft Teams」を使ったオンライン忘年会を開催した。
忘年会に参加した、カスタマーサクセスマネジャーの加瀬紗友里、長峯明香の両氏に話を聞いた。
「オンラインでの忘年会というと、幹事の方は『盛り上がらなかったらどうしよう』『何を企画すればいいのだろう』と、不安に感じるかもしれませんが、そんな心配はいりません。例えば、バーチャルバックグラウンドをあらかじめ配付して背景画像をそろえたり、逆に各自こだわりの背景を用意したりといった工夫に加え、可能な限りカメラをONにして参加してもらうことで、対面での体験に近づけられます。私たちの忘年会では、『Teams』のTシャツを着るというドレスコードを決め、一体感を感じられるようにしました」（加瀬氏）
「幹事は、部門や会社の“あるある”や、マネジャーのプライベートな“ネタ”を仕込んだ早押しクイズを準備しました。また、沖縄から参加しているメンバーには、沖縄の様子をカメラで映してもらいました。話題が広がって盛り上がり、笑いが絶えませんでした。
機能としては、全員を映し出すことができる『ラージギャラリービュー』、統一した背景で全員を映す『Togetherモード』、各自が背景を変更できる『バーチャルバックグラウンド』を利用しました。
2020年12月に一般提供開始となった新機能『ブレイクアウトルーム』機能を使って、少人数で歓談する時間も用意していたのですが、全員で盛り上がったので、今回は使いませんでした」（加瀬氏）
オンライン会議でも雑談することはあるが、どうしても仕事上の議題に沿った、業務遂行を目的としたコミュニケーションが多くなってしまう。
「オンライン忘年会では、冗談を言い合いながら、普段は知りえないような同僚や上司のプライベートな話、そのとき飲んでいるものや食べているものの話、家族やペットの飛び入り参加でそこから派生する話題など、オンライン会議ではもちろん、対面での飲み会でも得られないような貴重な経験をすることができ、懇親会としては大成功でした」（長峯氏）
こうした「Teams」を使ったコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションが制限される中で今後、増えていくかもしれない。
「リアルでの体験に近づけようとするだけでなく、オンラインだからこそできる新しい楽しみ方を模索し、実践できたことは大きな収穫です。新たな選択肢である『Teams』を使った親睦会を、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう、今回の経験を積極的にご紹介していきたいと考えています」（長峯氏）
４月に発出された政府の緊急事態宣言を機にリモートワークが急速に広がり、オンラインでの会議や商談が頻繁に行われるようになった。まさに働き方を含め、われわれの生活が大きく変化しているといえるだろう。直接顔を合わせる機会が大幅に減っても、ITの力で補える。オンラインで対面と遜色ないレベルで人と人とのつながりを確保し、さらに絆を強くして、円滑な交流を生むことは可能なのだ。「できないこと」を嘆くのではなく、「できること」に目を向け、最大限やってみることこそ、これからの変化の激しい時代を生きるヒントになるのではないだろうか。
