「次世代空質システム」の圧倒的未来感

温度、湿度から除菌まで、すべてをコントロール

仕事や学校、食事、睡眠――人は、生涯の多くの時間を建物内で過ごしている。2020年は世界中でその時間がさらに延びた1年となっただろう。空気の質に意識を向ける人も増えてきている。そんな中、パナソニックは「室内の空気質」を「空質4要素」(温度・湿度・清浄度・気流)と「感性3要素」(除菌・脱臭・香り)の7つの要素で捉え、再定義しようとしている。その狙いとは?

1ランク上の「上質な空気体験」とはどんなものか

やさしく自然で、風と表現するのがはばかられるほど乱れの少ない柔らかな気流。エアコンの送風口や空気清浄機が見当たらないのに、心地よい風と香りを感じる。それでいて、従来のエアコンでありがちな局所的な温冷感や、急激な温度変化による不快さは、いっさい感じることがない。

この1ランク上の「上質な空気体験」は、愛知県春日井市のパナソニック エコシステムズ社内に開設された「Reboot Space(リブート スペース)Ⅱ」で公開された。同社代表取締役社長の小笠原卓氏はその狙いを次のように説明する。

「当社の最新IAQ技術(Indoor Air Quality、室内空気質)を設備システムとしてパッケージ化し、より上質な空気質を実現した空間の展開事例として、『Air Hospitality』および『Air Creation』を展示しています」

「Air Hospitality」のホテルの客室を模した空間では、一見送風口がどこにもないが、実は天井に取り付けられた木のルーバーから均質な風が送られるようになっている。

「Reboot Space(リブート スペース)Ⅱ」の「Air Hospitality」の展示

これにより、穏やかな風の下で快適に過ごせる。天井上に入っている空質制御パッケージは、温度や湿度はもちろんのこと、空気清浄の機能も搭載。空気質を自在にコントロールできる。「生活感がまったくないのも魅力。ゆくゆくはホテルや新築マンションへの一斉導入が実現できれば」と現地の担当者は語る。

「Reboot Space Ⅱ」の「Air Creation」の展示

同社の技術のすごみを体感できるのは、VR技術を利用した「Air Creation」の展示だ。

設置された自転車をこぐと前方の映像が森の中や海沿いなどに変化。それぞれのシーンに応じ、空気が温度・湿度・気流・香りまで瞬時に切り替わり、室内にいるのに臨場感たっぷりだ。

映像に連動しながら、トンネルの中に入るとひんやりし、トンネルを出ると少し暖かくなり、森を通り抜けるときには森林の香りがダイレクトに感じられる、といった具合だ。

「このVR展示は、『空質瞬間切替パッケージ』によって実現しています。低温高湿と高温低湿の2種の空質デバイスを備えたボックスを用意することで、その名のとおり空気質を瞬間的に切り替えることを可能にします」(小笠原氏)

これらの技術を活用することで、程よい加湿をもたらし、お肌にもやさしい“しっとり空間”やアロマや消臭効果を発揮する“すっきり空間”を創出したり、マインドフルネスや没入感までも空気質でサポートしたりすることもできるそうだ。近未来の話のように思えるが、もう技術の進歩はここまで来ている。

高性能「調湿ユニット」を生み出した独自の技術とは

この革新的な空気質ソリューションを支えているのは、同社が積み上げてきたノウハウと技術力だ。小笠原氏はこう語る。

「パナソニックは、100年以上にわたって主に空気に関連する事業に取り組んできました。長年培ってきた換気・送風技術をベースに、社会の課題解決に貢献していくことをミッションに掲げています。

空気質に注目が集まる昨今、弊社はモノ起点の『機能』の提供ではなく、人起点の『価値』の提供にシフトをしていきたいと考えています。具体的には、『健康・快適・安全安心・集中・リラックス』を実現するために、『空質4要素(温度・湿度・清浄度・気流)』と『感性3要素(除菌・脱臭・香り)』に着目しました。この7要素をブレンドし、自在にコントロールすることで、さまざまな室内空間に価値の高い空気質を提供していきます」

これまでも、省エネや脱炭素など、空気にまつわる社会課題はつねに存在していた。しかし、世界レベルで新型コロナウイルスが猛威を振るう今は、さらに切実感が増している。

同社には、すでに「換気」と「除菌」を実現するソリューションがある。例えば換気ができる全熱交換素子「熱交気調システム」や全館空調システム「with air」、30年以上の実績を誇る次亜塩素酸技術を投入して脱臭・除菌を行う「ジアイーノ」などがそうだ。

これらの製品をさらに生かすべく、新たな独自技術を完成させたのが「調湿」の分野だ。季節を問わず、湿度は厄介な存在。夏の多湿は熱中症に大きな影響を与え、冬の乾燥はウイルスの活動を活発化させる。

加湿機や除湿機を屋内に設置して対応している店舗や施設も多いが、どうしてもスペースを圧迫してしまう。また、複数の機器を設置すれば、室内全体の空気質をコントロールするのが難しくなりがちだ。

こういった課題を解決するため、同社は加湿量を細かく制御できる「調湿ユニット」を新たに開発した。空調と湿度を1つの統合リモコンでコントロール可能にし、次亜塩素酸技術との融合による空気清浄も実現する見込みだ。

この新しい空質システムは、2021年4月にまず中国市場で発売予定。というのも、中国の住宅では室外機が置けるスペースが1台のみという場合が多い。1つのマルチエアコンを使って複数の室内機を制御する方法が一般的なことから、需要が大きく見込まれている。

「弊社には、『濡らさず本が読める』と好評のミストサウナがありますが、その加湿コントロール技術を応用しています。エアコンのみだとどうしても湿度が上下してしまいますが、調湿ユニットと組み合わせることで、相対湿度は適正とされる40~60%をキープできます」(小笠原氏)

この「調湿ユニット」は、独自の「遠心破砕加湿技術」を使用している。高速回転するドラムから遠心方向に吹き出した水滴を壁面にぶつけることで微細化させ、空調で加熱された空気に含ませて加湿を可能にする仕組みだ。

ドラム回転数と加熱量を調節できるため、細かく加湿量をコントロールできる。フィルタがないため清掃不要で、洗浄モードの搭載によりトレー洗浄をする必要がない「10年メンテナンスフリー」を実現している。

快適な空気質を保つことは、これからますます必要不可欠な時代に突入しそうだ。しかし、エアコンに空気清浄機、加湿機とバラバラに対応しようとすると、それぞれのバランスをうまく取ることは容易ではなく、物理的な場所の制限もある。そんなとき「空気質」をトータルで底上げする同社のソリューション技術が、未来の空気質を切り開く試金石になるのではないだろうか。

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