人事労務部門のデジタル化が失敗しがちな理由

コロナ禍で全面リプレースを狙う企業の末路

バックオフィス業務のデジタル化がいま静かに熱を帯びている。新型コロナウイルスの感染拡大により、ニューノーマルに対応した業務体制の構築が要請され、その1つにバックオフィス業務のデジタル化が急務となっているからだ。多くの企業が人事労務クラウドソフトの導入に取り組んでいるが、現場では、効率化の狙いとは裏腹に少なからぬ混乱が生じている。それはいったいなぜなのか。

システム導入で混乱が続出している

コロナ禍によるテレワークの浸透によって、さまざまなITサービスの導入が試みられている。しかし、バックオフィス業務のデジタル化は課題が多いと、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」を展開するエフアンドエム本部長の渡辺尚人氏は指摘する。

「コロナ禍でチャットやWeb会議などコミュニケーションツールの普及は進みましたが、バックオフィス業務のデジタル化は難しく、われわれの調査では83.0%もの労務担当者がまったくテレワークができていません。その理由はバックオフィス業務が複雑で、さまざまな情報が連携しているからです」

従業員の管理をおこなう人事管理に毎月の給与計算、社会保険等の行政手続き、従業員の就労環境を整える総務……。従業員名簿のようなマスターデータはあるものの、業務によって必要になる情報はそれぞれ異なり、かつ、アナログで管理しているものも混在するため、一気にテレワークが可能な環境を構築しようとしても困難を極めるのだ。

そもそも利益に直接貢献しないバックオフィス業務への投資は後回しにされがちで、紙とハンコの文化が残っている企業も多い。しかも給与計算などの定例業務を止めることは絶対に許されず、従業員の婚姻や引っ越しに伴う手続きなど「横槍」的に対応しなければならない仕事も突然割り込んでくる。

こうした環境下で「えいや」と半強制的にクラウドソフトを導入すると、予期せぬ落とし穴にハマってしまうこともある。

「注意していただきたいのは、複数の機能がまとめられた『パッケージ型ソフト』です。当社の調査では、パッケージ型ソフトで導入したツールのうち約4割の機能が未使用で、さらにパッケージ型ソフトを利用する52.3%の人事・労務担当者が社内の既存ツールの機能と重複していると回答しています」(渡辺氏)

使わない機能があるということはその分、無駄な費用が生じることを意味する。実際、ある企業ではパッケージ型の人事労務クラウドソフトを導入したものの、1年後に「年末調整機能しか使わない」として他製品へのリプレースを検討し始めた。

エフアンドエム
オフィスステーション事業本部
本部長
渡辺尚人

もちろん、パッケージ型にもメリットはある。一度に多くの機能を導入できるので、入念な準備の下ですべてを一気にデジタル化する場合はパッケージ型を優先する選択肢もある。

だが、現実的にはそうでないケースが多い。なぜなら、前述のとおり、バックオフィス改革は業務の性質上、段階的に進める必要があるからだ。

「当社はもともとバックオフィス特化型のコンサルティングをおこなってきた会社です。業務のデジタル化を進めるのであれば、まずはあるべきデジタル化の姿を整理し、いかに現状とのギャップを埋めるか設計し、優先順位の高いところからスケジューリングして段階的に導入を進めていく必要があります。実際、デジタル化に成功している会社はそのように進めていますが、多くの企業では新型コロナの感染拡大で一気に進める必要が生じ、人事労務クラウドソフト製品の適切な選定もままならないのが実情です」(渡辺氏)

エフアンドエムが提供するのは、パッケージ型ではなく「アラカルト型」と呼ばれるもの。アラカルト型は機能ごとに導入をおこなえるので段階的な導入に向いており、使わない機能に費用を払い続ける無駄も生じない。

「当社が提供している『オフィスステーション』は、無理のない段階的な導入に適しています。そしてわれわれは『バックオフィス部門は会社と従業員をつなぐコミュニケーション・ハブ』と捉え、その機能をすべてデジタル化することでオフィスの場所に依存せず、インターネット環境さえあればどこでも仕事ができるニューノーマル時代の要件を満たす環境をつくるという考えの下、設計をおこなっています。さらに、お客様の声に耳を傾け、それをいかに全体最適に昇華するかを議論しながらサービスをリリースしているので、お客様の業務にフィットする使い心地を重視した設計になっています」(渡辺氏)

ダッシュボードを使って管理することで、全従業員の提出状況や作業進捗を一目で確認できる。進捗ごとに対象者が見える化されるので、必要なときに必要な人とコミュニケーションを取ることが可能
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利用継続率は99.3%

では具体的にどのような使い勝手なのだろうか。

オフィスステーションはそれぞれの従業員に発行するマイページを通じ、従業員から会社に提出する情報をデジタル化する。これを基に入社や退職、年末調整などの手続きや帳票作成を簡便におこなえるのはもちろん、行政への電子申請、従業員への電子配信、帳票類のクラウド上での保管ができ、業務を効率化する。帳票も119種類を用意しているので、ほとんどの業務をカバーできる。ある帳票はデジタルだが別の帳票は紙、といったちぐはぐな事態を招くことなくペーパーレス化を実現するだろう。

例えば従業員400人規模の企業では従来、年末調整に150時間かかっていたが、オフィスステーションの導入によって50時間へと劇的に効率化を達成。年末調整業務のために雇い入れる派遣社員の人数も、従来の3分の1に抑制できた。別の企業では、以前は従業員が退職する際に作成する離職証明書の作成に1人当たり約1時間かかっていた。賃金情報の転記などの手間がかかるためだが、やはりオフィスステーションの活用でわずか7分に短縮している。

このような業務効率化の効果はユーザーから高く評価され、利用件数は右肩上がりを続けている。2020年12月末の利用企業数は14,000以上。これは19年度末に比べ2倍以上の数字で、利用継続率も99.3%と非常に高い。

「人事労務クラウドソフトの導入を検討している担当者様の心配事として、一般従業員からの反発があります。要は『慣れ親しんだ従来のやり方を勝手に変えるのか』という話で、いざ導入してみて使いにくかったら立場がありません。しかし、オフィスステーションにその懸念が少ないのは利用実績と利用継続率が証明しています。経営的な面でも、これまであまり投資がおこなわれなかったバックオフィス業務をデジタル化して業務時間を大きく削減すれば、採用コストをかけて人材採用をせずとも、そこに従事していた優秀な人材がもっと新しい何かにチャレンジできるようになります」(渡辺氏)

もともと不確実性の高かった社会は、コロナ禍でますますその度合いを高め、企業はスピード感のある変化を求められている。そんな時、旧態依然とした業務をしていては取り残されるばかりだ。

「ニューノーマル時代には、場所にとらわれない働き方がますます推進されることになりますが、紙ベースの申請業務があればそれもかないません。従業員の無駄な出社を減らし、出社にかかる交通費や移動時間を新たなリソースとして活用することで、新たな価値を生み出す可能性を高めることができるのです」(渡辺氏)

まずは、自社の人事・労務管理業務の理想とするデジタル化の姿を描き、そこからできることを考えるとよさそうだ。渡辺氏が語るように、人事・労務部門を会社のコミュニケーション・ハブとすることを目指すなら、何を選択すべきかはおのずと答えは出るだろう。

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