鮮やかな色で魅せるオーデマ ピゲ、新たな名作 ニューノーマルにも映える洗練されたデザイン

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2019年に満を持して登場した「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」。人気モデル「ロイヤル オーク」「ロイヤル オーク オフショア」に続く、第3の柱となるコレクションであり、21世紀のオーデマ ピゲを牽引するであろう期待の腕時計である。その「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」が2020年もラインナップを追加してきた。すでにパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターなどコンプリケーションモデルを有し、多くのモデルをそろえるコレクションに、2020年は何を追加したのか? 興味深いニューアライバルである。

時計愛好家を魅了し続けるブランド

数多くの時計ブランドがひしめき合う時計王国スイスにあって、オーデマ ピゲは一目置かれる存在である。なぜか? まず、根底にあるのは1875年の創業以来継承されてきた歴史である。スイスにはオーデマ ピゲよりも古い時計ブランドは存在するが、一度も途切れることなく、しかも創業者一族が現代まで経営に参加しているブランドは唯一無二である。これは歴史を尊ぶ欧州ではとても価値のあることなのだ。

そして、それを可能にしたのが高い技術力と革新性である。創業当初より複雑時計の開発によって注目を集めていたオーデマ ピゲは、世界初と呼ばれる時計を次々と開発している。1882年のミニッツリピーター搭載の懐中時計開発に始まったそれは、20世紀に入り腕時計の時代になっても、世界最薄の手巻き腕時計、永久カレンダー搭載自動巻き腕時計、トゥールビヨン搭載の自動巻き腕時計と続いていく。

また、その技術は多くの高級時計ブランドからも注目されており、自社の時計に大きな価値を与える切り札として、ムーブメント提供の依頼を受けることもある。そして、優秀なムーブメントが時計の価値を高めてくれることをよく知る一流ブランドは、あえてオーデマ ピゲの名を公表することもあるようだ。

そんなオーデマ ピゲの大きな柱となっているコレクションが「ロイヤル オーク」である。1972年に誕生したこのモデルは、八角形のベゼルと裏蓋まで貫通する8本のビスをあえて残した特徴的なデザイン。素材もゴールドが常識であった当時の高級時計の分野で、あえてステンレススティールを使用し、しかもブレスレットを装着するという革新的な試みを実施。多くの人の心を捉えた「ロイヤル オーク」は、“ラグジュアリースポーツウォッチ”という新しい分野を確立し、今日の時計製作に大きな影響を与えている。その後、ケースにカーボンやチタンなど革新的な素材を採用した、よりスポーティーなバージョン「ロイヤル オーク オフショア」を追加し、“デカ厚”という新たな価値観を腕時計にもたらしている。

新しい柱として登場した「CODE 11.59」

新しいクロノグラフモデルのケースバックからは、特別なオープンワークが施され、すべてのムーブメントを見ることができる

そんな「ロイヤル オーク」が誕生して、およそ半世紀。オーデマ ピゲの新しい柱として誕生したのが「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」である。これまでラウンドケースのドレスウォッチとして親しまれてきた「ジュール オーデマ」に代わるモデルでもある。それだけでもオーデマ ピゲの期待と自信がうかがえる。

2019年のSIHH(ジュネーブサロン)でお披露目された「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、それまでのドレスウォッチと一線を画していた。ドレスウォッチは、いわゆるアンダーステートメントを体現するモデルとして、「主張しない」「シンプル」「個性を消す」ことを美徳としてきた。「ジュール オーデマ」もその範疇にあったのだが、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、それには当てはまらなかったのだ。もちろん、シンプルで視認性もいいのだが、その中に隠しきれない個性があふれていたのである。

まず目に入る特徴的なアラビア数字は、オーデマ ピゲのアーカイブに残されている1940年代のミニッツリピーターをベースにしたものだ。特徴的なケースは3層から成り、ベゼル部分とケースバックはラウンド型なのだが、ミドルケースは八角形である。

さらにサイドから見ると、薄く大きく作られたベゼル部分が湾曲しているのがわかる。内側はドーム状に、外側は12時位置から6時位置にかけて曲線が描かれているからだ。この曲線により、デザイン性はもちろんのこと、ダイヤル全体が鮮明になり、視認性がかなり向上しているのだという。まさに機能美である。さらにサイドが開けられたラグも斬新かつ美しい。

モデル名にある「CODE」の文字にもそれぞれ意味がある。まず「C」はChallenge=挑戦、「O」はOwn=継承、「D」はDare=追求心、「E」はEvolve=進化。この文字が連なって“CODE”となっている。それに続く“11.59”は、時刻の午後11時59分のこと。新しい日の1分前を指している。

新しい時代の“ドレスウォッチ”にふさわしいネーミングである。

光によって美しく変化する色合い

赤みがかった色合いと深いニュアンスが映える「バーガンディ」

そんな「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」も誕生から1年が経ち、また新たなモデルが追加された。2020年のハイライトは、多彩なダイヤルカラーとバイカラー素材。昨年の誕生当初から個性に挙げられていた特徴を、さらに進化させたものである。

まずダイヤルカラーだが、当初からの8層塗布のラッカーをさらに色みの濃淡が現れるような仕様にしている。そもそもラッカー塗装とは、ラッカーを被塗装物に薄く均一に吹き付けては乾燥させる、ということを繰り返すことで表面を硬化させる技法。均一に吹き付けることで独特の美しい艶感を有することができるので、高級時計のみならず高級楽器などにも用いられるものでもある。

ただ、この“均一化”する作業工程が非常に難しく、すべてのブランドができるわけではない。なので、レギュラー化はとても希有なものなのだ。新作では、グラデーションやサンバースト仕上げを採用しており、さらに高い技術が使われている。それによって得られた美しさは必見であろう。

そして、発表当初はホワイトゴールド、ピンクゴールドの単素材ケースのみだったのだが、新作では3層構造という特徴を生かしたバイカラーケースも採用している。いわゆるコンビモデルなのだが、この新作ではホワイトゴールド×ピンクゴールドのコンビネーションを追加。こちらも、オーデマ ピゲのみならず、時計界を見渡しても希有なケースである。よくあるゴールド×ステンレススティールではなく、あえて異なる色のゴールドを融合させたことに心意気を感じるし、コンビネーションはその造形とも相まって、とても美しい仕上がりとなっている。

ニューノーマルのビジネスカジュアルにも

複雑なデザインを引き立てるホワイトゴールドとピンクゴールドのバイカラー

オーデマ ピゲがラウンドケース×レザーストラップの腕時計を「ジュール オーデマ」から「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に切り替えた背景には、おそらく近年のビジネスシーンにおけるカジュアル化の影響があるのではないだろうか。日本でも“クールビズ”あたりからビジネスシーンでのカジュアル化が加速している。

そのあたりをオーデマ ピゲ ジャパンのマーケティング/コミュニケーション部門責任者である大野憲氏に聞いた。

「気候の変動もあると思いますが、この2~3年でファッションはカジュアルシフトがさらに加速したと感じています。タイドアップというスタイルから、ノータイや丸首ニット、Tシャツ、アンコンジャケットなど、ビジネスシーンで許容されるスタイルの幅が広く寛容になってきた印象です」

そんな中起きたのが、2020年のパンデミック。在宅勤務が増え、それを今後も継続していこうとする企業も少なからず出てきている。

「在宅が増えて、なおさらON兼OFFは加速したと思いますし、働き方だけではなく、ご自身の表現の仕方、見せ方の変化にもつながってきていると感じます。そういうファッションの進化の潮流の中で、時計のニーズの進化も生まれてくるとオーデマ ピゲは見据えていました」(大野氏)

そうなると必要とされている腕時計のニーズも変わってくるのだろうか。

「色使い、時計のサイズ感、ケースの厚みなど、ドレスウォッチだけではない、でもカジュアルウォッチだけではない、まさにON/OFFの明確な境界線のないものが必要となってきます。その点、『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ』はマッチしていると自負しています」

見てのとおり、スタイルや造形の美しさに間違いはなく、さらには仕上げやムーブメントにもオーデマ ピゲの卓越した技術や継承されてきた伝統が息づいている。それはパーツをただ正確に作り、正確に組み立てるだけでなく、数百から成るムーブメントの構成パーツすべてに、手作業で磨きをかけていることでもわかる。

磨くことで得られるのは美しさだけではなく、部品の耐摩耗性や耐腐食性が高まるからだ。永く使われることを想定したオーデマ ピゲならではの配慮である。そのこだわりの中から「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」という新しい高級時計が誕生したのである。

色彩豊富なラインナップ全10モデル

色彩の幅を広げた2020年は、10モデルを追加し、コンプリケーションなども含めると23モデルがそろう一大コレクションとなった。新たな色彩は、バーガンディ、ブルー、パープル、スモークグレー、グレーの5色。それぞれ3針、クロノグラフに加えられている。いずれもサンバースト加工が施されたラッカーで表現されており、グラデーションの風合いもあってとても深い色使いとなっている。

ムーブメントは、3針モデルには引き続きCal.4302、クロノグラフにはCal.4401が搭載されている。いずれも、昨年の「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の発表に合わせて製作された最新世代キャリバーであり、オーデマ ピゲの基幹ムーブメントになるものだ。クロノグラフのCal.4401はオーデマ ピゲ初となる量産型自動巻きクロノグラフでもある。

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」(左)グレー (右)スモークグレー、ケース素材 ホワイトゴールド×ピンクゴールド、ケース径 41mm、ムーブメント 自動巻き Cal.4302、価格 280万円 (税別)※表示価格はすべて2020年12月現在のもの
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」(左から)ブルー、バーガンディ、パープル、ケース素材 (右・左)ピンクゴールド、(中央)ホワイトゴールド、ケース径 41mm、ムーブメント 自動巻き Cal.4302、価格 280万円(税別)  ※表示価格はすべて2020年12月現在のもの
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」(左)グレー(右)スモークグレー、ケース素材 ホワイトゴールド×ピンクゴールド、ケース径 41mm、ムーブメント 自動巻き Cal.4401、価格 445万円 (税別) ※表示価格はすべて2020年12月現在のもの
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」(左から)ブルー、バーガンディ、パープル、ケース素材 (右・左)ピンクゴールド、(中央)ホワイトゴールド、ケース径 41mm、ムーブメント 自動巻き Cal.4401、価格 445万円 (税別) ※表示価格はすべて2020年12月現在のもの
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