DXに「成功する企業」と「失敗する企業」の差

「名ばかりDX」にならないために必要なこと

デジタル技術を活用したビジネスの変革は、業界や規模の大小を問わず、企業における喫緊の課題となっている。業界のリーディングカンパニーでも、今後もその地位が約束されているわけではなく、後発や異業種からの参入だとしても、取り組み方次第ではフロントランナーになれる可能性を秘めているからだ。だが、経営陣の掛け声が大きいだけでなかなか前に進まなかったり、DXとは名ばかりの単なる効率化にとどまっていたりするケースが少なくない。危機にも好機にもなりうる状況の中、自分たちがどういう立ち位置にいるのか、企業はいま一度、認識しなければならない時期にきているのではないだろうか。

新型コロナウイルスの感染拡大によるニューノーマルへの移行をはじめ、企業を取り巻く環境は激変している。こうした不安定な時代に対応するための新たな価値の創造が、企業の経営における重要なファクターであることは、中期経営計画でDXの文字をたびたび目にするようになったことからも明らかだろう。

「わが社の持つ資産を活用すれば、新しいデジタルビジネスをつくれるはずだ」

多くの企業がそう考えているが、現実はそんなに甘くない。電通国際情報サービス(以下、ISID)グループのコンサルティング会社、ITIDでシニアマネージャーを務める大屋雄氏は次のように指摘する。

ITID シニアマネージャー 大屋雄氏

「DXとしてクローズアップされている取り組みは多々ありますが、デジタルではあるものの、トランスフォーメーションを伴わない効率化レベルの話が多いのが実情です。もちろん、既存業務の効率化は必要ですが、本来のDXは変革を伴うものであり、そこに取り組まなければ新しい価値は創造できません」

レコードからCD、そして音楽ストリーミングサービスへと移行した音楽ビジネスや、テレビ放送に対する動画配信サービスを思い浮かべるとわかりやすい。デジタル化による顧客提供価値の劇的な向上やビジネスモデルの変革、プレーヤーの入れ替わりといった破壊的事象が発生している。見方を変えればDXとは、既存のプレーヤーにとって大きな脅威となるものであるといえる。

ところが、現実によく見かけるのは、経営者が「うちでもDXを」と号令をかけるものの、具体的に何をすればよいかわからず、とりあえずデジタル人材を採用したり、ITベンダーにソリューションの提案を依頼したりするケースである。

デジタル人材の確保やソリューションといった手段だけが先行すると、業務の効率化や既存の業務にソリューションを当てはめるだけになってしまう。結果、投資をしたはいいが新しい価値の創出はできず、当初期待したような成果に結びつかない。

「日本市場は少子高齢化で縮小の一途をたどり、世界の中での競争力も低下するでしょう。当然、企業は、これまでとは違うやり方、異なる事業、新しい取り組みが必要で、本当の意味でのDXを実現しなければ成長できません」(大屋氏)

DXの成功に不可欠な5項目の進捗をわずか10分で診断

では、どうすれば本当の意味でのDXが実現できるのか。それにはまず、自分たちがどのような立ち位置にいるのかを認識する必要がある。

「立ち位置を把握するためのアセスメントなど、方法はさまざまですが、われわれは、これまでのノウハウを凝縮させた『DXビジネス診断』サイトを構築し、質問に回答していただくと、自社のDXビジネスの状況を簡便に診断できるようにしました」(同)

概要はこうだ。

「価値開発」「顧客開発」「手段開発」「ビジネスモデル開発」「事業開発」という5項目の質問に答えると、それぞれの項目ごとに5段階で評価される。結果を見れば、自社の現状の立ち位置が明確になり、ビジネス化のためには何が欠けているかが示されるとともに、次に着手すべきことも提案してくれる。

「DXビジネス診断」には、製造業を中心に新しい価値を提供するビジネス変革のコンサルティングを行ってきたITIDと、多くのDX支援を手がけてきたISIDの経験とノウハウが詰め込まれている。診断は無料で受けることができ、時間にして10分程度。回答内容は機密扱いで、企業名などが特定できる形で公表されることはない。

「多くの企業では、具体的に何をすればよいのかわからないまま手段から入り、価値開発の要素が抜け落ちています。では価値と手段がそろえばDXが起こるかといえば、そう簡単にはいきません。現在、鉄道会社や自動車メーカーなどが力を入れているMaaS(Mobility as a Service)は事業者が手段を持ち、移動の効率化といった大きな価値を生み出していますが、マネタイズが課題になっています。つまり、DXを実現するには価値や手段の開発以外にも取り組まなければならない要素があり、『DXビジネス診断』はその進捗を浮き彫りにしてくれます」(同)

デジタル領域のネットワークでつながる世界では、既存事業や自社の枠組みを超えたサービスの構築が可能になるが、既存の枠組みにとらわれてしまい自由な発想ができない。あるいは、事業内容を絞り込むうちに腰が引けて新規性を失ってしまう。実装を進めるプロセスで問題が発生し、対処しているうちに当初目指していた内容からかけ離れていく……。といった具合に、DXとしてスタートしたはずなのに変革を起こせなくなってしまう。

こうした問題にも、ISIDとITIDは解決手法を持ち、新規性の高い取り組みを遂行する支援を行っている。

「実は、イノベーションの最も大きな壁は社内説得と合意形成です。『本当はこうしたほうがよいのではないか』と考えていても、なかなか説得ができないDX担当者には、ぜひ、『DXビジネス診断』の診断結果を説得材料として活用していただきたいです」(同)

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