今、経理・財務部門が果たすべき「3つの役割」 ゴディバがDXでつかんだ、経営の新機軸
変革のカギになるのは「経理・財務部門」である理由
「これから10年かけて起きるといわれていたDXが、コロナ禍によって、2~3年で実現されることになる」。こう予測するのは、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社パートナーの黒川通彦氏だ。
「顧客のニーズが予測不可能なほど多様化していますから、それに合わせてデジタルの重点領域を再設計すべきです。また、そのように変化するニーズに対応できるよう、AIでオペレーションを変えて生産性の向上を図ったり、スピーディーな意思決定ができる仕組みを取り入れたりする必要があります。さらに、それを支えるためのテクノロジーや新しい働き方を導入することも大切です」
こうした変革のカギを握るのは誰か。注目したいのは経理・財務部門だ。マッキンゼー・アンド・カンパニー ミュンヘンオフィス、東京オフィス シニアアドバイザーのAxel F. Strotbek氏はこう語る。
「ビジネスプロセスのデジタル化と、そこで得られたデータのガバナンスを徹底することで、経営の意思決定がより早く、より有効になります。企業のすべての部門に求められることですが、経理・財務部門から始めることが全社規模のDXを成功に導くはずです」
経理・財務部門起点のDX成功例として日本オラクルが紹介したいのが、高級チョコレートメーカーのゴディバ ジャパンだ。消費者の価値観が多様化する中でニーズに即した商品・事業開発を行うには、データの活用が欠かせない。しかし同社の経営情報は統合されておらず、ビジネスの状況をリアルタイムで把握できていなかった。そこで同社が解決策として選んだのは「Oracle Fusion Cloud EPM」。はたして導入後に得られた効果とは。そして今、経理・財務部門に求められているという「3つの役割」とは何か。