変化に即応できるワークスタイル構築術 Vol.2オフィスワークの場合

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社会情勢の変化に柔軟に対応し、ビジネスの継続性と生産性を向上させる「これからのワークスタイル」を考えるこの特集、第2回で取り上げるのはオフィスワークについて。オフィス内でもソーシャルディスタンスの確保が推奨されるこれからの時代のオフィス像、そして、ふさわしい働き方を後押しする機材について考えてみたい。

オフィスでもソーシャルディスタンス

先般、厚生労働省が公表した「新しい生活様式」の実践例では、「テレワークやローテーション勤務」、「時差通勤」の推奨と並んで、「オフィスはひろびろと」という項目が挙げられている。具体的には人と人の間隔を少なくとも2m、最低でも1mは確保するようにというものだ。これを実現するためには、パーテーションがない場合は対面になるデスク配置は避け、できる限り対角に配置するというレイアウトが必要となる。テスクを横並びに配置する場合も、1m程度の間隔を設けたい。

「新しい生活様式」の実践例をオフィスで再現すると上図のようになる。

こうなると現状の1/2程度の人数しか収容できない計算となってしまう。在宅テレワークの社員が増えた分、出社する社員は減少するはずだが、それにしてもこれを実践するのは難しいという企業は多いのではないか。今のオフィスを「これからのワークスタイル」に適応させるためには社員のデスクの数とその並び、つまりオフィスレイアウトを再検討する必要に迫られる。

これからのオフィスの存在意義

そもそも日本でオフィスという環境が増えたのは近代になってから。高度経済成長を経て、工業技術、交通網の発達、通信手段の進化と足並みを揃えるように急速に普及した。これまでのワークスタイルは、出勤してオフィスを起点に仕事をするのが一般的だったが、さまざまな制限が一挙に押し寄せたのが昨今の状況だったといえる。今後、在宅テレワークという選択肢が当たり前になると、当然オフィスに求められる要素も大きく変わっていく。

個人と組織、社内と社外を繋ぐ縁側のような存在

伝統的な日本家屋には「縁側(えんがわ)」という部分が存在し、家の中と外をファジーに繋ぐ役割を果たしていた。たとえばこれからのオフィスには、縁側のように個人と組織や、社内と社外を繋ぐ役割が求められるのかもしれない。在宅テレワークから気分を変えてチームメンバーとコミュニケーションが取れる環境を用意することや、対面でのミーティングを安心して開催できる会議室の整備、場合によっては社外の人材を招き入れて共同作業をするスペースを用意することが普通になっていくのだろう。つまり、組織やチームとしての帰属欲求やコミュニケーションを円滑にするための機能を提供する場である。

デジタルネイティブからリモートネイティブの時代へ

さらに、2020年の新入社員は入社式から新人研修まで、すべてがオンラインで実施された企業も少なくない。今後は企業説明会や面接などのオンライン化も進んでいくことが想定され、リモートネイティブと呼ばれる世代が次々と誕生することになる。彼らの望むワークプレイスは、今後のオフィスの在り方としてひとつの指標になるかもしれない。彼らはそもそも出社が前提ではないため、自宅はもちろん、シェアスペースやカフェなどのパブリックスペースの活用も当然となるだろう。これからのオフィスは、リモートネイティブにとっても魅力的な場所となる必要がある。

地方や郊外に分散化するオフィス

在宅テレワークを大胆に進めることで、オフィス自体を縮小してしまおうという流れも出てきている。それどころか、サテライトオフィスを地方や郊外に設置したり、小回りの効くベンチャー企業やテレワークが浸透しているスタートアップ企業では、本社そのものを縮小・移転するという例も見られる。こうしたオフィス分散化は、働きやすさを求める社員の声にも押され、ますます加速していくと考えられる。

元に戻すのではなく、より良くする

これからのワークプレイスとしてオフィスを考えると、オンラインへと仕事の場が拡張されたことで、常に最適化された環境を目指して流動的に改善し続けられることがポイントとなるのではないか。

社員を一箇所に集めることで効率を追求する方法論から脱却し、社員がそれぞれに適したワークスタイルを自由に選び取り、実践することを後押しできる柔軟性が、これからのオフィスには求められていくのだろう。

オフィスのフリーアドレス化

これからのオフィス像の現時点での最適解はフリーアドレスになるだろう。外出が多い営業スタッフが主体となる企業では、すでに営業部門のみフリーアドレスを適用している企業も少なくない。これを全社的に展開するのだ。フリーアドレスであれば固定席を設ける必要はなくなる。在宅テレワークに従事する社員の増減にも柔軟に対応することができる。

フリーアドレス化されたオフィスでは、多くの人がノートPCを持ち歩くことになるが、今後はこれを快適に利用できる環境の整備がより重要なテーマとなるだろう。たとえば、外付けディスプレイ、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスなどを各所に用意し、自由に使えるようにしておけば生産性向上に寄与できる。

給電機能付きUSB-C端子を搭載したHP製ディスプレイなら、ケーブル1本でPCへの電力供給とPCからの映像出力が可能だ。ユーザーはPCの電源を持ち運ぶ必要がない。

専用スペースが求められる業務も

もちろん、業務によっては従来どおりの執務環境が必要になる場合もあるだろう。たとえば総務や人事、経理など、社内での役割が固定されている管理部門では、フリーアドレスが最適ともいい難い。仕事中に相応の量の資料を広げる必要がある業務には専用のスペース、専用の環境を用意したいところだ。その場合も、移設が容易な液晶一体型PCやディスプレイとの一体設置が可能な超小型デスクトップPCならば、オフィスレイアウトの変更にも柔軟に対応できるようになる。本体にWi-Fi機能が内蔵できるモデルであれば、オフィス内にWi-Fiが完備されていれば電源ケーブル1本の接続だけで移設できる。設置面積も少ないため、限られたスペースにも数多くの台数がセットできる。

HPの超小型デスクトップPCはモニターとの一体設置が可能。給電機能付きUSB-C端子を搭載したディスプレイなら電源ケーブルが必要ない*1

社員満足度の高いワークスタイル

このようにオフィス空間が変わっていくことで、在宅テレワークの推進もより加速する。今後は個人の作業は自宅で済ませ、オフィスはチームでの協同作業やとりまとめを行うだけの場になっていくのかもしれない。また、旅先で休暇を楽しみながら仕事に取り組む、「ワーケーション」と呼ばれるワークスタイルも盛り上がりを見せている。多様な働き方をする人が増えるということは、それだけフレキシブルに変化に適応できることにもつながる。結果的にはビジネス継続性も高まるだろう。こうしたトレンドの中から、自社の都合や社員の事情、業務内容に応じて採り入れられる部分を採用すれば、社員満足度の高いワークスタイルが実現できるのではないだろうか。

コミュニケーション課題を解決するデバイス

さて、在宅テレワークの拡大やオフィス分散化が進んだときに、課題となるのは社員間のコミュニケーションだろう。これを解消する手段として有効なのはWeb会議だ。今後は個対個、個対多など、さまざまなスタイルのWeb会議が対面にとって代わることになる。ある調査によれば、25%の企業は会議室にWeb会議システムを導入することを計画しているという。そうした用途に特化したさまざまなデバイスも数多く登場している。たとえばHP Elite SliceというPCは、最初から会議室に設置されることを前提としたような製品だ。

Web会議に特化した機能を搭載した超小型デスクトップPC HP Elite Slice G2*2

HP Elite Slice にはZoom RoomsとMicrosoft Teams Roomsに対応したモデルがあり、それぞれオーディオ付きモデルと、さまざまな周辺機器(スピーカー、マイク、Webカメラ等)を自由に組み合わせることが可能なオーディオなしモデルが選択できる。オーディオモジュールはハイエンドオーディオメーカーのBang & Olufsen社と共同開発した高音質な360度スピーカーやノイズキャンセリング機能を搭載するなど、Web会議専用システムと言っても過言ではないほど充実した機能を備えている。このような機器を用意すればWeb会議開催の頻度も増し、コミュニケーションの課題も解消されるはずだ。

*1:カスタマイズオプションの選択が必要。
*2:写真はHP Elite Slice G2 オーディオ付き。12.3インチタッチパネル HP Center of Room Controlは標準付属となります。

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