米国初の女性副大統領候補ハリス氏とは何者か カリフォルニア州元司法長官が期待されること
しかし、10年後、裁判官がカリフォルニア州の死刑を違憲であると宣言したとき、州の司法長官として執行を進める義務があるとして、判決に対して上訴している。
彼女が大統領選挙中に発表した刑事司法計画には、彼女が自らのキャリアの早い段階で反対していたいくつかの進歩的な政策が含まれていた。
2016年に上院議員に選出されたハリス氏は、10年以上ぶりの黒人女性議員となった。カリフォルニア州の上院議員を務めていた比較的短い時期に、彼女は最高裁公聴会でのブレット・カバノー氏への質問や、上院情報委員会の公聴会でのジェフ・セッションズ司法長官への質問など、トランプ政権の高官や候補者に対し鋭い質問をしたことで知られるようになった。
人種的正義に関する立法を支持
近年、彼女は民主党の左派との協調を模索しており、当初はバーニー・サンダース上院議員の「メディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)」法案を支持していたが、大統領選挙中にその立場を変えた。彼女はまた、連邦最低賃金を時給15ドルに引き上げる法案、国の保釈制度を改正する法案を支持している。
ハリス氏はフロイドさんの殺害を受けて、人種的正義に関する立法を声高に支持しており、取り締まりを見直す法案や、リンチを連邦犯罪とする法案を支持している。彼女は情報委員会や司法委員会など、上院で注目度の高いいくつかの委員会でも委員を務めている。
ハリス氏は昨年末、資金不足を理由に大統領選から離脱した。最初の力強い討論の後の世論調査では支持率が伸びたが、その後は勢いが弱まり巻き返すことはなかった。しかし、1月に出馬した際には有力視されており、彼女は選挙キャンペーンの初期の動向に影響を与えた。
ハリス氏の影響力に関しては、一部イデオロギー的といえる。例えば彼女は州の中絶規制法に対し、連邦政府の事前承認を必要とすることを提案した最初の候補者であり、後に民主党候補者のほとんどがこれに支持を表明している。
昨年6月に行われた民主党大統領候補指名争いの討論会では、バイデン氏の人種問題をめぐる過去の発言や政策に挑戦して、一時、支持率を上げた。口論の始まり方も、注目に値するものだった。ハリス氏は司会から発言を指名されていなかったが、「この舞台で唯一の黒人として、人種問題についてお話しさせていただきたい」と自ら進んで発言したのだ。
このやり取りからは、ハリス氏の選挙キャンペーンが売り込みに力を入れていた、ある資質がうかがえた。そしてその資質は上院公聴会でのハリス氏の激しい質問攻めでも強調されることになる。
ハリス氏のチームは、彼女はどんな討論の場でも主導権を握ることができる、と言いたいのだ。そしてその討論の相手にはドナルド・トランプ大統領も含まれる。つまり、いじめっ子的なトランプの政治スタイルにもハリス氏は怖じけることはない、と。