コロナ禍で中小企業が承継に踏み出すために

「経営資源引継ぎ補助金」活用のメリット

多くの中小企業の懸案事項である事業承継は、以前から言われている後継者不足に加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ますます困難になることが予想されている。一方、今を事業拡大の好機と捉え、M&Aを検討している企業も少なくない。こうした中、中小企業庁は、中小企業の貴重な経営資源はもとより、雇用や技術、地域のサプライチェーンの維持を後押しするため「経営資源引継ぎ補助金」を交付。事業承継の促進、ひいては国全体の経済の活性化を図ろうとしている。

中小企業の多くが、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大で経営にダメージを受けた。これを機に、本格的に事業承継を考え始め、事業を譲渡したいという経営者も少なくない。一方、影響があまり大きくなく、かつ一定の体力がある企業は、むしろビジネスチャンスと捉え、M&Aによる事業拡大に積極的な姿勢を見せている。

だが実際は、事業を譲渡したくても、さまざまな手続きにかかる多額の費用がネックとなっている。つまり、M&Aが成立した後ならともかく、売却できるかどうかもわからない段階で、数百万円を支払える中小企業は限られているのだ。

こうした中、中小企業庁は、M&Aなどに伴う費用の一部を補助する「経営資源引継ぎ補助金」を実施する。

補助金を活用できるのは中小企業基本法で定められた定義に当てはまる企業で、売り手と買い手の双方が補助の対象とされている。いずれも補助金額は、対象経費の3分の2以内で、買い手側の上限は200万円。売り手側はこれに加え、事業の一部を売却して残りを廃業した場合、廃業費用として最大450万円が補助されるため、上限は650万円となる。

オンライン申請の締め切りは2020年8月22日19時で、9月中旬に審査結果が通知される予定だ。審査を通った場合、そこから21年1月15日までにM&Aを行い、かかった費用を報告すると、確定検査を経て同年3月下旬までに補助金が支払われる。期間内にM&Aできなかった場合は、補助金が減額される。

廃業費用に関係する費用については、補助事業期間以前に契約していても、期間内に事業を再開した覚書などがあれば対象になる

「本補助金は、新型コロナの影響下でも、中小企業の貴重な経営資源や雇用、技術を次世代へ引き継ぎ、地域のサプライチェーンを維持していくことなどが目的です。引き継ぎ後のシナジー効果や、それによる新たな取り組みを通して、地域経済を牽引していただくこと、ひいては国全体の経済が活性化されることを期待しています」(中小企業庁)

後継者不足に加え、新型コロナの感染拡大でより深刻化している中小企業の事業承継。中小企業の経営者にとって、M&Aという手法はまだまだ一般的ではなく、ともするとネガティブなイメージを持っているかもしれない。だが、数ある選択肢の1つとして、まずは、「経営資源引継ぎ補助金」を活用し、専門家に引き継ぎの相談をしてみてはいかがだろうか。

※郵送申請の締め切りは2020年8月21日。当日消印有効

お問い合わせ
経営資源引継ぎ補助金事務局
受付時間 10:00~12:00、13:00~17:00
(土・日・祝日を除く)
関連ページ
事業承継広告特集
事業承継に成功する経営者は何が違うのか