「電話代の大幅削減」を実現した秘訣とは どこからでも固定電話が取れるあのツールは
「UniTalk」で働き方の自由度を広げたい
――社内の電話網を運用するに当たり、具体的にどのような課題を感じられていたのでしょうか?
浅野井氏 事業拡大に伴うオフィス開設で、電話交換機を導入する際、1拠点ごとに約1000万〜2000万円の大きな費用がかかる点に課題を感じていました。10年経っても壊れないとされる電話交換機への信頼は厚かったものの、事業拡大のたびに大きな支出があれば、経営への負担は小さくありません。またテレワークの推進が叫ばれる中、会社にかかってきた電話にどこからでも対応できる環境を整えることも、喫緊の課題となっていました。
――そうした課題の解決策として「UniTalk」を採用されたということでしょうか。
浅野井氏 はい。クラウドサービスのため、電話回線の敷設工事や電話交換機の設置なしに短期間で導入できることと、ほかの類似サービスと比較して初期投資を抑えられることにメリットを感じ、採用しました。当社ではオフィスのフリーアドレス化も進めており、外勤内勤問わず働き方の自由度を広げたいと考えていたので、スマートフォンやパソコンなど複数のデバイスで、場所を問わず受発信できる点も魅力でした。
通信費30%減、運用管理者はたった1人に
――導入決定前の19年9月から、「UniTalk」の実証実験を進められたと伺いましたが、どのような成果が得られましたでしょうか?
浅野井氏 コスト面では、クラウド化により電話交換機の設置コストが抑えられたことはもちろん、「UniTalk」のライセンス契約により、通信費を30%減らすことが見込めました。また運用管理についても、これまでは電話網の運用管理を、総務部門数名とベンダー数社に任せていたのですが、導入後は情報システム部門の1名のみで運用可能になりました。従来は各拠点に設備設定のメンバーを派遣し、電話交換機を直接操作する必要がありましたが、「UniTalk」は、各部門の管理者が「Microsoft Teams」のチームにメンバーを追加するだけで電話網が完成するので、管理がとても速く楽になるだけでなく、各部門ごとに自由に業務を設計できるのもよいですね。
また当初は、「UniTalk」によるネットワーク負荷が大きくなり、音声品質に影響がないかどうかが気がかりでした。そのため、最初は100名から、徐々に人数を増やして実証実験をしながら導入しました。結果的には当初の想定が大きく外れ、1000名を超えてもまったく劣化せず、とてもクリアな音声品質が保たれています。
スマホを紛失しても安心のセキュリティーツール
――当初、20年7月に予定されていた「UniTalk」の導入を、新型コロナウイルスの影響で4月に早められました。システム移行や環境整備に当たり、工夫された点はありますか?
浅野井氏 緊急事態宣言を機に、社員が在宅からインターネット接続できる環境と、デバイスを選ばず「UniTalk」を使用できる環境を整えるべく、約500台のスマートフォンを追加導入しました。これにより管理台数が倍増するため、管理ツールである「Microsoft Intune」の設定を見直しました。「Microsoft Intune」はクラウド経由で管理者がセキュリティー管理できるサービスで、仮に社員がデバイスを紛失したとしても、外部からは企業や個人の情報を盗み見ることができず、管理者による位置検索も可能になります。社員がどこで働いていても、情報漏洩などのリスクを軽減させ、安全に業務を遂行することができるツールとして使用しています。
また、スマートフォンを導入するうえで、複数の携帯キャリアと回線契約していても問題なく利用できるのも「UniTalk」を選んだ理由の1つですね。
「電話とチャット」で社内コミュニケーション円滑化へ
――今後の「UniTalk」の運用を含め、働き方改革の方針を伺えますでしょうか。
浅野井氏 全社的には7月末までに「UniTalk」への完全移行を目指しています。今後は「Microsoft Teams」のチームで代表電話にかかってきた電話を誰に鳴らすかを簡単に設定できる点を生かし、代表電話の運用は各部門の責任者に一任する予定です。
また、情報システム部門では、「Microsoft Teams」のチャット機能を活用して、社内コミュニケーションの円滑化に努めています。これまで社内には、電話で即時問題を解決したい社員と、非同期コミュニケーション手段で効率的な業務を好む社員の両方がいました。しかし電話もチャット機能も充実した「Microsoft Teams」によって、両者が1つのツール上でその時々の状況に適した手段を選んでコミュニケーションができるようになったのではと考えています。「Microsoft Teams」を使用することで、仕事を効率よく進め、さらなる生産性向上を目指していきたいですね。