在宅勤務「PC管理」が心配な企業への処方箋 やってわかった、備えておきたいポイント

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、デバイス管理についても、多くの企業が緊急対応せざるをえなかったことだろう。これまではPCの持ち出しを禁止にしていたところを、自宅に持ち帰れるようにしたり、ノートPCやタブレット端末などを新たに調達して社員に配布したという企業もあるはずだ。ここでは、モバイル管理ツールを手がけるアイキューブドシステムズの取締役 営業本部長 林正寿氏に今後の対応のポイントについて聞いた。

デバイスの設定、アプリを統合的に管理する手法とは

林正寿 アイキューブドシステムズ 取締役 営業本部長

緊急で対応した企業様の中には、セキュリティーが心配されるケースもあります。デバイスを紛失したり、盗難に遭ったりした場合、デバイス内の情報漏洩や、会社のネットワークに不正にログインして情報を抜き取られたりすることも十分ありうるからです。また、Wi-Fiを使って社内システムにアクセスする場合も、フリーWi-Fiなどを利用すれば、情報を盗み見されるおそれがあります。

一方、社員が自身の判断でウェブ会議アプリなどをデバイスにインストールしてしまうこともあります。そのアプリやバージョンにセキュリティー上の脆弱性があったとしても、それをIT管理者が把握し対処することができない「シャドーIT」による課題もあります。このような事態でも安全に運用できるのが、MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)。ノートPCやスマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイスの設定、アプリなどを統合的に管理するサービスです。

MDMツールは各種登場していますが、当社の「CLOMO MDM」は、9年連続シェアナンバーワンを誇ります。クラウドサービスなので、特別な機器や専門的な知識がない人でも、簡単に迅速に管理できるのが大きな特徴です。

配布したデバイスを集めることなく管理者が遠隔で設定することができる

例えば、テレワークに必須となるウェブ会議やチャット、VPN(仮想私設網)アプリなどを、管理者が遠隔でデバイスにインストール・削除することができます。運用上の設定管理においても、Wi-FiやVPNの設定に加え、アプリの使用に必要なログインIDなどの設定も管理者から一括で行うことが可能です。デバイスの紛失や盗難の際は、デバイスをロックするとともに強制的にデータを消去することもできます。

今回の緊急事態宣言下で、急きょ「CLOMO MDM」を導入した企業もありました。多店舗展開をしているある企業では、一時的な店舗自粛に伴いテレワーク化、エリアマネージャー間のコミュニケーションを図るために、ウェブ会議アプリをタブレットに導入して展開。ところが、そのアプリにセキュリティー上の脆弱性があることがわかり対応が必要となりました。展開時のキッティングで利用した「CLOMO MDM」で、管理者が一括でアプリケーションのバージョンアップをしたり、バージョンアップしていないデバイスを特定することができ、非常に役立ったと聞いています。

一方、ある法律事務所では、内勤者のテレワークに対応するために「CLOMO MDM」で管理したデバイスを配布しました。同社では今後、場所にこだわらない働き方を進めていく計画で、そのためにPCの紛失・盗難などにも備えることが必要だと考えています。これらの事例は、今までトレードオフと考えられてきた、自由度がある質の高いコミュニケーション基盤の構築や生産性の向上と、安全なデバイスやアプリのセキュリティーをバランスよく実現するものといえるのではないでしょうか。

「CLOMO MDM」には、業務時間外の利用を制限する機能もあります。しっかりとしたデバイス管理をすることで、社員が安心して生き生きと働ける環境の実現にもつながります。そのためにも万全な態勢を今のうちに整えてはいかがでしょうか。

※出典:ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」2011~2017年度、「ミックITリポート2020年1月号」2018年度出荷金額実績および2019年度出荷金額予測

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