「変化嫌う」「職人気質」…日本企業を変えるコツ ホームセンター大手・カインズの大胆戦略

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今、私たちの生活様式もビジネスシーンも、さまざまな変革を余儀なくされている。これを機に政府はデジタル化を一気に推進しようとしているが、デジタル化の推進は今に始まった話ではない。これまで日本企業では、デジタル化やDXの必要性が叫ばれながら、なかなか進展しなかった現実がある。それはいったいなぜだろうか、原因と解決策を探った。

日本企業のIT化を阻むのは「人事組織」である

「AIを活用して、大量の知識をデジタル化することが可能になってきていますが、ビジネスの現場ではデジタル化が思うように進みません。これは、最終的には人間的な部分が障害になっているからです。一言でいえば、人事組織が障害になっているんです」と指摘するのは、帝京大学経済学部の宿輪純一教授だ。

帝京大学 経済学部
宿輪 純一教授・博士(経済学)

「日本企業の傾向として、現状維持を望み『変化を嫌う』こと、そして暗黙知をよしとする『職人気質』であることが挙げられます。ですから一般企業、とりわけ非IT業界の企業がデジタル化を進めようとするとき、まずIT人材の獲得とチームビルディングという問題に直面します。しかも既存の組織やマネジメントがIT人材に適合するとは限らず、カルチャーの異なる両者が協業して成果を出していかなければならない。乗り越えねばならない人事組織の課題が非常に多く、これが日本企業のDXを阻む大きな要因の1つとなっています」(宿輪教授)

しかし、「IT小売企業」への変革を掲げてこの高いハードルを乗り越え、短期間でDXを実現した企業がある。ホームセンター大手のカインズだ。同社では2019年7月にデジタル戦略本部を立ち上げ、一気に30人のIT人材を採用。その直後に実施したアプリ会員キャンペーンでは2カ月で50万ダウンロードを獲得し、店舗でのデジタル会員売り上げを約2倍に伸長させた。ECにおいては収益改善プロジェクトに取り組み、3カ月で営業黒字を達成したという。

同社がここまでDXを成功させることができた理由はどこにあったのか。また一般的な日本企業がAIを活用する方策とは。その具体的な内容は、こちらのページから無料でダウンロードできるPDFに詳しく記されている。ぜひ参考にしてほしい。

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