持続化給付金「委託めぐる異論」、入札は適正か

2次補正分も1次と同法人の可能性、野党が追及

「サービスデザイン推進協議会」は2016年5月16日に電通、パソナグループ <2168.T>、トランス・コスモス<9715.T>によって設立された。設立したその日に公募が開始された経産省の「おもてなし規格認証事業」の一般競争入札に応募、落札した。この事業は、電通と電通国際情報サービスに外注している。また、同年には「IT補助金事業」も受託。これは、電通、電通ワークス、みずほ銀、NTTデータ、一般社団法人情報サービス産業協会に外注している。

同協議会は、法律で義務付けられた決算公告を、設立後一度も行っていなかったことも明らかになっている。梶山弘志経産相は5日、「法令にのっとった開示が行われていなかったことは大変遺憾。早急な対応を要請している」と述べている。

2次補正分の公募未定、協議会へ再度発注か

「持続化給付金」は2次補正で1兆9400億円を追加計上。収入を「雑所得」や「給与所得」で計上していたフリーランスも持続化給付金の対象とすることなど制度を拡充したことも含め、追加の予算計上となった。これに関する事務委託費は850億円。現時点では「公募するかどうか未定」(経産省関係者)という。ただ「予算成立後すぐに申請を受け付け、支払業務を開始できるようなシステムを短期で作り上げ、それが安価というのは見込めない」(前出の政府関係者)ことから、現状のシステムやコールセンター、サポートセンターなどを有効に使うためには「サービスデザイン推進協議会」に発注する可能性が高い、という。

梶山経産相は5日、持続化給付金事業の事務費について、「現在の(1次補正での)契約額の範囲内で当面継続できるものと承知している」としたうえで「(サービスデザイン推進)協議会ありきで随意契約を行うことは考えていない」と発言。「今後、契約額に不足が生じると分かった段階で透明性、公平性を確保した手続きを経て適切に対応したい」と述べた。

事業委託が不透明だと野党が追及する中で、梶山経産相は給付金事業の入札に関連する資料を来週初めにも国会に提出する考えを示している。

<Gotoキャンペーン、公募いったん中止>

事務委託費については、もう一つ問題が指摘されている。新型コロナ収束後に旅行や飲食の消費を喚起するために1次補正予算に1兆6794億円が計上された「Gotoキャンペーン」。そもそも、この段階で収束後の消費喚起策の必要性があるのかという議論もあった予算だが、事務委託費は上限3095億円で、事業費の18.4%。

公募は6月8日が締め切りになっていたが、経産省は5日、いったん公募を中止すると発表。これまでひとつの事務局を考えていたが、構造が複雑になるため、観光、飲食、イベントという3つの分野で各省庁がそれぞれ事務局を選ぶ形に変更する。経産省関係者は「今から各省が検討する。できるだけ早く準備する」とした。公募を中止したことで、キャンペーン実施時期にも影響が及ぶ可能性も出てきた。

(清水律子、編集:石田仁志、青山敦子)

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