マカオのカジノ、収入ゼロ続くも当面安泰な訳 豊富な現金収入を貯めこみ、借金も少ない

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マカオのカジノを運営する各社は、世界最大のギャンブル拠点のマカオも例外なく新型コロナウイルスの打撃を受けているが、運営会社の多くが嵐を乗り切れるだけの十分な手元資金を確保している。写真は2月5日、聖パウロ天主堂跡近くで撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 30日 ロイター] - マカオのカジノ運営企業、ギャラクシー・エンターテインメント<0027.HK>は新型コロナウイルスの猛威で中国本土からの来場者がぱったり止まり、1日当たり300万ドル(約3億2100万円)の運転費用を垂れ流している。こんなことが起きたら、大抵の企業は沈没しかねない。

しかし、世界最大のギャンブル拠点のマカオでは、同社や同業の多くが嵐を乗り切れるだけの十分な手元資金を確保している。驚くなかれ、数カ月から数年、収入ゼロが続いても、生き残れそうなのだ。

マカオのカジノ運営会社らのバランスシートの質は、米ラスベガスの同業者を凌駕する。米ラスベガスのカジノ業者が多大な債務を背負い込んでいるのに比べ、マカオでのビジネスは豊富な現金収入を生み、借金も比較的少ない。ひとえに本土の中国人の飽くなきギャンブル熱のおかげで、近年、収益を大きく伸ばしてきた秘密はそこにある。

今年の累積キャッシュは約1兆2900億円

ロイターの試算によると、マカオのカジノ会社の今年の累積キャッシュは計120億ドル(約1兆2900億円)を上回る。

その好例がギャラクシーだ。定期配当をせず、ここ数年では約57億ドル(約6100億円)のキャッシュをため込んだとみられる。この規模の内部留保があれば、コロナ危機が長引いて売上高ゼロのままでも、生き抜くことができそうだ。

中国特別行政区のマカオにとって、ギャンブル産業の浮沈は命運を握る。人口60万人の約4分の3が直接、間接的にカジノに雇用されている。

ギャラクシーのロバート・ドレーク最高財務責任者(CFO)は、コロナ流行のさなかの2月末、通期決算会見で「コロナの影響がこれからどうなるのかを予想するのは非常に難しい」と述べていた。新型コロナの影響で、マカオでは年内に開始が予定されていた数十億ドル規模のプロジェクトが遅延する見通しになっている。

しかしアナリストによると、当地の他にカジノを運営するサンズ・チャイナ<1928.HK>、MGMチャイナ<2282.HK>、メルコ・リゾーツ、ウィン・マカオ<1128.HK>は、ギャラクシーよりはキャッシュのバッファーが低いにもかかわらず、いずれも半年から2年間程度、収入ゼロでもやっていける。その場合、借金をしなくても全員が生き残れるのは半年間。ただ、売り上げが立たない期間が半年以上長引くと、問題が起きるケースもあるかもしれないという。

各社はロイターの質問に対してコメントを控えている。

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