「ストロングで上質」、キリン衝撃の新戦略

新商品「麒麟特製ストロング」で狙うのは?

近年大きく伸びている、アルコール度数が7~9%のストロングチューハイ市場。今年4月7日、そんな好調市場をより活性化させうる一品「麒麟特製ストロング」が新発売となった。ていねいに仕立てられた味へのこだわりや、上質なうまさが感じられる新商品である。これは単なる新商品ではなく、もはや“上質系ストロング”という新カテゴリーの誕生すら予感させる。その真価を検証した。

「4年で7割増」のストロングチューハイ市場

近年、缶チューハイに代表されるRTD(※1)市場は、嗜好の多様化などによって拡大傾向にある。市場規模は2008年以降12年連続で伸長しており、19年は14年比で約1.7倍の伸びを記録した(※2)

中でも好調さが目立つのが、「ストロングチューハイ」だ。19年のストロングチューハイ市場は、15年比で約7割増となっており、今やRTD市場全体の6割をストロングチューハイが占めるまでに成長している(※3)

ビール類の税制は今後段階的に変わっていくと予想される一方で、RTDは、26年まで現在の酒税が維持される。そこに消費税増税などによる節約志向も加わり、ストロングチューハイ市場は今後さらなる成長が見込まれるというわけだ。酒類の中でも、とくに注目を集めるカテゴリーの1つである。

「本格的」という要素は、今チューハイに強く求められている

ただ、こうした市場拡大に伴い、ニーズも変化しつつある。最近の調査ではユーザーがストロングチューハイに求めるものとして「本格さ」「品質」「こだわり」などが上位に挙がってきている(※4)。要は品質感・上質感が重視され始めているのだ。そして、このようなニーズを満たすストロングチューハイは、まだ市場にほとんどない。

そこでキリンビールが満を持して発売したのが、「麒麟特製ストロング」だ。開発のコンセプトは「今までになかった、本格的でこだわりのあるうまさ」。同社は麒麟特製ストロングを通し、未充足のニーズをとらえた“上質系ストロング”という新機軸を、市場に定着させることをもくろむ。

そんな麒麟特製ストロングの特長は、アルコール9%でありながら、強アルコール飲料独特の“嫌なアルコール感”が大きく軽減されていること。そして、飲み応えがありながらも飲みやすい、調和のとれた味覚。それを実現している秘訣は、同社が独自に開発した麒麟特製の「うまみエキス」という成分だ。

※1 Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料 ※2 キリンビール調べ ※3 インテージSRI(酒類/拡大推計・沖縄除く) 2015~2019年 推計販売容量 ※4 キリンビール調べ(n=523)

技術を集大成、麒麟特製「うまみエキス」

チューハイの製法では果汁をそのままアルコールと合わせるのが一般的だが、同商品では、複数の果実を12時間以上かけて丹念に煮詰めてうまみを凝縮させた「うまみエキス」をつくり出し、それをアルコールと合わせている。この一見型破りな製法により、嫌なアルコール感を抑えながら、飲みやすさとお酒としてのおいしさ・上質さを同時に実現している。

上質なゴールドが印象的な「レモンサワー」のパッケージ。これまでのストロングチューハイのイメージとは一線を画すデザインだ

製法の開発は、試行錯誤の連続だったという。麒麟特製ストロングの開発を担当した、同社マーケティング部商品開発研究所の池田聡氏はこう力を込める。

「ビール・日本酒・ワインといった醸造酒には、複雑な味わいや、各種独自の飲み応えがあります。対してチューハイはすっきりした味わいが魅力ですが、醸造酒を参考にして開発することで、飲んだ時の満足感をもっと高められるのではないかと考えました。こうして生まれたのが、麒麟特製『うまみエキス』。今回新発売となる麒麟特製ストロングは、当社がこれまで酒類・飲料づくりから学んできたあらゆる知見を詰め込んだ、渾身の一品といっても過言ではありません」

「うまみエキス」により、香り・酒感・味わいの3つがバランスよく調和して深みもある、新しい味わいのストロングチューハイが誕生したというわけだ。同社は現在、「うまみエキス」について特許出願中だという。

「上質系ストロング」が、一大市場を形成?

また麒麟特製ストロングは、「レモンサワー」「ドライサワー」「コーラサワー」「ホワイトサワー」「グレープサワー」と全部で5種類のフレーバーが用意され、好みやシーンによって選べる。大きな特長は、このフレーバーごとに特別な仕立て方を採用している点だ。

キリンビール株式会社 マーケティング部長
山形 光晴

「ストロングチューハイであっても、いいもの、おいしいものを飲みたいというユーザーの気持ちは変わらない。そこが市場に新機軸をつくるチャンスになると考えました。例えばレモンサワーであれば、うまみエキスで味に深みを出した後、さらにレモン果汁を加える『追いレモン潤沢仕立て』を採用しています。手間をいとわず、フレーバーごとに仕立て方を細かく変えることで、風味豊かで上質なおいしさを引き出しています。事前に実施した100人調査でも、95%を超える方に“上質なうまさ”、“また飲みたい”と答えていただけました」と、同社マーケティング部長の山形氏も胸を張る。

さらには、ストロングチューハイのイメージをがらっと変えるパッケージデザインも、麒麟特製ストロングの強みだ。正面に輝くゴールドのエンブレムの中には、キリングループのシンボルとなる聖獣麒麟が堂々と配され、併せて品質への自信を示す「特製」の文字もお目見え。こだわりや品質感が一目で伝わるデザインで、従来のイメージとはまったく異なるものになっている。

とりわけキーフレーバーとされるレモンサワーは、上質感のあるゴールドを全面にあしらっており、これまでのストロングチューハイにはない世界感を醸し出している。これまでストロングチューハイを飲んでこなかったお酒好きのユーザーも、これなら手にしやすいだろう。

好みや気分に合わせて選べる、全5種のフレーバー

実際に「麒麟特製ストロング レモンサワー」を試飲してみると、嫌なアルコール感がなく、上質な飲み口にまず驚かされる。レモンの風味と強めの炭酸が立っていて、味に深みもある。後味はスッキリ爽やかだ。純粋に飲み物としておいしく、さまざまな食事に合うだろう。

そんな本格的な味わいの商品でありながら、価格が一般的なストロングチューハイと変わらない(※5)点も大きな強みだ。「今、お酒を飲むシーンや人々の食の志向はどんどん多様化しています。こうした世相を捉えて、発売時から5種類のフレーバーを用意しました」(山形氏)。消費税増税や昨今の不景気で、食費を抑えつつもおいしいお酒を味わいたいユーザーにとって、本格派でおいしく、かつ手頃な1本は非常に重宝するだろう。

好調を維持するストロング系チューハイ市場と、「本格さ」「高品質」へのニーズを踏まえると、今後、上質系ストロングが1つのカテゴリーとして市場に定着し、大きく飛躍していくことも十分に考えられる。まさにこの「麒麟特製ストロング」が、その牽引役となるかもしれない。

※5 価格はオープン価格

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