コロナショックは太陽の黒点と関係があるのか リーマンショック時もピタリと一致していた
新型コロナウイルスの問題は、当初は震源地の中国や「ダイヤモンド・プリンセス」号の集団感染があった日本などアジアが中心で、欧米市場ではまるで「対岸の火事」のごとく、株価への影響も限定的だった。
ところが、先月末にイタリアで大規模感染が確認され、米国で初の死者が出たあたりから空気が一変し、欧米市場でもパニック的にリスクオフが進行。米連邦準備理事会(FRB)が3日に緊急利下げを決定したにもかかわらず、市場は下げ止まらず、海外の著名投資家の口からもいよいよ新型コロナ問題はブラックスワンだとの指摘が出始めている。
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者兼運用者のレイ・ダリオ氏は、先週リンクトインへの投稿で、新型コロナウィルスについて「これは、よく100年に1度と形容されるような壊滅的なイベントの1つで、こうしたリスクに対する保険を提供する主体や、十分な保険を払っていない主体を破滅に導くだろう。彼らは、こうしたことはほとんど起こるはずがない、という前提でリスクを取っているからだ」と述べた。
このほか、米マイクロソフト<MSFT.O>共同創業者のビル・ゲイツ氏も、医学専門誌への寄稿で「新型コロナウイルスは我々が懸念してきた100年に1度レベルの病原菌である可能性がある」との見解を示している。
野村証券のクロスアセット・ストラテジスト、高田将成氏は「現在進行中のグローバル株式のセルオフは、控えめに評価して『異常事態』だ」と述べた上で、「米国株センチメントはイレギュラーな悪化を続けており、市場は、まだ見ぬ異常事態の到来を本能的に察知しているのではないか」と考察した。
ウイルスが黒点の警告なら、市場に下げ余地
「コロナショック」、「リーマン級」などの言葉が現在進行形でニュースのヘッドラインを賑わせる中、クレディ・スイスの白川氏は、黒点の警告はこのウイルスだった可能性があるものの、仮にそうであるならば、下落はこの程度では済まないと話す。
「黒点が示唆するショックは、ピークから35─40%の下落を意味する。もし新型コロナがそれだとすれば、株価はこんなものではない。今の水準からまだ2─3割下がるだろう」。
白川氏は、顧客の中には太陽活動を注視しているヘッジファンドなどのプロの投資家がおり、足もとでも、黒点のデータの解釈について「暴落サインと見るべきか」などと見解を求める問い合わせが入っていることを認めた。また「頭の片隅にその想定を置いているのといないのでは、ヘッジをするにしてもやり方がまるで違ってくる」と指摘する。
同氏は、太陽黒点と経済の関係についてはまだ科学的に立証されてないとしつつも、太陽活動の低下により地球に到達する宇宙放射線量が増えることが確認されており、その結果、例えば雲の量が増えるなど地球の様々な活動に影響が及ぶ可能性があるため研究が進められていると説明。「地球上に生きる者は太陽のもとに生きており、多かれ少なかれ太陽活動の影響を受けてもおかしくない」と話している。
(編集:石田仁志)
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