リアルとウェブの複合提案が注目される理由

企業の競争優位性を高める独自の取り組み

DXを促進する「アラジンEC」使用の様子
20年以上前から、時代に先駆けてDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートしてきたアイル。本部や店舗における販売・在庫管理などの業務管理システムと、ECサイトなどウェブ上における業務管理・販促システムの両面を、ともに自社開発で、ユーザー企業の業務や課題に合わせて複合的に提案することで、顧客の業務効率化はもちろん、売り上げや、企業の優位性向上に貢献してきた。いったいどのような取り組みをしているのか、代表取締役社長の岩本哲夫氏に聞いた。

最新のデジタル技術を既存システムに上乗せするだけではないアイルのDXコンセプト

この10年で売上高を約3倍に伸ばし、過去最高益を更新し続けているアイル。2019年の株価は290.9%アップの上昇率を達成、東証1部で注目を集めている企業の1つだ。急成長の要因は、自社開発のソフトウェアやASPサービスを活用したDXソリューション。代表取締役社長の岩本哲夫氏は、その取り組みについて次のように説明する。

代表取締役社長
岩本 哲夫

「DXソリューションというとIoTやAI、RPA、プロセスマイニングツールなどの活用をイメージする方が多いですが、それらを単に導入するだけでは既存ビジネスの延長線上の変化しか期待できないでしょう。たとえ最新のデジタル技術であっても、古くなったコンピューターのシステムに上乗せするだけでは、十分にデータの利活用・連携ができないからです」

経済産業省のレポートによれば、約8割の企業が老朽化したシステムを抱えている。最新テクノロジーを既存システムに上乗せしただけでビジネスが変革できないとすれば、どうすればいいのだろうか。

「重要なのは、複雑な業務プロセスやサプライチェーンを根本から見直し、整理すること。そのうえで、エンドユーザーとダイレクトにつながる仕組みを新たに構築することです」

アイルは最新技術を活用するだけでなく、業務プロセスを見直して効率化を図ることで、売り上げや利益へ直結するDXをつねに意識しているという。

業界・業務に精通しシステムとウェブの知識をともに備える人材がそろう

「業務効率化を図り、競争優位性を高める」。シンプルなコンセプトだが、実現は決して簡単ではない。結果を出すためには、その企業が抱える課題を的確に把握しなければならないからだ。

「単にお客様にヒアリングを行うだけでなく、業界特有の事情や業務フローを理解したうえで、説得力のあるご提案ができるようにしています」(岩本氏)

同社では、営業およびエンジニアが、担当する業界の知識を徹底的に習得している。加えて、基幹システムとウェブに関する知識を持ち合わせ、1人3役をこなす。そのため、ユーザー企業の課題に応じたソリューションを迅速かつ的確に提案できる。

毎月社員間で全セクションの実績・ユーザー事例を共有しているため、多様な業界・業種に向けたシステム導入ノウハウが、各社員に蓄積される。

その成果は数字にも表れており、これまでの支援実績は5000社以上。最近は中堅・中小企業のみならず、大手企業からの引き合いも増加しているという。また、競合他社が低価格を打ち出したにもかかわらず受注を勝ち取るケースが多く、新規競合商談勝率が91.1%(19年7月期実績)であることにも驚かされる。無競合決定も多く、毎月複数商材の同時決定が複数件あり、19年度は年間33件にのぼったという。複合ソリューションが決め手となって、まず1サービスから導入が決定するケースも増えており、今後さらなる増加が期待されている。

企業の業務効率化のみならず競争優位性を高めるDXソリューション

支持を集めるアイルのソリューションには、基幹業務システム「アラジンオフィス」、企業間の受発注取引専用のECシステム「アラジンEC」、複数ECサイトのデータを一元管理できる「クロスモール」、実店舗およびECサイトの顧客情報・ポイントを一元管理できる「クロスポイント」などがある。

では、具体的にどのような変革を企業にもたらすのだろうか。興味深いのが、サントリーマーケティング&コマースの事例だ。同社の顧客は酒販店や飲食店。従来は電話やファクスからの受発注が当たり前の業界だった。しかし「アラジンEC」の導入により、顧客がECサイト上で簡単に注文できる仕組みを構築。すると電話での問い合わせ件数が年間10000件減少し、ECサイトからの受注件数は前年比178%、オンライン売上は同187%と大きく成長。同社の業務効率化に留まらず、結果的に同社の顧客の利便性も向上したことで、競争優位性を高め、電話やファクスによる注文という業界の慣習をも変えたのだ。

「ソリューションを組み合わせることで、企業活動に必要な機能がワンストップでそろうのも特徴です。そのため、ITシステムの専門知識を持つ社外コンサルタントを確保したり、複数のIT事業者をマネジメントしたりする必要もなくなります」(岩本氏)

複雑な業務プロセスの見直しと効率化
エンドユーザーとダイレクトにつながる仕組みを構築

例えば「アラジンオフィス」と「アラジンEC」が連携すると、ウェブで受注したデータが自動的に基幹業務システムに入る。もちろん入力作業は不要。受注から生産・供給まで一元管理が可能となる。基幹業務システムとECシステムの双方を自社開発しているシステム会社は珍しく、通常であれば導入企業は、各システム会社とそれぞれに打ち合わせをしながら、システム連携を図る必要がある。手間やコストが掛かるうえ、トラブルも発生しやすい。

「DXは、突き詰めると『仕事がやりやすくなる改革』だと考えています。その未来形は、政府が新たな未来社会として提唱している『ソサエティー5.0』でしょう。フィジカル空間(リアル)とサイバー空間(ウェブ)を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立させるものですが、アイルのDX支援はそれを先取りして実践してきたと確信しています」(岩本氏)

フィジカル空間にある本部や実店舗を支える基幹業務システム(リアル)と、サイバー空間にあるECサイトを支える管理・販促システム(ウェブ)。ITインフラがさらに整備される今後は、この双方を熟知していることが圧倒的な強みとなる。それぞれを独自に開発し、パッケージとしてトータルで提供できる希少な存在であるアイルは、今後さらなるプレゼンスを発揮しそうだ。

リアルとウェブの両面から「DX」を加速させるアイル

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