「社内から斬新な発想が出ない」ときの突破口 イノベーションは待っていても決して起きない

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変化が激しい時代、ビジネスでは埋没しないような「革新性」が求められる。しかし、社内でアイデアを募っても想定内のものばかり。発注するのもいつも決まった会社ばかりでいまいち新鮮味に欠ける。そんなふうに漠然と悩んでいることはないだろうか。ここで考えてみたいのは、企業ではなく個人の力を活用してみるという選択肢だ。「イノベーションを起こす」ためにフリーランスの発想力を生かす方法とは。

「無責任」が起爆剤となるアイデアを生む

クレジットカードのデザインに暗黙のルールがあることをご存じだろうか。カードに記載された番号に模様がかかるデザインは、読みづらくなるために基本的に御法度である。しかし、新生銀行のグループ会社が発行したあるカードは、業界の常識にとらわれず、番号付近に凝ったテザインが施され、見た人に強い印象を残す。

実はこのカードをデザインしたのは、ランサーズに登録しているフリーランスだ。

近年、新しいものを生み出すという目的でランサーズのサービスを活用する企業が少なくない。ランサーズ執行役員マーケティング担当の根岸泰之氏は、企業側のニーズを次のように明かす。

ランサーズ
執行役員
CMO
根岸 泰之 

「大企業でも新しいアイデアを出す人がいないわけではありません。ただ、関与する人が多いため、とがった部分が削られて最終的には無難なところに着地しがちです。一方、フリーランスは、いい意味で『無責任』。こうしなければいけないという縛りがないので、斬新なものを提案できます。そこに期待してご利用いただくケースが増えています」

ほかの事例も紹介しよう。パナソニックは、デジタルカメラ「LUMIX」の外装デザインをランサーズで募集。1303件の提案が集まり、約50のデザインが実際に商品化された。

「多種多様なアイデアを一気に集めることで、これまでにはない斬新なクリエーティブが生まれたのです。ランサーズは100万人以上のフリーランスの方が登録しています。裾野が広いので、社内では浮かびづらかったアイデアと出合える確率も高いのです」(根岸氏)

ランサーズで集まったデジタルカメラ「LUMIX」の外装デザイン案

ランサーズ発注サポートで的確な人材にアプローチ

このような「制作物コンペ方式」以外にも、提案や見積もりを集めてから条件に合う人を選んで発注する「プロジェクト方式」や、ボリュームのある単純作業なら「タスク方式」も選択できる。すでに一緒に仕事をして信頼関係が築けているなら特定のフリーランスへの「直接依頼」もオーケーだ(詳しくはランサーズ利用ガイド「発注の流れ」を参照)。

いずれの方式でもフリーランスならではのアイデアが期待できるが、メリットはそれだけではない。利用企業に喜ばれているのはスピード感だ。

「企業が人を新たに採用するときは、募集から書類選考、面談、内定と多くのプロセスが必要で、最短でも3カ月程度かかります。一方、フリーランスへのアウトソーシングならタイムリーに人材を確保できる。『直接依頼』で相手が了承すれば、仕事が発生したその日に取りかかってもらうことも可能です」

社外の人材を活用するにしても、個人より法人のほうが安心できると考える企業は多いかもしれない。しかし、根岸氏は「フリーランスの多くは、もともと企業に勤めていた方々。スキルのレベルは正社員と変わらない」と説明。さらに、法人に依頼するより優れている点も多々あるという。

「法人では対応が難しいような小ロットでも依頼しやすいことは魅力の1つでしょう。また、法人のような間接費がかからない分、フリーランスの方ならば利益も確保しやすく、写真1枚といった案件にも参加しやすいといった背景があります」

一方、発注企業としては「そもそも誰に頼んでいいのかわからない」という不安もあるだろう。数多くの提案の中からぴったりの人を見つけるのはハードルが高そうだ。

そこで、ランサーズでは、過去の実績やクライアントからの評価、レスポンスの速さなどを総合考慮してフリーランスを5段階で評価している。

ランサーのプロフィール画面(一例)

そればかりではない。「自分たちでフリーランスの方を選ぶのが難しいと感じる企業のお客様に対して、さまざまなご相談に対応できるサービスをラインナップしています」と根岸氏。

例えば、「ランサーズ発注サポート」は、発注したい仕事の要件整理のコツや謝礼の相場、人選についてアドバイスをするもの。電話・メール・チャットで無料で受け付けているので、初めての場合でも安心して利用できそうだ。また、「ランサーズプロ」は企業向けにニーズに合った即戦力人材を紹介するもの。人材ビジネスで経験を積んだアドバイザーが顧客企業にヒアリングし、数名の候補者を紹介してくれる。

さらに、ランサーズのプランナーやディレクターがフリーランスとの交渉を引き受け、納品までを一括して委託できる「アウトソーシング」といったサービスもある。これは、ランサーズが業務委託契約の相手となるため、フリーランスへの発注ができない企業にも活用されているという。

徹底したフリーランス目線の企業哲学

ところで、ランサーズにはなぜ100万人以上ものフリーランスが集まるのか。要因の1つは、サービスの根底にある哲学かもしれない。根岸氏の分析はこうだ。

「ランサーズの創業者はもともとフリーのエンジニアで、サービスもフリーランスの視点から考えています。それがフリーランスの皆さんの支持につながっているのではないか」

フリーランスを大事にする姿勢は、コンペ方式に最低金額ラインが設定されていることにも表れている。

「最低ラインがないとダンピングが始まり、フリーランスが苦しむことになります。一方で、これは発注企業のためにもなります。割に合わなければ“安かろう悪かろう”で成果物のクオリティーが低下し、結局、最初からやり直すことになりかねません」

フリーランスを尊重するからこそ、多くのフリーランスが集まり、イノベーションを生み出すプラットフォームとして機能するようになる。こうして、常識を覆すようなコラボレーションが日々生み出されているのだ。

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