戦略・改革の発想がない「総務」は生き残れない 「オフィス移転」をきっかけに改革ができるか?
企業の移転は、「人員増が要因」ではない
成長企業に引っ越しはつきもの、とはよく言われる。事業の急速な拡大に伴って人員も増大し、より広いオフィスに移転しても、早晩、また手狭になってしまう。そうしたことから企業がオフィスを移転する目的は、社員数増加への対応だとされてきた。だが、最新の調査によってその「常識」に疑問が呈されている。
世界有数の不動産総合サービス会社のジョーンズラングラサールが、2019年12月に日経BPコンサルティングの協力のもとに行った「オフィス改革等に関する調査※」では、オフィス移転の目的について聞いたところ、上位に入ると思われた「社員数増加への対応」という回答が5位に沈んでいるのである。
ならば企業は今、何を目的にオフィスの移転をしているのだろうか。その答えは、「社員の労働環境の改善」だ。オフィス改革と言い換えてもいい。
そして、「オフィス改革における課題」を聞いた設問では、「費用をかけられない」ことを挙げた回答が群を抜いて多いことも見逃せない。だが、費用をかけずにオフィス改革などできるはずもない。とすれば、企業の総務部門はこの問題にどう対処すればいいのだろうか。
1つの選択肢となるのが、アウトソーシングだ。外部に依頼するため、もちろん費用はかかるが、もし組織の効率化とセットにした「改革」と合わせて考えればどうか。つまり、アウトソーシングにより効率を上げることで、費用以上のリターンを得ることも可能なのだ。
例えば、ある中堅エンターテインメント系企業では、不動産コンサルティングを活用することによって4年間で5億円超のコスト削減を実現した。また、ある大手電機メーカーは総務・施設管理全般のアウトソーシングサービスを依頼し、9年間で実に約70億円に及ぶコスト削減効果を出している。
総務の仕事は決して「雑用」ではない。多岐にわたる仕事をフックとして、さまざまな戦略を立てて改革を実行する部署なのだ。まずは上記調査についてまとめた無料PDF「『オフィス改革』を軽視する企業が生き残れない理由」をダウンロードして、現在位置を確かめてほしい。
※調査対象は、企業の経営企画系部門や総務部門、財務部門の勤務者。オフィスについての関心や取り組みなど幅広いテーマについて、500件の有効回答を集め、インタビューも実施した