働き方改革を成功に導く「人事部門」の特徴 日本の労働生産性が「米国の5割」の理由

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日本の労働生産性は、米国と比較して低く、例えばサービス産業では30~40%の水準で、サービスの質を考慮しても約50%にとどまる。端的に言えば、これを米国水準に引き上げようと政府が推進しているのが働き方改革であると、SmartHR人事労務研究所 所長の副島智子氏は解説する。

「当社では、働き方改革とは今後50年で約43%減少する労働人口への対応と労働時間削減、AIやRPAによる職業代替に負けない従業員のキャリア形成サポートという3つの課題の解決だと定義しています。ただ、3つの課題に同時に取り組むのは非常に困難です」(副島氏)

テキパキ働いて残業をなくしたAさんと、以前と同じ働き方で残業時間は横ばいのBさんがいたとする。生産性を向上させたのはAさんだが、従来の給与制度ではAさんは残業代がなくなった分給与が減り、Bさんは据え置きというちぐはぐな事態が生じてしまう。

つまり、労働時間削減の実現には、直接的な労働時間管理や業務の見直しだけではなく、給与制度や人事評価制度の変更など、取り組むべきことが多岐にわたるのだ。こうした状況が改善されなければ、優秀な人材ほど退職するリスクが高まることは言うまでもないだろう。

SmartHR人事労務研究所
所長
副島智子氏

「対応が後手に回っている企業は少なくありません。その理由は、働き方改革の実務を担当するバックオフィス担当者の働き方にあります。業務分担が明確な大企業を除いて、多くの企業のバックオフィス担当者は、複数の業務を兼任して多忙を極め、残業時間も多いんです。働き方改革のためにどのような方針で何をすべきか、考える時間すら持てていないのが実情です」(同)

人事業務の場合、給与計算や勤怠管理などを効率化するソリューションが豊富な領域がある一方で、雇用契約や人事情報管理といった労務、社会保険、年末調整などはこれまで、業務を効率化するソリューションがなかった。そこで、この領域に関する煩雑な手続きを簡単にするクラウド型ソフトウェアとして「SmartHR」が開発されたのだ。

入社手続きであれば、従来の紙ベースでは必要書類の作成から発送、受領、役所の手続きなど、煩わしい作業が必要だったが、「SmartHR」ならわずか3ステップ、約8割もの時間が削減できた企業もあるという。

「効率化してできた時間に何をするかということも重要です。やらなければならないことは山ほどありますが、まずは、2019年4月から順次施行されている『働き方改革関連法』について知ることから始めるのがよいのではないでしょうか」(同)

無料でダウンロードできるレポートには、働き方改革を進めるうえで注意すべき点や意外と見落としがちなポイントについて、「働き方改革関連法」対策も踏まえながら詳しく記されている。ぜひ参考にしてほしい。