「体験型ショールーム」が注目集める理由 企業とユーザーが二人三脚で作る新たな価値

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働き方改革の流れの中で、生産性を高めるオフィスに注目が集まっている。またSDGsの達成に向けて環境負荷の小さいオフィスづくりも必須だ。ただ、具体的な方法論について模索中という企業も多いだろう。そんな企業の駆け込み寺になっているのが、エプソンの最新製品やソリューションを体験することができる「エプソンスクエア丸の内」だ。各種デモを通して生産性向上や環境負荷軽減を体感できるというが、人気の秘密は体験の“その先”にあるという。

この施設は、2019年5月に東京・丸の内にオープンした。オフィス環境のヒントを求める経営者や総務担当が多く訪れ、見学予約は2週間待ちになるほどだ。フロアは2階からなり、「ビジネスゾーン」「プロダクションゾーン」「パーソナルゾーン」「エプサイト」の4ゾーンで構成されている。

エプソン販売
お客様サポート部
(丸の内ショールーム)
松山 武史

エプソン販売は、かつて新宿に3つのショールームを置いていた。それを集約化したのが「エプソンスクエア丸の内」だが、単に3つを1つに統合しただけではない。ショールームスタッフの松山武史氏はこうアピールする。

「一般的に企業のショールームは、製品カタログのリアル版になりがちです。一方、エプソンスクエア丸の内は体験型施設。実際にお客様の利用シーンをご用意して、製品を活用して生産性をどう高めていくのかを体験・体感していただきます」

環境負荷の低さや生産性の高さを肌で実感

具体的にどのような体験ができるのか。エプソンスクエア丸の内の1階「ビジネスゾーン」には、企業のオフィスやSOHOのほか、飲食店や学校の教室といったスペースが再現されている。また、使用済みの紙をオフィス内で水を使わずに再生紙にできる「PaperLab」のコーナーもあり、オフィス機器と環境の関係を考えるきっかけになるデモも体験可能だ。

例えば、オフィスのコーナーでは、インクジェットとレーザー方式の2種類のプリンターが用意されており、印刷中のプリンターの温度変化の様子をサーモグラフィーで確認できる。印刷中に真っ赤になる(温度が高くなる)のはレーザー方式のプリンター、つまり、電力を多く消費して発熱していることが一目でわかる仕組みが施されているのだ。

「発熱の違いを見ると、皆さん驚かれますね。また、レーザー方式のほうがきれいに印刷できると考えているお客様もいますが、実際に印刷したものを見てもらえばインクジェットも遜色ないことがわかって、二度驚かれます」(松山氏)

このショールームでは実際に触れることで、その進化に驚くという体験がほかにもたくさんある。一般的なイメージと最新の製品のギャップが大きいものの最たる例がインタラクティブ機能搭載のプロジェクターだろう。現場でユーザーを案内するショールームスタッフ小山良子氏は、その機能を次のように解説する。

「インタラクティブ機能搭載のプロジェクターにはホワイトボード機能があり、資料を映したスクリーンに文字やアンダーラインを直接書き込めます。また、スクリーン上に書き込んだ資料をそのままデータで参加者に配付することも可能。誰かがわざわざ議事録に起こして配付したり、ホワイトボードをスマホで撮影したりするよりも、ずっと効率的です」

このプロジェクターは、その場にいない人たちとのコミュニケーションをも変えてくれる。1階のオフィスのコーナーでは、上の階にある会議室の様子を大型のスクリーンに映し出して、同じ部屋にいる感覚で遠隔会議ができるデモを披露していた。PCでも遠隔会議はできるが、臨場感はスクリーンのほうがずっと上だ。働き方改革により、各企業ではリモートワークやサテライトオフィスの普及が進んでいるが、距離が遠くなるほどフェイス・トゥ・フェイスの機会も減っていく。そうした中で、このような全員が同じ場にいる感覚で参加できるVR会議を可能にする環境の整備は、企業の規模を問わず、必然の流れとなっていくだろう。

体験者の声を拾って新たな価値創造へ

このように1階ではさまざまなデモを見ることができるが、商業・産業向けの大判プリンターや産業用ロボットの実機デモを体験できる2階「プロダクションゾーン」も興味深い。このゾーンはラボ的な性格が強く、ユーザー企業がメディア(印刷素材)を持ち込んで印刷の可否や発色などを実際に試すことが可能だ。エプソンのサポートスタッフが常駐していて、ダイレクトにコミュニケーションを取りながら試せるのも心強い。

エプソン販売
お客様サポート部
(丸の内ショールーム)
小山 良子

利用者のニーズはさまざまだ。前身のショールーム時代、ユーザーが防炎クロスを持ち込んできたこともあったという。「大学の先生で、学会のためにポスターを印刷する必要がありました。ただ、普通の紙では折りたたむと折り目がつくし、丸めて筒に入れると飛行機に持ち込めずに不便です。そこで折り目のつかない防炎クロスでポスターが作れないかと試しにいらっしゃいました。印刷メディアを変えることで、掲示物の品質と携帯性という両方のニーズにも応えられるというのはこちらでも想像できなかった新たな発見でした」。(小山氏)

注目すべき点は、ここでの体験が一方通行ではないことだ。松山氏は、「デモの真の狙いは、お客様との共創」と明かす

「製品を実際に体感していただくと、お客様もリアルに感想をお話しくださいます。VOC(ボイス・オブ・カスタマー)は、私たちにとって財産。それをメーカー(セイコーエプソン)とイントラネットで共有する仕組みがあり、製品開発やソリューションに生かして、再びお客様に還元していく、あるいはお客様と共に新たな価値を創造していく。この施設を起点に、ぜひこのサイクルをつくっていきたいですね」

エプソンスクエア丸の内は、単なるショールームではなく、企業とユーザーをつなぐ接点の最前線だ。両者のコラボレーションで、これからどのような価値が創造されていくのか。今後も目が離せない。

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国内における新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、当面の間、臨時休館とさせていただきます。今後の再開につきましては、決定次第、エプソンスクエア丸の内のホームページでご案内いたします。