偏差値35から東大をかなえたパソコン術とは? 子どもの学びとパソコンのすごい相乗効果
「本物のパソコン」が子どもの意欲に火をつける
西岡さんが自分のパソコンを持ったのは、中学2年生のころ。ご両親に頼んで手に入れて以来、さまざまなシーンでパソコンを学びに生かしてきたといいます。そんな西岡さんは、Lenovoがお子さんに初めてのパソコンとして提案する〈IdeaPad D330〉を手に取り、こう感想を述べます。
「第一に、カッコいいですよね。子どもが求めているのは、かわいい色や形の、いわゆる“子ども向け”ではなくって、大人が使っている“ホンモノ”なんですよね。子どもが『これはすごい、本物だぞ』と思うツールこそ、心から使いたくなる。たとえ最初のパソコンであってもそうあるべきです」
〈IdeaPad D330〉は子どもの手に合わせたコンパクトなサイズで、文部科学省が推奨する「打ちやすいキーボード」「Microsoft Office」「カメラ内蔵」といった要件をきちんと搭載。加えて、モニターとキーボードが容易に脱着できるため、使う目的や用途に合わせてモニターのみでもさまざまなコンテンツを楽しんだり、付属のペンで絵や図形を描いたりすることができます。タイピングにまだ慣れていなくても使いやすく、とくにスマホから本格的なパソコンへの重要な”橋渡し役”となります。
「背面カメラでの撮影は、普通のパソコンにはできません。外に持ち出して自然観察などに使えるし、ドキュメントスキャナーとして教科書やプリントを撮影して保存しておくこともできますよね。タブレットなら電車で立っていても、タッチペンでメモを取ったり、文書に気づいたことを書き込んだりできます。クリエーティブだし作業の効率が上がりますね」
これなら学年が上がっても使えると評価したうえで、ある程度パソコンになじんだ先について西岡さんはこうアドバイスします。
「タブレットはビューアー(情報を閲覧するツール)として優秀なツールですが、何かを創り出すという点ではどうしてもパソコンにかないません。パソコンに向かい合うことで『創造する空間』が生まれるのです。例えば、私はパソコンを手に入れてすぐの頃、小説を書いていました。今思い出すと恥ずかしいですが、パソコンに創作する意欲が刺激されたんだと思います」
「パソコンに慣れ親しんで、本格的にやりたいことが見つかったら、パソコンも本格派を!」と西岡さんは勧めます。Lenovoのラインナップでは、薄くて軽量なため持ち運びが容易なだけでなくスタイリッシュ、しかもDolby Atmos®対応スピーカーによる臨場感あふれるサウンドなどが魅力の〈Yoga S730〉あたりのパフォーマンスがピッタリだと手に取り、自らの中高生時代にこんな優れたパソコンがあったらなぁ、と振り返ります。Lenovoのプレミアムシリーズのラインナップなら、高校生、大学生と、よりパソコンのリテラシーがアップしてもそれぞれの段階(レベル)にふさわしいモデルが用意されています。
パソコンで表現することで身に付く「構造化」
中学・高校と生徒会に所属していた西岡さん。自宅でMicrosoftのWordやPowerPointを使って資料をつくってUSBメモリに入れ、最終的に学校で印刷して配ったり、データをシェアしたりしていたといいます。
「とくに絵心があるわけではありませんが、PowerPointでつくった資料は人に伝わる説得力がありますよね。それは、パソコン上で図や文章の順番を入れ換えたり、色や大きさを調整したりして、より自分の考えをうまく表現しようとする過程そのものに意味があるからじゃないかと思っています」
そうして東大に入った西岡さんは、後にこうした作業に実は大きな効果があったことに、気づかされたといいます。
「頭の中にあることを整理してまとめていく作業って、実は地頭のいい東大生たちがやっている『事象を構造化する勉強』と本質的に同じことなんです。例えば、お使いを頼まれたとき、買うものをバラバラにメモしたら、とても覚え切れません。『野菜』『肉』『調味料』と分類したり、『カレーの材料だ』と論理づけたりすると、頭に入りやすくなりますよね?これが“事象の構造化”ってヤツなんです」
パソコンで資料をどうまとめるか、編集していくのか。それを考えながら作業することで、事象を構造的に把握する力が付いていく。西岡さんはパソコンで思考を深めることの意義をこう語ります。2020年度から順次小・中・高でプログラミング教育が必修になりますが、これには、コンピューターなどを適切に使って情報を収集し、整理・比較・発信・伝達したりする能力を身に付けてもらおうという狙いがあります。ここで磨かれる“プログラミング的思考”は、西岡さんが着目する“事象の構造化”に極めて近い能力といえそうです。
「学びをシェア」し始めた浪人時代
西岡さんの著書『マンガでわかる 東大勉強法』などにも詳しい大学受験のノウハウの数々ですが、そんな気づきにもいくつかの転換点があったと語ります。その一つは、浪人2年目の時だったといいます。
「『学びをシェアしよう』と思いついたんですね。パソコンで東大の過去問のデータベースにアクセスして、問題を収集する一方で、いろいろな予備校がホームページで公開している解き方を集めて、アプローチの違いを比べたんです。すると、東大入試はすべて記述式なので、これが効果的な学習方法だと感じたんですね。膨大な作業でしたが、仲間と分担して行い、各自がつくったものを持ち寄って、そして最終的にシェアしました」
仲間と手分けすることで効率が上がるだけでなく、客観的な視点が入ることで学びが深くなった点も大きな収穫だったと西岡さんは振り返ります。
「現代は、自分が学んだことを占有しようとする人間よりも、自ら他人にシェアする人間のほうが、明らかに結果を出していますよね。『シェアする』ということが、今もこれからの時代もますます求められ、必要とされるスキルになっていくと思います。そのためには、ここにあるようなパソコンが欠かせませんし、WordやExcel、PowerPointといったソフトウェアも必須です」
パソコンは自分自身で何かをつくり上げるパーソナルなツールであるとともに、世界中とつながる入り口でもあります。「創造して、シェアする」ということを、肌感覚として身に付けた子どもたちが自らを高めることで、これからの時代を大きくドライブしていくだろうと西岡さんは期待しています。
子どもたちの今と、見上げる先の間にあるもの
ここまで見てきたように中高生のころからパソコンを使いこなしてきた西岡さんですが、時にパソコンに関するジェネレーションギャップを感じることもあるそうです。
「私が高校を卒業して2年目に、Excelを使ったデータ分析が数学IAに含まれるようになりました。私自身は大学でExcelを使うようになって『もっと早く知っていれば』と思うことが多かったんですが、それを2歳年下の人たちは、高校時代に覚えてスイスイ使っているわけです。ちょっと悔しかったですね(笑)」
学びのデジタル化とパソコンがシンクロしている今、西岡さんは執筆活動の傍ら、高校生にコーチングを行っている。パソコンなどITを使った学びは日々進化しており、これからさらに飛躍的発展を遂げると見ています。
「先日、子どもたちの読解力が落ちているというニュースがありましたが、私はこれからもっと伸びていくと思います。デバイスや教える側のスキルの不足など現在ある課題は解決していくでしょうし、今日触れたようなパソコンが、子どもたちの学びにより深く関わっていくはずです」
最後に西岡さんは、進化した学びでこれからの時代を生きていく子どもたちと、保護者をはじめとするそれをサポートする大人たちにこうアドバイスをします。
「ご両親はじめ見守る大人の方々には、子どもにとって刺激がものすごく大事だということをお伝えしたいです。お子さんが今いるところと、見上げる先。その間を埋めるカギが、たった一つの出会いだったりするんです。だから刺激に触れ続けることが重要です。パソコンはそれを手助けしてくれる最高の相棒です」
続けて西岡さんは、子どもたちには、パソコンを使ってできるだけ多くの「テンプレート」に触れてほしいといいます。パソコンにインストールされているソフトウェアにはテンプレートが用意されています。それに触れ、その意味を知ることを通して、型を知り、それに倣い、そこから自分だけのオリジナルを生み出すこと。それがパソコンとそこで活用するソフトウェアを自在に操る近道とし、「生み出された独自の考え方や創作物は、どんどん世界に向けてアウトプットしてほしい」と呼びかけます。そうすることで、世界とのつながり方、向き合い方を身に付けていってほしいと期待を寄せます。
西岡壱誠
東京大学4年生。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」、そして「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、晴れて東大合格を果たす。東京大学で46年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める。講談社『モーニング』で連載中の「ドラゴン桜2」に情報を提供する東大生団体「東龍門」リーダーを務める。現在全国4つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に勉強法を教えており、静岡県沼津市にある誠恵高校では理事長付学習特別顧問を務める。18万部のベストセラーとなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数。