投資家はもう気候変動無視企業を選ばない(前編) 気候変動対策を、新たなビジネスチャンスに

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本企画では、エプソン販売・PaperLabの協力のもと国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、どのようにSDGsを意識して企業活動をするべきか、その実例やレポート、価値ある提言などを紹介する「SDGs Lab」Webマガジンを月2回発刊します。

地球に住む一員として、限りある天然資源を守り、社会課題を解決し、誰一人置き去りにすることなく、持続的に成長していくこと。それは、公的な機関および民間企業、そして一個人に課せられた使命であり、互いの責任ある行動、消費、協調が欠かせません。

「SDGs経営」「自治体SDGs」を推進し、企業と地方公共団体の活動に変革を起こしていくために必要なことは何なのか。有識者からの提言、変革者の「実践知」をお届けし、皆様の企業活動を変革する一助となれば幸いです。第7回の今回は、CDPジャパン シニア・マネジャー高瀬香絵氏に投資家目線で見えてくる世界から見た日本のSDGsの現状、地球温暖化への警鐘についてお話をお聞きしました。

―高瀬さんはCDPジャパンでシニア・マネジャーをお務めです。CDPはどのような団体でしょうか。

CDPジャパン
シニア・マネジャー(環境学博士)
高瀬香絵氏

高瀬 2000年にロンドンで設立されたNGOです。金融の世界では、顧客から資金を預かって代わりに運用するケースが多々あります。欧米の年金基金などは伝統的に倫理観が高くて、資金を預かったみなさま、つまり社会からお金を預かったのだから、自分たちには受託者責任があり、社会のためにならない投資はしないという考えの下で運用を続けてきました。例えば武器を扱う企業や麻薬に関係する企業には、受託者責任に反するから投資をしないというわけです。

その流れで、2000年ごろから、環境によくない企業への投資も受託者責任に反するのではないかという声が聞かれるようになりました。ただ、投資家が各企業の環境への取り組みを判断するのは難しい。企業が独自に発表している環境報告書には、自社にとって都合のいいことしか書かれていないし、他社との比較が難しいからです。そこで比較可能な質問書を企業に送り、それを取りまとめて投資家に分析を返すために設立されたのがCDPです。

―CDPの質問書には、今どれくらいの企業が回答しているのでしょうか。

高瀬 アンケート調査は2003年に始まり、19年は17回目になります。回答したのはグローバルで8400社以上でした。日本では、大手企業500社とサプライヤー企業、合わせて1090社に回答を要請して、今年は約770社から回答がありました。日本は近年、回答率がものすごく上がっています。

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