女性の挑戦を抑圧する「結婚適齢期」への違和感 SK-IIが問う「人生のタイムライン」とは?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「人生100年時代」と言われるようになった現代においても、世の女性は依然として「年齢のプレッシャー」から自由になれたとは言い難いようだ。なかでも、世界中の多くの女性を悩ませ続けるのが社会や家族から求められる「結婚適齢期」というプレッシャーだ。

30歳までに結婚できなかったら「売れ残り」?

ここ20年近くで、日本の女性の平均初婚年齢は26.8歳(1999年)から29.4歳(2017年)と確実に上昇はしている(※1)ものの、「女性に結婚適齢期はあると思いますか?」という調査で、「ある」と答えた人の割合は、1992年からずっと7割近く、ほぼ横ばいで変わらないまま(※2)である。また、結婚したいと思う年齢(平均希望結婚年齢)については、18~34歳の未婚女性では28.7歳となっている(※3)

しかし、一方で、女性の社会進出が叫ばれる今、30歳前後はビジネスシーンにおいても重要な担い手となる年代である。周囲からの「結婚への期待」と「仕事で実現したい自分らしい人生」とのギャップに悩む女性も少なくない。そして、そのギャップは日本だけではなく、世界中の女性に共通して存在しているという。

スキンケアブランドのSK-IIは、そういった女性たちのプレッシャーを描いたドキュメンタリー動画シリーズ【タイムライン】を公開した。動画では、TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力のある人々100人」にも選ばれているジャーナリストのケイティ・クーリック氏が東京を含む世界4都市での4人の女性へのインタビューを通して、その葛藤に迫っている。

「日本だと25歳から30歳の間に結婚できなかった人は『売れ残り』みたいな言い方をされてしまう。知らないうちにみんな(期限を)決めていて、それが結婚でなくてもやっぱり年齢に対してすごく敏感な感じがします」

東京編で登場する27歳の舞菜さんという女性の言葉だ。今を生きる彼女から、すでに過去のものであると思われていた「30歳=売れ残り」という概念が自らの言葉として出たことは驚くべきことだろう。舞菜さんは、ファッションバイヤーとして活躍しており、いつかは自分の店を持ちたいと仕事に夢を持って取り組んでいる。

しかし、彼女の母や祖母たちは、舞菜さんに早く結婚して、家庭を持ってもらいたい、そしてそのための「選ばれる」振る舞いをしてほしいと語る。彼女の母の願う「選ばれる」ための振る舞いとは、スタンダードでいること。それが意味するのは、ある種「自分らしさ」を失うことにもつながりかねない。

w

「タイムライン」を描くのは自分自身

動画では、舞菜さんが追い求めているのは「仕事での夢の実現」ということであるのに対して、母や祖母が彼女に求めるのは、「結婚ができる=適合者」という既成概念であることが明らかになることで、互いを理解しようとする対話へとつながっていく。

こうした食い違いは、日本でも数多くの家庭や職場でいまだに頻繁に起こっていることだろう。わかりあいたいと願う身近な人同士だからこそ、理解されないときの苦しみが大きい。ケイティ・クーリック氏は、こうした女性たちのストーリーに迫ることの意義について、こう語っている。 

「【タイムライン】のストーリーは難題であったとしても、それを直視し受け入れることで会話を生む環境をつくり、多少なりとも社会に変化をもたらすことができるのだと私は信じています。もちろん変化は簡単に起こることではありません。しかし、このドキュメンタリーシリーズによって、多くの人たちが“話しやすくなった”という『きっかけ』を手に入れたことを皆さんにお伝えしたいと思います」

また、グローバルSK-IIの最高責任者(CEO)であるサンディープ・セス氏は、この動画を通して、女性たちの【タイムライン】とは何かという問いかけとともに、【タイムライン】は自身で描くことができるということを伝えたいと述べ、次のようにコメントしている。

「SK-IIは、スキンケアだけでなく人生においても、世界中の女性たちが何からも制限をされることなく、自ら運命を切り拓き一歩を踏み出す勇気をもつ後押しをすることを約束しています。だからこそ、何かによってつくられた理想の女性という概念にとらわれることや、国を越えて多くの女性たちの中で存在している、結婚を含めた社会からのプレッシャーを現実的な問題としてとらえ、さまざまな観点でメッセージを発信したいと思っています」

SK-IIでは、2016年から「運命を、変えよう。~#changedestiny~」というブランドテーマを掲げ、世界中の女性たちが、自分の意志で運命を変えることができるということを呼びかけ、さまざまなキャンペーンを展開している。2017年に公開した動画「#期限なんてない」では、『運命を変える力は、あなた自身の中にある。誰かに決められた期限なんてない』というメッセージを発信。再生回数1億回を超え、SNSなどでも大きな話題を呼んだ。

すべての女性の人生は、他人や社会の固定観念に決められるものではなく自分で決めるものである。今回の【タイムライン】で伝えたい根幹のメッセージも同様だ。SK-IIは、自分らしい選択をして、自分らしい人生のタイムラインを描くための第一歩を踏み出すことを応援しているという。「適齢期」などというものは自分の力次第でどうにでも変えられるのかもしれない、これらの動画を見れば多くの女性がそう思えるはずだ。

 
 ※1 出典:厚生労働省 平成29年人口動態統計
 ※2 出典:博報堂生活総合研究所 生活定点調査
 ※3 出典:国立社会保障・人口問題研究所