NECがサイバーセキュリティで協業する理由 攻撃への対処とリスクへの備えを同時に解決
―― 「サーバ脆弱性対策サービス」は、サイバー攻撃への対処とリスクへの備えを包括的にサポートするサービスといえそうです。
橋谷 このサービスは、当社のクラウドサービスとして提供します。IT人材などの経営リソースが限られている中堅・中小企業のお客様にも、安心してお使いいただけるだけでなく、管理負担や導入コストを低減できます。もちろん、お客様のサーバ環境は、オンプレミス(自社所有)でもクラウドでも、サーバ1台から適用可能です。当社では、マルチクラウド対応の体制も整えており、つねに両方の環境への対応が可能となっています。
大三川 お客様ご自身でサーバの1台1台の脆弱性を発見し、セキュリティパッチを当てるといった対策を施すのはなかなか容易ではありません。その点で、餅は餅屋ではないですが、今回の「仮想パッチによるサーバ脆弱性対策サービス」などを利用し、任せるところは外部のプロに任せることで、本業であるコア業務に注力できるのではないでしょうか。
中村 企業にとっての大きなリスクは、事業継続が停止することです。その点でこのサービスは、仮想パッチにより既知の脅威に対応できるだけでなく、サイバー保険を活用することで、未知の脅威による万が一の攻撃にも対応できることです。
ちなみに、被害が発生した後にこれらの費用を計上すると財務的にもインパクトを与えることになりますが、あらかじめサービスに保険が付帯されることで、こうした費用に備えることができます。また、包括的なサービスとして保険料も含まれているため、個別に保険に加入するよりも割安になっています。いずれも、財務的なメリットがあるでしょう。
日本企業のセキュアな環境構築をさらに進化させる
―― 2018年末にサービスが開始されたばかりですが、今後どのように進化させていく考えでしょうか。
大三川 当社は本社を日本に置き、世界30カ国以上でソリューションを提供しています。これまで30年間、単体のパソコンから、ネットワークにつながるサーバ、さらにはクラウドと、環境の変化に対応しながら、日本企業の安心・安全をお手伝いしてきました。製造業をはじめ、日本企業はまだまだ守るべき領域があると感じています。今回、多くのお客様にサーバなどを提供し、マルチクラウド対応のNECと協業することで、日本の多くのお客様を守ることに貢献したいと願っています。
中村 当社が2018年4月に発表した新中期経営計画「Vision 2021」では、「CSV=Creating Shared Value」の考えのもと、サイバーリスクのような新しいリスクに対処することで社会との共通価値を創造することを掲げています。この提携を通じ、保険商品・サービスを通じて、お客様に安心と安全をお届けするとともに、今後、NECが展開するクラウドの分野においても、今回構築したスキームを横展開し、新たな保険商品設計も視野に入れて連携を進めていきたいと考えています。
橋谷 まずは、多くのお客様に、「仮想パッチによるサーバ脆弱性対策サービス」導入のメリットを知っていただき、万が一の際に、このような備えをしていることを示せることの重要性を経営者の方にも理解いただきたいです。本サービスのクラウドへの展開も含めて、3社の力を結集し、安心・安全な社会の実現を目指して、使命感を持って、取り組んでいきたいと考えています。
3社共催セミナー
「サイバーセキュリティ新時代」~サイバー攻撃への対処とリスクの備え~
日時:2019年3月14日(木)14:30~17:00(参加無料)