「住宅ローン」で大損しかねない5つのワナ 不動産会社・銀行・FP…信じるべきは?

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「もし多額の住宅ローンを借りたいのなら、住宅ローン控除の適用上限を目安に住宅ローンを借りるも一案です。超低金利のため、金利の負担額は少なく、減税効果による所得税還付を加味すると、住宅ローンを借りたほうが金銭的なメリットを享受できる可能性があります。住宅ローン加入時には団体信用生命保険という生命保険に銀行の保険料負担で加入できますから、無理に借入額を減らす必要はないとも言えます」

ここでのポイントは、銀行がどんな意図で頭金が必要ないと言っているかを理解することです。また、住宅ローン控除の制度を理解することで、税制適用を上限として住宅ローンを借りるという天井を設けた格好です。Aさんは夫婦共働きであったため、物件の予算が高い場合は、夫婦でそれぞれ住宅ローンを借りるという選択をすることで、住宅ローン控除の適用メリットを2人分享受できるのです。

不動産会社の仕事は家を売ること

2.不動産会社の口車にのせられる

前述Aさんが今度は、不動産会社のセールストークを真に受けて、急いで住宅ローンを決めなければならないと焦って筆者を訪れました。曰く、「今月中にどこの銀行か決めないといけません」。

本当でしょうか?Aさんは不動産会社経由で住宅ローンの審査を済ませていました。売買契約の日取りが決まり、住宅ローン手続き、引き渡しなども順次スケジュールが決まっていきます。ここで気になるのは、不動産会社がどんな住宅ローンを提案しているのか、ということです。

不動産会社の仕事は家を売ることです。従って、購入者の住宅ローンについては、どこが最も有利かといったような視点で住宅ローンを提案することはありません。自社と提携している銀行で、いかに手間なく住宅ローンの審査を通してくれるか、あるいは取引先のメインバンクからの印象をよくするために、特定の銀行に審査を出すこともあるでしょう。しかも、住宅ローン選定の期限が設けられているため、購入者には銀行選別の時間はあまりありません。

たとえば、ネットバンクは購入者が自ら審査申込や審査書類の準備をするため、2~3カ月程度のゆとりがないと借入がマイホーム購入に間に合わないと言われます。となると、Aさんのように、不動産会社にマイホーム購入の期限を設定されている場合は、最も金利が低いと考えられるネットバンクを借入対象から除外することになります。

これは誰の都合かと言えば、売り主や不動産会社の都合です。消費者にとってのメリットはありません。あえて1つあるとすれば、意思決定のできない購入者にとって、期限設定をされることで重い腰が上がって、マイホーム購入という夢の実現に近づくということが挙げられるかもしれません。

「早くしないと家が売れてしまうかもしれない」というセールストークをする不動産のセールス担当者は少なくないでしょう。しかし、ここでの問題は、家を買う前にじっくり住宅ローンの準備を進めずに、行き当たりばったりで家を買おうとすることです。この点は職業柄、無力さを感じるところですが、ほとんどの方が急いで家を買い、急いで住宅ローンを借りてしまいます。

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