暑くても「仕事がはかどる」オフィスとは? 温度と湿度「別設定できる」エアコンがすごい

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夏本番を迎え、厳しい暑さが続く季節となった
日本中で進みつつある働き方改革。いかに生産性を向上させ、長時間労働の削減を図るかが課題となっている。しかし、夏本番を迎えて気温が徐々に高くなり、湿度も高くジットリとした毎日が続く中、正直「暑くて仕事どころじゃない!」と思う人は多いのではないか。そんな厳しい暑さが続く夏でも、効率よく仕事をこなせるオフィス環境について探った。

「暑すぎるvs寒すぎる論争」ついに終結

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「働き方改革関連法」では、残業時間の上限規制が設けられた。現場からは「仕事量が減らないのに、時間内に仕事を終わらせるにはどうしたらいいか」と頭を悩ませる声が聞こえるばかりだが、集中力や生産性の向上を環境面から追求しようとオフィスそのもののあり方に注目する企業が増えてきた。

だが、この暑さだ。調査会社のマーシュが行ったアンケートによれば「夏は暑くて仕事の効率が下がると思うか」という問いに対して、「とてもそう思う」または「どちらかというとそう思う」と答えた人は、あわせて80%もいた。

さらに、エアコンが効いているはずのオフィスの快適度についても聞いたところ、「不快」または「どちらかというと不快」と答えた人が3割を超え、3人に1人が何かしらの我慢をして仕事をしていることが明らかとなった。
 

オフィスのエアコンと言えば、クールビズの定着に伴い、設定温度は28度というのが一般化している。だが、あらためて設定温度を決めた経緯について「28度論争」が巻き起こるなど、28度設定に疑問を感じる人は多そうだ。実際、今回の調査でも28度設定を不快、どちらかというと不快に感じると答えた人が3割を超えた。

不快に感じる理由については「エアコンの効きが悪い」「エアコンが効きすぎる」「エアコンの風が直接当たる」などエアコンに対する不満が多く、しかも“暑い”、逆に“寒い”と感じる両者の声があることがわかった。「場所によって室温にムラがある」や「人によって快適な温度が異なる」と回答する人も多数いた。

仕事の効率を高める工夫についても聞いたところ「冷房で快適な温度を保つ」が大多数で、「冷房で湿度を調整する」「扇風機を付ける」「軽装・ノーネクタイで過ごす」という回答も多く見られた。こうした「涼」を求める人がいる一方で、「衣類を着る」「膝掛けを利用する」「温かい飲食物を摂る」といった「暖」を求める人も多くいた。

夏場のオフィスの設定温度をめぐる「エアコンバトル」はよく聞く話だが、働き方改革のポイントは「誰にとっても働きやすい環境であること」だ。それは、職場の空気も同じであり、温度の体感や快適、不快の個人差にもあきらめずに取り組むことが求められる時代になっている。

特に高温多湿な日本の夏においては、湿度をコントロールするだけで解決できる可能性もあり、一度試してみる価値がありそうだ。実際、温度と湿度を別に設定できるエアコンがあることをご存じだろうか。

新宿にあるダイキンのショールーム「フーハ東京」では「DESICAシステム」を体験できる。前室に比べ室内温度が約1度高いにもかかわらず湿度が約20%違うだけで、体感温度が劇的に違うことがわかる

東京・新宿にあるダイキンのショールーム「フーハ東京」を訪れた。温度と湿度を別々に制御できるダイキンの業務用空調機「DESICA(デシカ)システム」があるからだ。

ここでは「DESICA(デシカ)システム」を設置していない部屋と、設置している部屋の2部屋があり、2部屋の温度、湿度の差、快適度を体感できるようになっている。驚いたのが、入って一瞬でその違いがわかることだ。

設置していない部屋より、設置している部屋の方が約1度高いにもかかわらず、約20%湿度を下げただけで、こんなにも体感温度が異なるとは。それは、体感温度アンケートで「2部屋の温度差は5℃差に感じる」と回答した体験者が圧倒的に多いことからもわかるだろう。たとえ、設定温度が28度であっても十分快適さを得られるのだ。

湿度と温度のダブル管理で、働きやすい職場を実現

「従来のエアコンは温度と湿度を同時に制御しますが、湿度を下げるほうが大きなエネルギーが必要なため、温度のほうが早く下がってしまいます。そのため下がるスピードが違う温度と湿度を別々にコントロールし、温度を下げすぎることなく湿度を下げることを可能にしたのが『DESICA(デシカ)システム』です」とダイキンソリューションプラザ課長の太田正治氏は解説する。

ダイキンは、湿度コントロールに大きなこだわりをもっている。家庭用エアコン『うるるとさらら』では無給水加湿、業務用の「DESICA(デシカ)システム」では無給水加湿に加え、無排水除湿を実現している。加湿、除湿ともにデシカント(乾燥剤)によって空気中の水分を集めて加湿する、あるいは放出して除湿を行うダイキンならではの技術だ。

ダイキン工業
空調営業本部 事業戦略室
企画担当課長
ダイキンソリューションプラザ
フーハ東京 マネージャー
太田正治

「夏場はジメジメした高い湿度、逆に冬場は乾燥というのが、オフィスの空気の課題でした。けれど、湿度をコントロールするには、どうしても水を使って加湿、水を排出して除湿することが必要になります。水を使うとなると天井の水漏れや菌の繁殖などが懸念されるため、メンテナンスにおカネがかかるという問題があったのです。

その点、『DESICA(デシカ)システム』は無給水、無排水ですから、天井からの水漏れの心配がいっさいありません。当然、水配管もいりませんし、冷媒配管工事も不要です。水を使うことで心配だった菌やウイルスの繁殖も防ぐことができるため病院や福祉施設などでも、多く導入されています」

さらにすごいのは、ヒートポンプ回路を使用しているため、快適なのに省エネであることだ。継続的なランニングコストが下がるとともに、建物全体の消費量が実質ゼロになる「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の実現にも大きく寄与する。実際に、同社の福岡支店のビル改修で、改修前に比べ空調・換気・照明とあわせて建物全体で67%の省エネ化を実現できたという。

「DESICA(デシカ)システム」は大型ビル向けだが、ほかにもダイキンはオフィス店舗用エアコン「FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)」「Eco-ZEAS(エコジアス) 」なども展開している。除湿冷房機能では、湿度をセンサーで感知し、設定温度に達しても湿度が到達しなければ運転を停止させずに快適な湿度と温度に導いてくれる。オフィスの広さや用途によって適切な商品を選びたい。

「温度だけでコントロールすると必要以上に温度を上げたり下げたりせねばならず体にも負担になりますが、湿度コントロールはその必要がなく、快適に過ごせます」(太田氏)。

誰にとっても働きやすいオフィスへ。ダイキンは、湿度コントロールを通して、企業の働き方改革をオフィスの空気づくりからサポートしていく。

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