自立自営できる女性が育つ「女子大」の底力

120年を超え進化し続ける名門校の実情

実践女子大学 学長 城島 栄一郎
実践女子大学の起源をたどると、1899年までさかのぼる。この年、日本の女子教育の先駆者である下田歌子が創設した実践女学校・女子工芸学校が、実践女子大学の前身だ。以来、同校は営々と歴史を積み重ね、2019年には創立120周年を迎える。

「120年間続いてきたということは、それだけ長きにわたって本学が社会から必要とされてきたということにほかなりません。建学の精神と教育の理念を一貫して守ってきた『伝統の力』があるからこそ、120周年を迎えられたのです」と語るのは、城島栄一郎学長である。「女性が社会を変える、世界を変える」。明治時代に下田が掲げた理念が、同校の建学の精神だ。教育理念は「品格高雅にして自立自営しうる女性の育成」。多くの女性が社会で活躍する現代社会において、この精神・理念はより重要性を増している。

こうした伝統を堅持する一方、同校は時代の変化に対応した改革にも積極的に取り組んできた。2004年度には文学部、生活科学部に加えて人間社会学部を設置。14年度には「地域中核型」の日野キャンパスに加えて「都心型」の渋谷キャンパスを新設し、2キャンパス体制を整えた。さらに、18年度からは多くの学部学科で新カリキュラムが導入され教育内容が刷新される。

「学生参加型のアクティブラーニングを多く取り入れるほか、『実践プロジェクト』という科目群を作り、産学連携科目やボランティア科目等を設けて学生の能動的な参加を促します。自分たちの学びが実際に社会でどう役立つのかを実感することで、学問に深みが増すとの考えからです。

また、知識に加えてどんな態度や能力が身につくか科目ごとに明確に示し、学生が履修計画を立てやすくしました。履修後には、自分にどんな能力がついたか、あるいは足りていないか発見させる『アセスメントテスト』を実施し、修学指導を手厚く行います」(城島学長)

また、在学中だけでなく入学前から卒業後までフォローする「エンロールメント・マネジメント」も導入予定だ。入学前に学生の能力傾向を把握し、各自に合った修学指導を実施するというもの。社会人(卒業生)向けの教育プログラムを設けたり、キャリア上の相談にも応じるなど充実した施策も予定されている。いわば究極の生涯教育だ。「長期的な計画ですが、在学中のあらゆるデータを蓄積することで、卒業後にもより良いサポートができると考えています。また、在学生の優れた能力を発見し、伸ばす教育を実践して、社会に送り出すのが本学の役割です」と、城島学長は力強く言う。

コミュニティFM「渋谷のラジオ」収録風景。学生が毎月1回、55分間生放送で出演する

以前から取り組んできた地域連携・産学連携の取り組みも実を結びつつある。渋谷の地域FM放送(渋谷のラジオ)に、月に1回学生が出演して情報発信をしたり、日野駅および周辺に学生がデザインしたのれんが飾られ街を彩るなどの活動だ。昨年12月には、渋谷区に立地する4大学で連携協定を結んだ。今後は単位互換や施設の相互利用を開始すると同時に、最先端の文化が集う「若者の街」の構成員として自治体を含めて連携を強め、各大学の魅力を高めていく取り組みだという。学内外に活躍の場が広がる同校の将来が、ますます楽しみである。

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