トランプ大統領、対中関税措置の覚書に署名

最大で600億ドル規模、中国の報復は必至?

 3月22日、トランプ米大統領は、中国の知的財産権侵害を巡り、最大600億ドル規模の中国製品に対し関税を課すことを目指す大統領覚書に署名した(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、中国が米国の知的財産権を侵害しているとして、最大600億ドル(約6.3兆円)規模の中国製品に対し関税を課すことを目指す大統領覚書に署名した。

これを受け、米通商代表部(USTR)は関税対象となる中国製品の品目リストを作成する。ハイテク製品を中心に約1300品目となる見通し。対象リスト作成後、30日の審査期間も設け、業界ロビイストや議員らに意見を求める。最終的な関税措置の実施はその後となる。

またトランプ氏は、中国の国有企業やファンドによる米ハイテク企業買収を阻止するため投資も規制する方針で、財務省が60日以内に詳細を詰める。

中国が今回の措置に対し反応する余地も設け、中国が即時に報復措置に動くリスクを低減させる。

トランプ大統領は署名に当たり、中国を「友好国とみなしている」とし、「中国と対話しており、交渉は継続中だ」と語った。同時に、不公正な貿易が米国の雇用喪失の主因との考えをあらためて表明した。

これに対して在米中国大使館は、米国との貿易戦争に「最後まで戦う」と強く反発。崔天凱駐米大使は「われわれは報復措置を取る。相手が断固として挑むなら、こちらもそうする。どちらが長く耐えられるかだ」と、フェイスブックに投稿した動画で語った。

今回の関税と投資制限は、中国の知的財産権侵害を巡るUSTRの調査をもとに通商法301条に基づき発動された。

またトランプ氏の覚書は、外国企業が中国で合弁事業を行う際、現地企業に技術のライセンス供与が求められていることについて、世界貿易機関(WTO)に提訴するようUSTRに指示した。米政権はWTOに批判的な姿勢を取っているが、WTOを通じて貿易戦争が回避される可能性もある。

トランプ大統領の署名前、ホワイトハウス高官は関税対象となる中国製品は500億ドル相当との試算を示していた。トランプ大統領が発表した600億ドルとの差について説明はない。

企業団体「米中ビジネス協議会」のジョン・フリスビー代表は「米企業は、利点より損害が大きくなる恐れのある一方的関税などの制裁だけでなく、こうした問題が解決されることを望んでいる」と述べた。

長期的に見た場合の世界貿易の最大リスクは報復的な貿易戦争ではなく、ゼネラル・モーターズ<GM.N>やアップル<AAPL.O>など米大手企業の世界的なサプライチェーンが機能停止することかもしれない。

英コンサルタント会社、TSロンバードでマクロ経済調査を担当するダリオ・パーキンス氏は「全面的な貿易戦争にならなくても、緊張はさらにエスカレートするだろう。それによって、世界のサプライチェーンが混乱し、投資家心理に悪影響を与える恐れがある」と懸念した。

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