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今、地域が「ビジネス」の主役となる理由 企業誘致には「発掘」と「発信」が必要

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  • 企業誘致広告特集 制作:東洋経済企画広告制作チーム
少子高齢化が進む中で、日本経済が持続的に発展していくためには、地域の活性化が不可欠となっている。グローバル化とともにAI、IoTといった大きな技術革新の波が押し寄せる中で、地方自治体は自ら地域のポテンシャルを活用する必要がある。企業誘致と地域資源の活用を総合した地域主導の成長戦略をいかに築くか。一般財団法人日本立地センター理事長の鈴木孝男氏に話を聞いた。

―企業立地の現在の動向についてお聞かせください。

鈴木 グローバル化の進展に伴い、ここ10年ほど企業は地方を越えて海外に拠点を構えるという流れが中心でした。しかし、最近は製造業がマザー工場の機能を国内に強化したり、国内市場の潜在的な能力を見直したりするといった国内回帰の現象が起きています。また、物流・IT・観光関連の地方への立地も旺盛であり、さらに災害対応の側面から拠点を一極集中させるよりも、研究開発機能や本社機能を地方に移転するといった動きも出ています。

―地方自治体の企業誘致の取り組み状況についてはいかがですか。

一般財団法人日本立地センター
理事長
鈴木 孝男

鈴木 少子高齢化の進展で地方消滅の声が上がる中、日本経済の持続的発展のためには地域の活性化が不可欠となっています。そのため地方自治体についても単に工場団地をつくるのではなく、その地域の特性を生かすような、地方創生を主軸とした地域活性化を重視する誘致策を進めています。技術革新、グローバル化が進む中で、企業誘致などの外発的発展だけでなく、地域のポテンシャルを活用した地域発ベンチャーの育成や、地域経済を支える地方中核企業の確立など内発的発展と合わせた総合的な取り組みが急務となっています。

―政府もそうした流れを後押ししているのでしょうか。

鈴木 現在、経産省が中心となり「地域未来投資促進法」に取り組んでいます。現状、地域経済の企業収益や雇用は好調に見えますが、従来型の製造業の設備投資には力強さが見えません。非製造業などは大都市圏にビジネスと投資を集中させる一方、これまで地域経済を支えてきた製造業の新規立地は後退気味となっています。そのため、この促進法では地域が自律的に発展していくために、地域の強みを活かしながら、将来成長が期待できる分野での需要を域内に取り込めるよう、ここ3年で2000社程度を支援し、1兆円の投資拡大、GDP5兆円の押上げを目指しています。地方自治体もすでに取り組みを始めており、現在までに促進法に対する取り組みは、45都道府県から合計145計画が提出されています。

―今、地域で生まれつつある新たな動きとは何でしょうか。

鈴木 インバウンドを中心とした観光産業や航空機部品産業、医療・バイオ関連産業など地域の特性を活かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取り組みが生まれつつあります。また、環境エネルギーやヘルスケア・教育サービス、さらに第4次産業革命関連などの分野も進んでいます。これには地域におけるリーダーシップと地元の産官学「金」の連携が不可欠となります。自治体と産業界だけでなく、地域の知的拠点である大学や地域金融機関の協力が必要となっているのです。こうしたことを実現するためにも、地域に根差した人が旗を振る時代になってきたと言えるでしょう。

―企業にとって地方の魅力とは何でしょうか。

すずき・たかお
1944年生まれ。東京大学法学部卒。67年、通商産業省(現・経済産業省)入省。資源エネルギー庁石油部長、通商産業省環境立地局長などを務めた後、2012年、財団法人日本立地センター(現・一般財団法人日本立地センター)理事長就任。15年三菱ふそうトラック・バス株式会社会長から相談役に

鈴木 企業にとって大事なのは人材です。IT化の進展と交通通信網が発展し距離的な制約が少なくなった今、海外と比べ人件費負担が多少高くても、生産性が上がれば最終的な付加価値ベースで考えれば労働力にそれほど差は出ません。むしろ質の面で勤勉な日本の労働力は再評価されるべきでしょう。海外と比較して立地、労働条件で差がなくなってくれば、企業はもう一度日本に戻ってきます。しかもIoTやAIといった先進的な技術のトライアルをするには国内のほうが海外よりも都合がいい。そこに医療・教育機関を備えたコンパクトシティづくりをつなげていけば、新しい地域活性化のかたちが見えてくるはずです。

―これから地方自治体は企業誘致でどこに力を入れるべきでしょうか。

鈴木 今は企業誘致と地域資源の活用を総合した地域主導の成長戦略が重要になっています。その実現のためにも何を売り物にすればいいのかをまず見つけることです。そうした地域の個性や魅力をアピールする力のある自治体が今後の立地競争の中で企業の心を捉えていくでしょう。その意味では、地域間の競争になっているのです。黙っていては何も変わりません。今はウェブサイトをつくってしまえば情報発信は簡単にできます。しかも国内だけでなく海外へも簡単に情報発信できる時代なのです。誘致に関しても、国内企業だけでなく、広く海外企業も視野に入れた戦略をとっていくといいかもしれません。

―地域を変えていくためには何が重要になってくるでしょうか。

鈴木 やはり首長のリーダーシップです。リーダーシップがあるかどうかで結果に大きな差が出てきます。首長がトップダウンで動けば、スピード感のある仕事ができるはずです。地元の基盤産業や大学、金融機関など地域と密着した組織との連携を図るためにも迅速な決断が重要になってきます。首長はCEOであり、地域の資源を見つけ、魅力を語るべきなのです。地域の魅力をアピールすれば、人は集まってきます。人が集まってくれば、企業も集まってくる。いわば「発掘」と「発信」が必要なのです。

―これから地域をさらに活性化させていくために必要なことはなんでしょうか。

鈴木 少子高齢化、グローバル化、高度情報化といった大きなメガトレンドを踏まえながら、地域の活性化のためにも地域のポテンシャルを発掘して、その資源を差別化させて、さらに商品・サービス化して内外に情報発信していく。そうして世界の中で競争しながら、グローバルとローカルを融合させた"グローカル"という姿勢が地域づくりに必要になってくると思います。