知らないでは済まない「説得の学問」の心得 あなたの会社も、落とし穴にはまるかも?

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「法科の中央」として、確固たるブランドを築く中央大学法学部。前身・英吉利法律学校が創設された1885年以来、130年以上にわたって優秀な人材を世に送り出してきた。ビジネスフィールドがますますグローバル化する今、法の知識を身につけて活躍の場を広げようと、通信教育課程を利用して多くの社会人が法を学び始めている。働きながら法を学ぶ意義について、遠藤研一郎・法学部教授と3名の社会人学生に語ってもらった。

 

遠藤 研一郎教授
中央大学法学部教授、通信教育部長

遠藤 皆さんはどんなきっかけで法を学ぼうと思われたのですか?

椎橋 私は、知識も経験もまったくない法務部に異動になったことです。まずはほかの通信教育を利用して法学の基礎を学びましたが、さらに深い知識を持ちたいと考えて中央大学の通信教育課程(科目等履修生)を選びました。自分の興味や業務上の必要性に合わせて科目を選択できるのが、大きな魅力ですね。

根本 私は勤務する金融系企業で、リスク審査部門に配属されたことがきっかけでした。営業担当者からしばしば飛んでくる予期せぬ質問に対して、誠実に答えたいと思ったのです。中央大学を選んだのは、やはり「法科の中央」の看板があること、通信教育課程なら当時住んでいた大阪でも学べたためです。

大岩 私はこれまで数社のIT企業で、契約に関する業務を担当してきました。法を学ぼうと決意したきっかけは、今の会社で法務担当になったことです。家庭を持っているため、時間の融通がきく通信教育課程を選びました。特にオンデマンドを使えば、仕事や育児と両立できて助かります。

法の知識があれば、「リスクの四隅」を捉えられる

遠藤 本学で学んだ法の知識を、どのような形で仕事に生かしていますか?

椎橋 庸二さん
物流系企業勤務

椎橋 法務部の立場として、営業をはじめとする他部署の担当者の希望をできる限り叶えたい。そのため、法の知識を使って実現方法を考えるようにしています。私が勤める物流業は公共性が高く、民法や商法に加えて運送約款など数多くの規約が存在します。顧客にこれらの内容を理解してもらい、互いの妥協点を探って契約をまとめることが必要。わかりやすく、かつ正確に営業担当に説明することが私の使命ですね。

根本 法を学ぶと、その取引の中に潜む「リスクの四隅」を捉えることができます。漠然として見える「リスク」は、法的リスク・コンプライアンスリスク・財務リスクなどいくつかの種類に分けられます。その都度考えられるリスクの種類と程度を正確に捉え、必要に応じて専門部署の意見を仰いだ上で、判断できるようになりました。

大岩 法を学んだことで、たとえば契約における法的リスクについて、社員へのトレーニングができるようになりました。私が内容を正確に理解していれば、社内外への説明責任も果たせます。また、取引先の法務担当者と対等にやりとりできるようになったのも、法を学んでよかったと思う点です。

遠藤 本学での学びは、具体的な業務にしっかりと生かされていますね。日常生活でも、業務で紛争に巻き込まれた時も、つねに法がついて回ります。その意味では、社会人こそ法を学ぶことに適していると言えるでしょう。

根本 学んだ内容の実例に、職場で直面することもしばしば。実践的な環境で学べるのは、社会人の強みですよね。

遠藤 ここで皆さんにぜひ聞きたいのが、「法律版ヒヤリ・ハット」です。ご存じのようにハインリッヒの法則では、1件の重大な労働災害事故の背後には29の軽微な事故と300のミスがあると言いますが、こうしたヒヤリ・ハットの法律版も、実は身近にあるのではないでしょうか。

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