「つい、したくなる」シカケのつくり方

無意識に「エコしちゃう」世の中を目指して

日常生活において「つい、してしまう」という経験は誰にでも少なからずあるだろう。そういった、自ら進んで動きたくなるような仕掛けをつくることで人の行動を自然と引き起こすメカニズムを利用した「仕掛学」という考え方が昨今注目を浴びている。「仕掛学」の第一人者である大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏教授に、「仕掛学」を使って地球温暖化対策や省エネに結びつける行動を引き起こす方法を聞いた。

地球温暖化防止に役立つと言われる"仕掛学"とは何か。一言で言えば「本来の目的を達成するために行動に移せないとき、一見、違う目的を用意し行動することで、本来の目的を結果的に成し遂げてしまうこと」だという。たとえば、単なるゴミ箱があるだけなら、ゴミを捨てたいとまでは思わない。だが、ゴミ箱の上にバスケットボールのゴールを付けるだけで、ゴミをシュートしたくなる。そんな人間の心理を応用したものが仕掛学と言われるものだ。この仕掛学の第一人者である大阪大学教授の松村真宏氏は「目的の二重性をうまく設定し、行動の選択肢を増やし、行動を変えることで問題を解決する。要は、本来の目的のために『ついしたくなる、やりたくなる』仕掛けを施すことがポイントとなるのです」と語る。

「省エネのため」は浸透しにくい?

考えてみれば、世の中のほとんどの問題は、人がつくり出したもの。だからこそ、人の行動を変えれば、解決できる問題はたくさんあるはずだ。では、この仕掛学を使って、私たち生活者は、地球温暖化防止にどのように貢献できるのだろうか。松村氏が言う。

「日常の行動が結果的に地球温暖化防止につながっていくように、行動に違う意味付けをすればいいのです。電気を節約すること一つとっても、まったく違う意味付けをすることで、人は行動を変えることができるはずです」

たとえば、ライトアップ施設や家庭の照明を消すことを呼びかけようとする際には、本来の目的である「省エネのため」というと、なかなか浸透しないだろう。そこで、人がどうしても電気を消したくなるようなスイッチをつくったり、電気を消せば部屋がきれいに見えたりする仕掛けを用意すればいいのだという。今回の「COOL CHOICE LEADERS AWARD」の受賞作品である『思わず消しちゃう照明スイッチ』のデザインも仕掛学による一つの解決策であると松村氏は解説する。

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