世界と日本をCOOLにするリーダーたち 地球温暖化をビジネスチャンスに!
太陽熱を活用したドライ食品を地域で生産
「おひさまドライヤーは、太陽熱を利用して野菜や果物を乾燥させる"ミニ加工場"で、ドライフルーツや健康茶、干し野菜などを品質よく手軽に乾燥できるものです。約10年前に地球温暖化と気候変動の話を聞いて何かできないかと思い、筑西市商工会の青年部OBで"エコの木プロジェクト"と題して活動を始めたのがきっかけ。少しでもエコを心掛けていれば、新聞の読み方が変わるだろうし、社会の見方も変わる。自分たちの仕事の中からエコを意識することで地球温暖化防止に貢献できるのではないかと思って始めたのです。当初計画したのは、"緑のカーテンプロジェクト"というものでした。さながら緑のカーテンのようになるゴーヤですが、それを利用して活動をしているうちに、一度にたくさん収穫されるゴーヤを活かす何か良い方法はないかと考えるようになりました。ならば、ゴーヤ茶がいいということで、網戸の上でゴーヤの乾燥を始めました。そのとき、雨を防ぐいい方法はないかと思案する中で、今回のおひさまドライヤーをつくることを思いついたのです。
この活動が始まってから4段階くらい改良を重ねました。メンバーに木工所経営の方がいたので、できるだけ自然の素材である木にこだわり開発を進め、裏面に炭焼きホイルを付けることで、熱がよく集まって乾きやすくなりました。次はデザイン。最初は重かったのですが、桐を素材にすることで軽くなったうえ、断熱性があり、耐久性もあるものにしました。そして完成したのが15年です。現在では青年海外協力隊員の方から栄養改善プロジェクトに使用したいという相談を受け、ザンビアで利用していただいています。ザンビアでは雨季と乾季があり、乾季になると食料が足りなくなるそうで、そのときに備え、保存性のいい乾物をつくりたいということで話がきました。今後は、地球温暖化対策を推進したい人たちや、農業を志望する若い方など何か新しい商品を売ってスタートアップを目指す人たちにも、おひさまドライヤーを使ってほしいと思っています」
低速電動バスでCO2排出量が激減
低速電動バスの事業は、運行を担当する桐生再生ほか、環境問題に詳しい群馬大学の天谷賢児教授、低速電動バスの開発を担当したシンクトゥギャザーの宗村正弘社長、そして資金支援を担う桐生市役所の4者の協力のもと2013年に定期運行をスタートした。
「もともとは団塊の世代10名の同窓生が集まり、地域観光による地域再生を目指して2008年にNPO法人として活動をスタートさせました。その後、脱温暖化プロジェクトを推進する群馬大学の天谷賢児教授と知り合ったことで、天谷氏の「コンパクトシティの中でのスローライフ」という論文のテーマを具現化するため、現在の会社を立ち上げ、事業に取り組むことになったのです。時速19Kmの低速電動バスというスローなクルマは、通常のガソリン車に比べ、CO2排出量は約5分の1に削減されます。現在は織物の街である桐生市の地域観光をメインにバスの定期運行を行っていますが、同時に人口減少が進む中、高齢者の足となり、"地域の見守り隊"としても大きく貢献することになりました。バスの座席は対面式でスピードもスローですから、利用者同士が自然と話ができると評判です。地方では定期運行の維持が難しく、成功している事例はほとんどありません。では、なぜ私たちはできたのか。それは私たち団塊の世代が中心となってボランティアとして支えているからです。生まれ育った桐生をもう一度蘇らせたい。次世代に仕事をつなぐのは私たちの役目。そう思って、今がんばっているところです」
宅配物の職場受け取りでCO2削減を推進
同社はリスティング広告運用代行専門の広告代理店。堤さんは創業者で現在34歳。もともと自分自身も社内で宅配便を受け取っていたことや、社員からの提案があったことで職場受け取り運動の拡大を図るようになった。
「再配達問題がニュースになり始めたころ、私も無関係ではないと感じていました。私たちの事業はウェブ広告を利用して商品の注文数を増やすのが仕事です。それは同時に配達量を増やしていることにもなる。再配達問題の最大の原因はネット通販が活発になったからです。当初、再配達問題の解決策として挙がっていたのは、宅配ボックスやコンビニ受け取りでした。ただ、中小企業では宅配ボックスを置く場所もないし、コンビニ受け取りもやってみたけれど面倒くさい。でも職場に届けば、問題をゼロにできるのではないか。コストはかからず、社内に呼びかけるだけです。2017年3月から知り合いの会社10社に呼びかけて始めた運動ですが、現在は70社まで拡大しています。できる会社から始めればいいのです。ネットには「冷蔵庫が届いたらどうするんだ」という声もありましたが、受け取る商品も自分で選べばいいだけの話です。実際には本や服や日用品を受け取る人が多い。配達量は減らさず配達件数を削減することで効率的に配達できる。CO2削減にもダイレクトにつながっています。これからも運動を拡げることで、職場受け取りを増やしていきたいと思っています」