脳卒中や心筋梗塞の発症「ゼロ」にするには? 30代・40代からやっておく方が断然いいコト

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同社では約30年前から血圧管理研究会をサポートしており、これまで家庭での血圧測定を推し進めてきたこともゼロイベントを推進する大きな要因となっている。また同社の全社員自らが、毎日の血圧を管理することで血圧の最適値化(収縮期血圧135、拡張期血圧85mmHg未満)を目指す”オムロン ゼロイベント チャレンジ”もスタートさせている。

「ゼロイベントを掲げている以上は、自分たち自身が率先して取り組まなければならない、そう思って始めた取り組みです。早朝高血圧や職場高血圧など、年に1度の健康診断ではわからない高血圧があります。社員全員で朝晩血圧を測り、自分の状態を知り、高血圧を治療していくことがいかに大事かということを社内で実践し、それから得たノウハウを活かして、社会に向けて広めていきたいと思っています。実際、社内でも30代・40代で隠れ高血圧の可能性がある者を見つけることができました。高血圧は高血圧病ではなく高血圧症です。つまり、食習慣や運動習慣、喫煙、ストレスなど、高血圧の原因はさまざまです。この取り組みのスタートにあわせて、本社社員食堂では、高血圧改善のための減塩ランチ『ゼロイベントランチ』をメニュー化するなどの取り組みも行っています」(荻野氏)。

30代・40代から血圧管理を始めるべき

同社では、ゼロイベント実現のために商品やサービスの点でも新しい取り組みを始めている。現在、個人ごとに異なる血圧変動の特徴や健康診断だけではわからない高血圧のリスクを把握するため、血圧の測定頻度をあげるための、ウエアラブル血圧計を開発している。測定データを自分のスマホに送信して、アプリ上で簡単にデータ管理ができるコンセプトで、2018年度中の発売を目指している。

「腕時計型のデザインで、日常生活の中でいつでも気になったときに血圧測定ができます。活動量や睡眠時間も測定できるので、血圧と活動量や睡眠との関係もわかってくると思います。今後は血圧と心電を一緒に測定できる心電計付き血圧計の開発も進めており、イベント発症のリスクをより軽減させていくための取り組みを続けていきます」(荻野氏)。

現在開発中のウエアラブル血圧計 ※写真はイメージ

高血圧は高齢者だけでなく、30代・40代の若い頃から血圧に対する意識を持ち、予防していくことが何より大事だ。荻野氏が言う。

「自分は大丈夫だと思っていては予防できません。私の感覚では、体重が20代から大幅に増えた人は要注意。特に30代で、恒常的な睡眠不足の人や肥満傾向の人は、血圧測定をして日頃から管理しておく必要があります。ゼロイベントを広げるためにも、ぜひ30代・40代の皆さんには生活習慣の改善と日々の血圧管理をお薦めしたいですね」