「神道」に触れ、身近に感じることで
相互理解の精神を学ぶ
ここでは、練習を積んだ学生たちが舞を披露し、雅楽を奏でる。
地域にも開放され、教職員や学生だけでなく、一般の方たちも雅楽や舞楽などを楽しむ。
学生は神道文化学部で神職を目指す者だけでなく、複数の学部からボランティアで参加。
多くの学生が神事に参加し、あるいは見物をすることで「神道」の精神を身近に感じることができる。
「神道精神」に基づき
個性を育み異文化をつなぐ
八百万の神という言葉にあるとおり、古くより日本では、数多くの神々がいて万物を司ると考えられてきた。太陽神・天照大御神はもとより、月の神・月読命のほか、山の神、海の神、川の神、動物や植物、さらには雨や風などに至るまで、自然の中にさまざまな神々を見いだし、あがめてきた。
地域の文化や風習には、祭りをはじめ、神に新穀を供え、収穫を感謝する儀式の意味を持つものが少なくない。すなわち、日本の伝統や文化について考えると、その根底には日本古来の宗教である神道があることがわかる。いやむしろ、日本人の価値観や心のあり方についても、神道が拠り所になっていると言えるのではないだろうか。
神道の大きな特色は排他性がないこと。内外の諸宗教を否定することなく、共生しようとする。宗教だけではない。鎮守の森に見られるように、自然についても、人間が支配するのではなく、その恩恵に感謝し寄り添ってきた。
こうした精神に基づき、人材を育成しようとしているのが國學院大學である。創立120周年にあたる2002年には、文学部神道学科から独立する形で、神道文化学部を新設。日本の伝統文化を再認識し、よりよい国家・社会の形成に寄与・貢献しうる人材を養成することを目的としている。
神道文化学部のみならず、國學院大學では、「主体性を保持した寛容性と謙虚さの精神」に基づき、国際化、情報化が進む現代社会の中で、日本はもちろんのこと他国の文化も理解した上で、課題に対応できる人材を育んでいる。
こうした教育を実践する中で「大学の使命」として定めているのが「伝統と創造の調和」、「地域性と国際性の調和」、「個性と共生の調和」という「3つの慮(おも)い」だ。
国際化、情報化が進むにつれ、現代社会にはさまざまな価値観が混在するようになっている。国と地域の間の紛争や環境問題など、課題も複雑化し多様化している。
これらに対応するには、単に相手の意見や要望を受容するだけでなく、自らの個性を大切にしながらも、人や社会と積極的につながることが不可欠となる。まさに、「主体性を保持した寛容性と謙虚さの精神」が求められるわけだ。
國學院大學がその「心」を持つ人材を育てようとしているのにも納得がいく。わずか数年間ではあるが、ここでその考え方を学んだ人にとっては、どんな職業に就くにしてもその後の人生の財産になるに違いない。よりよい社会づくりに貢献できる「人間」を育む同学にますます期待がかかるのだ。
日時:10月19日(土)16:00 ~
場所:國學院大學 渋谷キャンパス
〈観覧無料〉
渋谷の夕闇に広がる幻想的な世界を。