どの業界も大手4社に集約される大再編時代

2018年に起きる変化の予兆を見逃すな!

3つめの視点が「ネットの普及によってデータベースの構築が必要な業界」の行方だ。

「マーケティング手法が進化する中で、これまでの教科書が通用しない時代に入っています。どのように顧客にアプローチしていくのか。そして、中長期の視点で顧客をどう理解し、どう対応するのか。これはすべての業界に当てはまるものだと言えます」

業界トップがその地位をキープするためには

では、大再編時代が到来する2018年に向かって、私たちはどのような指標に注目すればいいのか。まず挙げられるのが、「どの業界も大手4社に集約される」ということである。渡部氏が解説する。

「各企業は成長の手段として今、競合企業との関係を見直しています。それは同じ業界で4社が寡占している状況が、一番安定していて居心地がいいからです。たとえば、メガバンク、コンビニエンスストア、ビール、新聞社など、4社程度に集約された業界は身近にたくさんあります。これから上位4社の寡占率はどんどん進んでいきます。逆に4社以上の企業が競争環境にある成熟業界では、再編がうまく進まず、苦戦することが多い。今後、まだ4社に集約されていない業界は再編が起こると考えたほうがいいでしょう」

次に、まだ成長している市場を見極めるための「上位10社のシェア10% 50% 70%の法則」を渡部氏は提唱している。

「ある業界で売り上げ上位10社のシェアが10%になると成長期に入り、業界再編が始まります。それが同じく50%になると成熟期を迎え、地域No.1クラスの再編が進む。そして70%になると、上位10社の統合が始まり、最終的に約4社に集約され、合計で約90%のシェアに到達したところで国内の再編は終了するというものです」

3つめは「6万拠点の法則」である。

「たとえば、店舗を必要とするビジネスでは、業界全体の合計が6万拠点に達すると、再編が起こると私は考えています。これを”6万拠点の法則”と呼んでいます。日本の総人口に照らし合わせれば、1拠点につきおよそ2200人で、具体的にはコンビニエンスストアなどの小売り、調剤薬局、運送会社、ガソリンスタンドが当てはまります。これから6万拠点に達し、これ以上拠点を増やしても効率的にならない業界については、再編が進んでいくと思われます」

そして、「1位企業10%交代の法則」「Winner-Take-Allの法則」にも注目しなければならないという。

「寡占化が進む中で、トップ企業の交代はどの業界でも起こり得ます。シェアが1位だからといって、決して安泰ではなく、毎年全体のうち10%の業界で1位企業が交代しています。1位企業がその地位をキープできるようになるのは、シェア50%を取ってからです。『一人勝ち』のラインとしてシェア50%が必要なのです。それまでに、いかにビジネスを進化させられるかどうか。それが企業にとって、重要になってきているのです」

2018年を、横並び意識を捨て去る年に

今後の企業再編はM&Aを軸に進んでいくことは間違いない。当然ながら、私たちビジネスパーソンもそうした再編に巻き込まれていくだろう。そんなとき、私たちはどのような心構えでいればいいのだろうか。

「日本でM&Aと言えば、マイナスのイメージでとらえられがちですが、アメリカではM&Aは社員にとってハッピーなことなのです。日本でも、これからは事業効果を高めていくという意味で、プラスに捉える方が増えていくでしょう」

では、M&Aを成功させるためには、何が必要なのだろうか。

「成功するM&Aというのは、経営者が自身のことだけでなく、社員のこと、顧客のことをしっかり考えて実行していくことが条件となります。その意味で、これから大事になってくるのがビジョン経営です。ビジネスで何をやりたいのか。社会にどのように貢献していくのか。きちんとしたビジョンを持った経営者がいる企業がこれから成功していくでしょう」

今後、私たちビジネスパーソンがこうした大再編時代を生き残っていくうえで必要となるスキルとは一体何だろうか。渡部氏が答える。

「これからは過去の延長線上から抜け出すことが重要になってきます。横並び意識はもう捨て去るべきでしょう。ビジネスパーソンとして成功するためにも、競合相手ばかりを見るのではなく、独自のスタイルや価値観を確立することが大切になってきます。過去の真似ではなく、自分なりに物事を考え、答えを出す。これからの再編時代には、そうやって少しでも前に進んでいけるような人材が、どの企業にも必要とされるでしょう」

横並び意識から脱却するヒントに『業界メガ再編で変わる10年後の日本』を

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