2つの”未来の世界”
「未来の世界」と「未来の世界(新興国)」は、アセットマネジメントOneが運用するが、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インク(米国)が同社から権限の一部委託を受け、株式等の運用指図を行い、いずれもみずほ証券が販売を担う。
「未来の世界」は、設定から約1年間で純資産総額が2400億円を超えており、パフォーマンスも良好だ(2017年9月29日までの収益率、為替ヘッジなし:43.9%、限定為替ヘッジ:26.8%)。
時代の本質的な変化を見据えて長期的な視点で投資
良好な実績の背景には、どのような運用戦略があるのか。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(以下、MSIM)(米国)のグローバル・オポチュニティ株式運用チーム 運用責任者のクリスチャン・ヒュー氏は「『未来の世界』では、刻々と変化する世の中において、持続可能な競争優位性を持ち、高成長が期待される『ハイクオリティ成長企業』に割安(割安とは、市場価格が運用会社の想定する理論価格よりも低い状態のこと)と判断される水準で厳選投資を行います。このシンプルで再現性の高い運用哲学を実践した結果、今日までの良好な運用成果を実現できたと考えています」と話す。
MSIMの考えるハイクオリティ成長企業とは、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力の評価に基づき選定した質が高いと考えられる企業のことを指している。このような企業を発掘する際には、「定量スクリーニング」、「情報ネットワークの活用」、「バリューチェーン分析」、長期の視点で世の中を変える可能性のある事象に関する「イノベーション調査」などを行う。ヒュー氏は「ビジネス環境が大きく変化する中でも果実を得ることができる企業、外部環境の変化に左右されず安定した成長を実現できる企業などを探し出します。これらの企業に割安な水準で投資し、長期間じっくりと保有することが大切だと考えています」と加えた。
新興国企業に投資対象を絞った
「未来の世界(新興国)」
では、新たに設定される「未来の世界(新興国)」はどのようなファンドなのだろうか。
ヒュー氏によると、「基本的な投資戦略や投資方針などは『未来の世界』と同様ですが、投資対象を新興国企業*に絞ったのが今回のファンドです」とのことだ。
前述のとおり、今後も世界経済は成長が見込まれているが、その成長のけん引役として新興国の存在感は大きい。世界経済に占める新興国経済の割合は、2016年時点の約39%から2030年には約46%と、およそ半分程度まで拡大する予測だ(OECD予測)。「新興国は今後も人口と所得の増加が期待されるため、今回設定されるファンドでは、新興国の消費拡大という長期的なテーマに注目しています。また、グローバルで見たときに新興国にもハイクオリティ成長企業が多く存在する点も魅力です」とヒュー氏は語る。