東大ならではの最先端の環境で
分野融合型イノベーション人材を育てる
社会人新能力構築支援(NExT)プログラム 東京大学生産技術研究所

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東京都目黒区の駒場Ⅱキャンパスに位置する東京大学生産技術研究所(生産研)は、2011年に企業エンジニア向けのトレーニングプログラム「社会人新能力構築支援(New Expertise Training Program;NExT)プログラム」を開講した。
(詳細はこちら→http://toyokeizai.net/articles/-/12050)
背景には、苦戦を強いられている日本のモノづくりの現場を覆う閉塞感を打破する人材を育てる狙いがあった。優秀な研究開発人材を育ててきた日本企業の社内教育システムも余裕を失いつつあり、また、単一技術の深化だけでなく、複数の分野を融合する研究開発がイノベーションのカギを握るようになってきた。しかし企業内だけで必要な分野をカバーし、分野融合型プロジェクトのリーダーに必要な知識や、視野を身に付けてもらうことは難しいのが現状だ。
そうした課題を踏まえてスタートしたNExTプログラムも第三期となり、修了生たちは、東大の先端技術シーズと、“頭脳”に刺激された経験を各企業に持ち帰り、新たなステージに立って活躍している。第四期(2014年4月から1年間)はすでに応募を受け付けている。
東京大学 生産技術研究所
人間・社会系 教授
大岡 龍三

マンツーマンで教員が手厚いサポート

NExTプログラムは、ある程度経験を積んだ中堅エンジニアを対象として2011年に開講した。受講生は、1年間を3タームに分け、各ターム中は、各自の専門を越えた領域の研究室に所属。研究活動に間近に触れ、担当教員や大学院生、留学生らとディスカッションを重ねながら視野を広げて、分野融合型イノベーションを推進するリーダーの能力を培う。

メリットを最大化するには所属研究室の選択が重要だ。その際に、強力なサポートをしてくれるのが、各受講生に1人ずつ付く「メンター」役の教員だ。配属先とは別にメンターがいることで、所属した研究室の研究が予想していたものと違っていた、といった悩みや、配属先とは領域の異なる質問にも対応できる。今年、メンターを務めている大岡龍三教授は「メンターは受講生の疑問や困り事の相談相手であり、研究室選びのアドバイスをします。視野を広げるには、専門とは少し違う分野から刺激を受けるのがポイントです。希望を聞き、NExTの狙いに照らして、最適な研究室を一緒に考えます。希望の研究室は必ず見つかるはずです」と話す。

それを可能にしているのが、東大生産技術研究所という組織のユニークさだ。基礎系、機械・生体系、情報・エレクトロニクス系、物質・環境系、人間・社会系の5部門に、教授、准教授、講師らが主宰する約160もの研究室が工学分野全般をカバーする。コンパクトな規模で、研究室同士の連携も盛んなため「生研内で、どの研究室が何をしているのか、を一通り把握している」(大岡教授)ことが、きめ細かなアドバイスにつながる。

1泊2日の合宿型ワークショップの様子

濃密な講義とディスカッションの魅力

たとえば洗濯機は服を入れると、洗って乾燥して畳まれた形で出てくるのが理想かもしれない。だが、洗濯機のエンジニアだけでは、汚れ落ち、水の節約、モーターの性能に関心が向いてしまい、イノベーションは起こりにくい。大岡教授は「今の日本は、従来のビジネスモデルが頭打ちになって、新しい展開をしたいが、何をしたらいいのか分からないという状況に陥っています。大学という場でブレークスルーのための技術、知識、考え方を身に付けて欲しい」と話す。

配属研究室での自由な研究活動以外にも、NExTでは、隔週金曜の共通講義、1泊2日の合宿型ワークショップを開催。共通講義では、少人数で東大が世界に誇る有名研究者らから膝詰めで話を聞き、質問ができる。ワークショップでは、東大の教員や新進気鋭のゲスト講師に囲まれて、ディスカッションする。大学研究者と密に交流し、人脈も広げられる、共通講義とワークショップは「NExTでなければできない貴重な経験になる」と、受講生から大好評だ。

NExTでは、1年間の探索コースに加え、さらに深く調査研究を進める実践コース(2年間)も用意している。東大の技術シーズと俯瞰的視野、そして修了後も続く、人的ネットワークは、企業と、そのエンジニアにとって貴重な財産となるのは間違いない。

仙洞田 充
NEC スマートエネルギー研究所
仙洞田 充
次世代インターフェースを探して
携帯電話機など携帯情報端末の構造設計をしていたNECの仙洞田充さんは、快適な次世代インターフェースのあり方を探りたいと、専門の機械設計以外の知識を求めてNExT第一期に応募した。通常業務からほぼ離れ、生産研で1年を過ごした仙洞田さんは何を学び、どんな経験をしたのか。スペシャルPDFをご覧ください。
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山崎 弘之
LIXIL プロダクツカンパニー
山崎 弘之
環境変化の中で新たな研究能力を習得
旧トステムで金属材料の研究に携わってきた山崎弘之さんは、新築住宅市場の低迷に加え、所属企業が他社と統合して総合住宅機器メーカーLIXILになるという環境変化の中にいた。そこで、山崎さんは研究者としての能力再開発のためにNExTを受講。LIXILはその後第三期に、さらに2人を送り出すこととなった。何がそうさせたのか?詳しくは、スペシャルPDFに。
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