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Why Hakuhodo DY digital !? 厚切りジェイソン×博報堂DYデジタル

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IT関連企業で重要なポストを任されながら、2014年にお笑い芸人としてデビューし、瞬く間にブレイクを果たした厚切りジェイソンさん。そして、転職を経て若手が幅広く活躍する博報堂DYデジタルで働く清水康隆さん、磯﨑望さん。3人の共通点は、ともに30歳前後という年齢と、日本においては先進的といえる「合理的な働き方」「成長できる職場環境」を志向しているところにある。「Why Japanese People!?」――日本のビジネス的慣習は時に海外から見ると不可思議にもとらえられるが、デジタル・IT分野の最前線ではどのような変化が見られるのか。特に若手ビジネスパーソンにとっては示唆深い内容になったスペシャル鼎談をお届けする。

新たな職場を選ぶ、アラサー世代の“いま”

――清水さんと磯﨑さんはともに20代で転職し、現在は博報堂DYグループのデジタル中核会社として2016年に立ちあがった博報堂DYデジタルで働いています。どのような経緯で転職を決めたのでしょうか?

清水 康隆
博報堂DYデジタル ソリューションプラニング本部 メディアプラニングユニット インテグレーテッドプラニンググループ。2010年よりネット系広告会社でデジタルマーケティング支援に従事。14年博報堂DYメディアパートナーズに入社。デジタル広告のメディアプラニングセクションにて、テクノロジーやデータを活用した統合プラニングを推進。16年から博報堂DYデジタルで、主にメディアソリューションの企画・開発・提案に従事している

清水 康隆氏(以下、清水):前職はインターネット専業の広告会社で、4年半ほど働いていました。転職を決めたのは、総合広告会社であればデジタルにとどまらず、マスメディアを含めた広い領域に関与できると思ったこと、さらに博報堂DYグループにはさまざまな領域のプロが集まっているので、自分がデジタルのプロとして関わることで可能性が広がり、よりビジネスがスケールしそうだと考えたからです。実際、現在はメディアプラナーやストラテジックプラナー、クリエイター、データサイエンティストなどグループ内だけでも数多くの人とチームを組んでいて、転職前に思い描いていたような仕事の仕方ができています。

望氏(以下、磯:私は化粧品会社――つまり広告主側で働いていました。そのなかでデジタル領域にきちんと携わりたいと思ったことが、転職のきっかけです。入社してすぐはメディア・プラットフォーマーといわれるメディアの広告ビジネスを推進するセクションに配属となり、担当したのが主にグローバルのプラットフォーマーだったので、グローバル企業ならではのアップデートの速さを実感しました。日々更新される情報を踏まえて戦略を立てるのが楽しく、広告ビジネスのダイナミズムを実感できましたね。その後、広告主企業の売上やブランディングにつながるマーケティングを推進するセクションに異動しました。メディア・プラットフォーマーの特長を知った上で、広告主企業のマーケティング課題を解決するフロントラインに立つ今の仕事には、また違った醍醐味があります。

――ジェイソンさんのタレントとしてのご活躍は広く知られていますが、IT企業の役員の顔もお持ちです。今日のお三方は30歳前後の同世代で、デジタル領域のビジネスシーンに身を置いているという共通点があり、また、この業界では、皆さんのような世代が大きな裁量を持ち活躍しています。ジェイソンさんは同世代の特徴について感じることはありますか?

厚切りジェイソン
IT企業役員、お笑い芸人。1986年生まれ、アメリカ合衆国出身。17歳でミシガン州立大学に入学、飛び級を経て卒業。その後イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校大学院を卒業。日本のテレビ番組を観て日本語を勉強、2014年にお笑い芸人としてデビュー。現在はIT企業の役員とお笑い芸人の“二刀流”で活躍の場を広げている

厚切りジェイソン氏(以下、ジェイソン):今日はまじめに話しますよ(笑)。まず、アメリカの30歳前後の人たちは、シリコンバレーブームを見てきて、「自分もできる!」と思っている人が多いですね。友人たちも、「自分の会社を立ち上げて、とんでもない金持ちになるのが当然」と考えています。たとえば僕が「日本でテレビに出るようになって、スゴいでしょ?」と言ったとすると、「俺は毎月1億人が利用するサービスの総合プロジェクトマネージャーだけど?」と返される。そうやって競い合うのが楽しいのだけど、日本ではおとなしく、リスクをとらない人たちが多いと感じています。そもそも「起業」とは違い、お金もかからない「転職」はリスクだと思わない。その点、今回お話しする二人は、きちんとチャレンジしてきているので共感できますね。

:リスクを避けようとするのは、お国柄や教育の影響もあるかもしれませんね。ただ、日本のビジネスも流動性が上がり、各自がよりよい環境を求めて転職しやすい状況にはなってきていると思います。私もデジタル領域の仕事により注力したいと考えて、転職というチャンスに踏み出したひとりです。

――お二人のように転職するのも、あるいはジェイソンさんのように企業人として仕事を持つなかでお笑い芸人を始めるのも、リスクと捉えるかどうかは人次第ですが、人生において大きなチャレンジだと思います。皆さんは、どんなことを最優先にその選択をしたのでしょうか?


博報堂DYデジタル アカウントプロデュース本部 第2アカウントプロデュースユニット第1グループ。化粧品会社でマーケティングに関わり、Webサイト構築から運営、印刷物の制作、イベント運営などのPR業務に従事。2016年博報堂DYデジタルに入社。メディア・プラットフォーマーや広告主企業のビジネス推進などを行う

:私はスキルアップですね。前職では本当に幅広い仕事に携わり、表面上は一通りのことはできていても「これ」という武器はありませんでした。デジタルという特定の分野に集中して最先端のビジネスを学びながら、スキルを伸ばしたいと考えたんです。実際に転職してみると、広告主とメディア・プラットフォーマー両方と向き合える会社だからこそ、スケールの大きな仕事ができることも魅力に感じました。

清水:私も転職の理由は明確です。前述の「より広い領域で仕事がしたい」という思いとともに、博報堂DYグループが持つ大きなリソースを使えば、伸び続ける市場の中で、より多くのことが実現でき、自分の市場価値を高められると考えたからですね。日本だけでなく、海外での先端・先行事例について現地で情報収集・研究し、広告主企業のニーズに合わせてサービスを構築しリリースにつなげ、実際に活用していただけたときは、本当に転職してよかったと実感しました。

ジェイソン:僕の判断基準は年齢によって変わってきていて、20代の頃は自分の成長するスピードが最優先でしたね。いかに周りに差をつけて、早く出世してお金とパワーを手に入れるか、ということしか考えていなかった。でも最近は自由度を最優先にしています。家族との時間も大切にしたいので、自由な時間を侵食するような仕事はしないようにしています。

自分の頭で考えられる人材こそ、価値がある

――ジェイソンさんの今の事業会社でのお立場は? 若い人材が多い?

ジェイソン:僕は、日本で開発された製品を海外に持っていくグローバルアライアンス部の部長をしています。アメリカ法人では役員を務めていて、現地の社員の平均年齢は、だいたい25歳くらいです。

――社員を管理する立場として、どんな人材を求めていますか?

ジェイソン:自分で考える力を持っている人です。僕は、「こういう結果が欲しい」という最終目的しか伝えません。最初から「それはどうやったら実現できますか?」なんて聞かれると、ガッカリしてしまう。「こういう取り組みをした結果、こうなりました。当初目指していた方向性とは違いますが、その繋がりでこういうメリットが得られるので、続けてもいいですか?」という段階で相談に来るのは、むしろ新しい発見もあってまったく問題ない。最初から部下に細かく指示するなら、自分でやったほうが早いですからね。そういう意味では、日本の会社は、まだトップダウンの発想が強い。

清水:確かに、日本のビジネスパーソンは指示されたことを高い精度でこなすことは非常に得意で、それは大きな長所だと思いますが、指示された以上のアウトプットは出てきづらいかもしれませんね。ただ、私が所属しているソリューションプラニング本部は、広告主企業のニーズに合った広告商品を開発するなど、つねに新しい課題の解決策を生み出すというミッションがあります。具体的な指示を受けず、それぞれが自ら勉強し教え合う環境があり、考えない人はオペレーションに終始してしまうでしょう。「endless update_」が企業理念なのですが、意欲があれば成長できる、いい環境です。

ジェイソン:正しいやり方だと思いますね。でも(名刺を見て)、「ソリューションプラニング本部 メディアプラニングユニット インテグレーテッドプラニンググループ」って、長いわ!

一同:(笑)。

:私は前職では広告を出稿する側で、紙媒体やイベント運営などデジタル以外のことも行ってきました。その意味で転職当初、デジタル領域は経験も少なかったので、上司や先輩が基礎の基礎から教えてくれる環境にありました。「すべて自分で考える」ということとはスタート地点が違うかもしれませんが、きちんと成長を促してくれて、自分の方法論が確立すれば裁量が与えられる、チャンスが広がっている、というその先を感じられています。

“エール不要”の正しい転職とは?

――ところで、広く日本のビジネスシーン一般に目を広げると、ジェイソンさんは「ここがヘンだよ」と思う部分はありますか?

ジェイソン:一人で物事を決められない人が多いように感じます。大勢で会議するのに、その場で決断を出せない。だったら集まらなくていいじゃん、と思うし、目的が明確でなく、ただ決定したことを伝えるだけの会議が多いんじゃないかと。年齢に関係なく、知識やスキル、実力を持っている人が決定権を持つべきでしょう? アメリカの大手食品メーカーでは、20代がCFOを務めている例もありますよ。

清水:外資系企業からすると非合理的に見える会議はあるかもしれないですね。私自身も、会議や意思決定は合理化すべきだと考えています。実際、博報堂DYデジタルはグループのなかだと平均年齢が若く、私たちの世代が決裁者にもなっているし、全体的には、裁量ももらえています。広告主企業のディシジョンメーカーと足並みをそろえ、リードタイムを短くしようという努力もしていて、確実に変わっています。会議が長い理由は、新しいアイデアを生み出そうと、雑談を大切にしていることもありますね。

:まだ2年目の会社なので、博報堂DYグループの良い部分や文化は取り入れつつ、若くて勢いのある新しい会社を創っていこうという雰囲気があります。博報堂DYデジタルという場所が、若い人たちによって変化しつつあるのかなと。入社してみてわかりましたが、デジタルのことはもちろん、知識が豊富で常に何か面白いことを仕掛けようとしている人たちが周りにたくさんいる。そういう場所は刺激的で、私自身「次に何をしようか」という新しい目標が生まれてくるんです。

――なるほど、転職してみて分かったこともあるようですね。

清水:思っていたことと違う部分も、もちろんあります。ある意味、転職とはそういうもの。少なくとも私たち二人は、調べて分かったうえでこの場所を目指しました。そして自分のやりたいことが増えた。豊富なアセットがあって、いろいろな人がいて協力しあえる。

:やりたいことも次々に生まれるし、自分が成長すれば世界も広がる。いい環境に飛び込めたと思っています。

――いままさに転職を考えているビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

ジェイソン:この二人は正しいと思う。正直に言って、単に「条件」だけを追いかけて、どこに転職しようかと迷っている人を見ると、イライラするんです。二人みたいに目的を持って転職するのが当たり前だし、迷っているうちは転職する必要はないと思う。

清水:少なくとも、何を迷っているかクリアにしてから転職したほうがいいですね。

:入り口は迷っていたとしても、尻込みしているよりはまず行動してみる、ということが必要だと思います。具体的に行動するなかで、自分が進みたい方向や、新しい目標を発見していくことができると思うので。

――最後にジェイソンさんから、新しい道で活躍を始めている二人に、エールをもらえますか。

ジェイソン:(大声で)頑張れよー!……って、エールなんて必要ないですよね。そもそもエールがないと頑張れないって、嫌だと思いませんか、皆さん。二人は正しいやり方で転職してきたし、今やるべきこともわかっているので、僕は何か言う立場じゃないかなと。

株式会社博報堂DYデジタル
博報堂DYグループのデジタル戦略の中核を担う事業会社。
デジタルマーケティング全体の戦略設計、デジタルメディアプラニング、クリエイティブプロデュース、データマネジメント・分析、ソーシャルメディアマーケティング、メディアソリューション開発、統合的なコミュニケーションデザインに至るまで、デジタルを起点に企業のマーケティング活動を推進している。

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