企業価値を上げる手法「IR戦略」とは 新ルールの導入に対応できていますか?
FDルールの導入は、企業側も手探りの中進んでいるという。
「我々の懸念は、企業の情報開示が保守的になることです。法改正の本来の目的は情報開示を促進し、投資家との対話を促進することですから、FDルールの実施により企業の情報開示が後退しないよう、この制度を通じて企業に対しアドバイスを行っていく方針です」
他方、証券アナリスト側にも、新たな対応が求められている。
「単なる取材力だけでなく、これまで以上に証券アナリストの仮説構築力・分析力が問われてきます。たとえば、工場見学や部門別説明会などのモザイク情報をほかの情報と組み合わせることで、投資判断上、意味を持つ情報が見えてくる場合があります。その意味で、企業情報を扱う我々の社会的使命をさらに定着させていく段階に入ったと考えています」
IR戦略の活用によって企業価値を創造するには
では今後、証券アナリストの役割はどのように変わっていくのか。
「FDルールで先行している米国を見ると、正確な業績予想の基礎には必ずロジックが存在します。それをいかにわかりやすく独自性をもって提示できるかが重要なのです。今後は人工知能の進展などにより証券アナリストのあり方も変化すると考えられますが、その分、真面目に分析力・洞察力を磨いてきたアナリストほど活躍の場が広がっていくと思っています」
そもそも企業と証券アナリストの関係は、建設的な対話をすることで企業価値を向上させ、日本市場全体の向上を図るものだ。
「企業IRは、株価を上げるためのものではありません。本来の目的は株価の変動幅を抑え、資本コストを下げること。証券アナリストとの対話を通じて情報開示の水準を上げ、企業の現状と戦略を正しく周知させることが、結果として企業価値創造につながるのです」
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