ビジネスパーソンにもはや不可欠
「ビジネス語」としての英語力を磨く!
英語も然り。ビジネスパーソンが英語を話せるようになりたいと望むのは、いつか海外出張・赴任があるかもしれないと思うから。その可能性があるなら、例えば「3年後に海外出張して、英語でプレゼンテーションを行い、相手の質疑応答にもしっかり答えられるレベルになる」というように、自分に密着したゴールを立てることが重要です。将来をイメージして先手を打っておけば、チャンスをものにできる可能性も高まります。
―ゴールの設定後は、どのように勉強していくとよいのでしょう。
松本 英語は急にうまくはならないので、まず英語学習をルーティンにすることが大事。朝食のときに英語のニュースを聞く、電車での移動中はペーパーバックやSNSの英文を読むなど、短い時間でもいいので、毎日決まった時間に興味、関心のあるものを選んで「楽しみながらやる」ことを習慣づけます。それが定着したら、次に普段日本語でやっている業務を徐々に英語化してみるとよいでしょう。
たとえば、請求書や領収書といった単語を知らないと立ち往生してしまうので、そこを一つずつクリアしていく。営業の人なら、自社製品の長所、海外のクライアントが購入する場合の納入時期や価格などを説明できるようにする。このようにハードルを少しずつ上げていくことで、いつの間にか総合的な英語力が身についていることが理想です。
英語は豊かな人生を可能にする
―グローバル化が進み、英語の位置付けがどんどん変わってきています。
松本 ビジネスの現場も教育の現場も、様変わりしていますね。今では小中高で働いている外国人助手も、必ずしも英米人だけでなく、世界各国から来ています。
私は長年、テレビの英語番組で講師役を務めていますが、番組作りもかなり変わりました。例えば、以前でしたらスキットを演じる外国人は英米人を起用していましたが、今は非ネイティブで、ちょっとクセのある英語を話す人を積極的に起用しています。今やWorld EnglishesとEnglishが複数形で表される時代ですから、多種多様な英語に慣れ親しんでいただくことが狙いです。
日本のビジネスパーソンも自分の英語の発音を過度に気にしないほうがよいと思います。あくまでも意思疎通ができることが大切なのです。
―英語を学ぶ最終目的とは何でしょうか。
松本 私は、より多くの人と関わりを持ち、そのことによって自分の人生を豊かにしていくことだと思っています。さまざまな背景を持つ人たちの価値観や文化に触れることで、目の前にある世界が大きく広がり、考え方も柔軟になるはずです。