北朝鮮が「米国本土」を攻撃できない根本理由 金正恩の「脅し」に恐れる必要はない

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国民の「戦争準備態勢」を保つことは、戦闘的なレトリックを使い、多くの危機を繰り返し生み出すことにつながる。北朝鮮政府は現在、自国の状況についてより注意深くならなければいけない。北朝鮮は自らの脅し文句に忠実である、と米国に思わせてはならないのだ。

北朝鮮の軍事活動は突発的な「残酷な結末」を招くとか、米国が「レッドラインを超えた」などと言うとき、北朝鮮は本気なのだろうか? もしそうであれば、これに応じる準備はできているのだろうか。こうした点を理解することは、米政府にとっても難しくなってきている。

目下のリスクは「米国による先制攻撃」

ロサンゼルスに住む私の質問者たちも、北朝鮮による脅し文句の多くは、「たら・れば」の文脈の中にあることは知っている。たとえば、もし米政府が金正恩の抹殺を試みたとすれば、北朝鮮は米国本土を攻撃するだろう――そうした宣言は先週行われた。米国を「焦土」と化し、「破壊」をもたらすという言葉はたいてい条件付きで使われる。

レトリックを超えて、限定的な衝突が国境周辺の陸地や海上で発生するようになってきており、全面的な紛争に発展する可能性も出てきている。こうした中で、これまでと違うのは、この結末に「米国本土へのミサイル攻撃」がありうる点だ。緊迫する状況下、目下のリスクのひとつは、米国がそうしたシナリオの先手を打つかもしれないことだ。

反対に、もし北朝鮮の首脳陣が、限定的な戦闘が戦争や政権を転覆させる試みにまで発展すると考えたとしたら、自分たちが「(核兵器を)使うか使わないか」という状況にあると考えるはずだ。われわれには北朝鮮のミサイルや核兵器が限定的な衝突を起こすのか、あるいは大げさな瀬戸際交渉に使われるのかは今のところ知る由もない。

もうひとつの懸念は、緊張が高まる中で、技術的、または人的な壊滅的過ちが発生する可能性だ。1983年9月26日、ソビエト連邦の早期警戒システムが、米国の大陸間弾道ミサイル「ミニットマン」が複数発射されたと記録した。当時、当直将校だったスタニスラフ・イェフグラーフォヴィチ・ペトロフは恐怖におののきながらこれを誤報と判断した。

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