仕事のパフォーマンスを底上げする
デキる男の「フィジカルケア」のススメ

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慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授として幅広い分野で活躍する夏野剛さん。上場企業を始め、数多くの企業で取締役、社外取締役を務めるほか、政府等公共団体の委員やTVのコメンテーターとしての顔を持ち、日々エネルギッシュに活動を続ける。そんな夏野さんが、仕事でパフォーマンスを上げるために日頃から心掛けている生活習慣とはいったい何だろうか。

お腹が出ていないことが、エグゼクティブの条件

――夏野さんが仕事で高いパフォーマンスを上げるために、日頃から心がけている生活習慣とは何でしょうか。

夏野 毎晩仕事の会食が入っているため、朝食を抜くようにしていることです。いわば、体調を維持するために、ちょっとしたファスティング(断食)をしている感じです。私は夜中まで付き合いがある日が多いのですが、翌日朝食を食べてしまうとファスティングの時間が短くなってしまうんです。朝食を食べないことで、1日最低10時間、できれば12時間は何も胃に入れない時間を作っています。そのおかげで太りませんし、体調もいいですね。

――朝食抜きの生活を始めてどれくらいになりますか。

夏野 もう10年以上になるでしょうか。30代後半のころ、本格的に太り始めた時期があり、「これはまずい」と思って始めたんです。ほかにもウェイトトレーニングをやっていますが、それも筋肉をつけるためではなく、暴飲暴食をしても太らない体質にするためです。あとは軽いランニングくらい。基礎代謝も上がって、ウエストも細くなりました。

――エグゼクティブの方は見た目も健康そうな人が多いように見えます。

夏野 剛 なつの たけし
早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、トランスコスモス、DLE、GREE、クールジャパンファンドなどの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任

夏野 40代以上になると、トレーニングなど、ちゃんとケアをしている人とそうでない人の差が如実に出てくるんです。私の実感だと、ベンチャー経営者などは、特に見た目や健康に気を使っている人が多い印象です。エグゼクティブの条件として、お腹が出ていないというのが、日本でも浸透しつつありますね。若い頃からエネルギッシュに仕事をしている人ほど、体のケアも大事にしている人が多いです。30代前半くらいだと、お腹が出てきても何とかリカバーできると思うかもしれませんが、30代後半になると途端に危機感が高まるんです。そのときトレーニングを始めるかどうかで、その後の人生が決まってしまうような気がします(笑)。

――トレーニングはどれくらいの頻度でされているのですか。

夏野 パーソナルトレーナーをつけて、ウェイトトレーニング、ランニングともに各週1回のペースでやっています。ウェイトトレーニングも最初は大変だったのですが、今では自分の体重ほどの重さのベンチプレスを10回3セットできるようになりました。ランニングも科学的にロジカルにやりたいので、信号などがあってペースが乱れる屋外では走りません。代謝を上げるためには一定のペースを保つことが効果的なので、フィットネスジムのマシンで走っています。海外ドラマを観ながら走っているので飽きませんし、毎回1話約42分で5kmほど走っています。

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