都議選の結果を「数字」で分析してわかること 人々の政治への不信が高まっている

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7月9日夕方、東京・新宿で行われたデモの様子(筆者撮影)

7月9日夕方、東京・新宿で「安倍政権の退陣を求めるデモ」が行われた。午後7時すぎに新宿駅東口に集まったのは、筆者がざっと見まわしたところ約1400人ほどだった(主催者発表は8000人)。その雰囲気は都議選投票日の前日の7月1日に秋葉原駅前で行われた自民党の街宣と似ていたが、それ以上にさまざまな人が参加していたように思う。

子どもを連れたカップルが何組かおり、そのうち2組ほどはベビーカーを押していた。また別のカップルは父親が子どもを抱いて、演説に聞き入っていた。驚いたのは若い女性がデモのコールに呼応して「安倍やめろ」と口ずさみ、地下道への階段を下りていくのを見かけたこと。過激な内容のコールに呼応することに違和感はないらしい。

内閣支持率が大きく低下

参加者の中には、共産党支持者とおぼしき年配の人も目立った。手書きのプラカードを掲げた人もいたが、こちらは永田町の議員会館の前で座りこむ人と同じ雰囲気。その横を、何人もが通り過ぎていった。歩きながら街宣車の上での演説に目を向けるもいれば、見向きもしない人もいた。

全体的に「温度」は低いように感じた。国民の思いを政治がすくいきれない状態が続いてきたジレンマのようなものが、熱狂の広がりを阻んでいるのだろうか。デモをつぶさに観察しながら、そのようなことを考えた。

さて都民ファーストの会が一気に55議席(追加公認を含む)を獲得し、自民党が史上最低の23議席しか獲れなかった都議選のインパクトは巨大だった。いまだにそのムードは衰えていないようで、この日に発表された各社の世論調査では、いずれも内閣支持率は大きく下がり、不支持率が支持率を上回っていた。

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