後払いの圧倒的安心感、与信結果はすぐ回答
6月下旬、都内にてネットプロテクションズの新サービス発表会が行われた。同社は2000年の創業以来、新しい決済ソリューションサービスを次々に提供。独自のプラットフォーム事業を通して、決済にとどまらない幅広い分野で「つぎのアタリマエをつくる」ことを追求してきた。
そんなネットプロテクションズが今回、新たに始める新決済サービスが「atone(アトネ)」だ。これは「スマホで買って、翌月コンビニ払い」を可能にする次世代の決済サービスで、ユーザーは簡単な会員登録をするだけで利用することができる。
6月21日からスタートした「atone」の大きな特徴は、事業者はネットプロテクションズによって未回収リスクを100%保証される一方、ユーザーは商品到着後に1カ月分の利用金額をまとめて支払える点だ。
ユーザーにとって、購入月の翌月20日までにコンビニで支払うという仕組みは魅力的だ。さらに利用金額の0.5%がポイントとして貯まり、代金の値引きに使用できる。会員登録後は、電話番号とパスワードを入力するだけで購入できる簡単な流れとなっている。「atone」のメリットについて、同社企画室マネージャーの杉山崇氏は、次のように話す。
/ネットプロテクションズ
企画室マネージャー
「事業者にとっては、代金未回収リスクがゼロであるほか、当社で与信結果をリアルタイムで回答できるため、注文を受けたその場で利用可否を判断でき、商品の在庫保持も不要になります。他方、ユーザーはスマートフォンさえあれば、クレジットカードや現金がなくてもどこでも買い物でき、商品が到着次第、安心してコンビニで支払うことができ、満足度アップも期待できます」
培ってきたノウハウと、独自データを活用
「atone」は、事業者とユーザー双方にとってお得なサービスと言えるだろう。事業者が気になる手数料も、業界最安基準の「1.9%(手数料)+30円~(トランザクション費用)」で提供していく方針だ。
実は、「atone」誕生を可能にしたのは、ネットプロテクションズの主力事業である「NP後払い」サービスを通じて培ってきた累計1億人のユーザー基盤と取引データ、さらにポイントプログラムに参加している130万人(2017年5月時点)の会員基盤、2万3000店舗の加盟店と90社以上のアライアンス基盤があるからだ。
「NP後払い」は個人向け通販において、加盟店が手間をかけずに後払い決済を導入できるほか、ユーザーの取りこぼしもなくせる、ネットプロテクションズ独自のサービスとしてスタートした。
2016年度の年間流通総額は1400億円、年度内利用ユーザー数は2800万人を突破、導入店舗数は2万3000店にものぼる。2017年度の流通総額は2000億円超となる見込みで、業界シェアトップクラスの「コンビニ後払い」決済サービスと言える。
「NP後払い」では、商品到着後ネットプロテクションズがユーザーに請求書を発送、ユーザーは14日以内にコンビニや銀行・郵便局で代金を支払う仕組みだ。
ユーザーにとって安心・便利なだけでなく、通販事業者にとっても回収業務のアウトソーシング化で請求関連業務の手間を削減、後払いニーズへの対応で新規顧客の獲得や売上げアップを見込めるなど多くのメリットがある。
なぜ未回収リスクを100%保証できるのか
/ネットプロテクションズ
代表取締役社長
「NP後払い」や新サービス「atone」において事業者が最も気になるのは、なぜ代金未回収リスクを100%保証できるのかということだろう。その点について、ネットプロテクションズ社長の柴田紳氏は、次のように説明する。
「まず1件あたり5万円以下(税込)の買い物に制限しているため、少額債権の分散により、リスクを安定化させることができます。さらに、初回取引は審査を緩和していますが、未回収であれば2回目以降は取引できない仕組みです。その結果、取引の7割以上がリピーターによるもので、未払い率を低減させることができました。『少額大量の未回収リスクを積極的に請け負う』という、常識にとらわれない戦略をとったことで、代金未回収リスクを100%保証できたのです」
ネットプロテクションズの強さは、それだけではない。「NP後払い」は累計で1億人のユーザーと100万社の企業が利用しているため、取引・決済に関する顧客情報データを大量に蓄積できる。その結果、前述のように与信管理ほかさまざまなサービスに活用できるビッグデータを保有するに至った。
また、15年以上にわたって後払い決済サービスを運営してきた実績から、月間300万件以上の取引を90名弱(そのうち正社員は10名)で対応することが可能となり、その洗練されたオペレーションノウハウも競争力の源泉となっている。
「atone」をきっかけにリアル市場へ
こうした強さを生かし、ネットプロテクションズは現在、個人向け通販だけでなく、企業間取引向けの「NP掛け払い」サービスも展開、すでに導入企業数は1000社、利用企業数も100万社に達している。さらに、引っ越し・家事代行など訪問型サービス向けにも「NP後払いair」を始めるなど、次々に新しいサービスを生み出している。
ネットプロテクションズは、新サービス「atone」をきっかけとして参入業界を拡大する方針で、将来的には実店舗などのリアル市場への進出も念頭に置いている。
「当社は立ち上げ時より、コンビニ支払い(現金支払い)の対応からスタートしましたが、今年度からは口座振替サービスも拡充し、将来的には仮想通貨などにも支払い手段を拡充させる方針です。そうした施策によって、現金決済の電子化を浸透させ、将来的にはキャッシュレス社会を推し進めていきたいと考えています」(柴田氏)
その意味で「atone」は、「スマートフォンがあれば、いつでもどこでも簡単・便利に買い物ができる」という特徴のもと、キャッシュレス化社会に対応するためのツールとなりそうだ。今後の拡大戦略を練る事業者、さらにスマートフォンを使った買い物を楽しみたいユーザーにとって、まさに必要不可欠なサービスと言えるだろう。