
オープニングスピーチ
副社長
古森 茂幹氏
キーノート & 対談
熊谷流ベンチャーの流儀
真の起業家が実践していることとは?
代表取締役会長兼社長・グループ代表
熊谷 正寿氏
GMOインターネットの熊谷正寿氏は、現在のビジネス環境を、1 位の後に2位、3位の会社が続いた「レース型」から、勝ち残れるのは1社だけの「格闘型」になっていると分析。インターネットの普及で、消費者は同種サービスの料金や質を簡単に比較できるので、他社に劣後すればすぐ見捨てられるとして、スピード感を持ったサービスと社内の仕組みの差別化推進を訴えた。『東洋経済オンライン』の山田俊浩編集長から最近の起業ブームについて問われると、勝ち残れる会社は限られると指摘。アイデアだけでなく「迅速に提供サービスを改善するために自前のテクノロジーを持つことが大事」と述べた。
東洋経済オンライン
山田 俊浩 編集長
国内ネット系市場は、海外に対しては言語障壁があるが、国内からの新規参入は容易で、競争激化しやすいため、成長を続けて生き残るには、単一事業からコングロマリット化が必須とした。経営視点として、契約を取れば継続的収入があるストック型ビジネスは成長しやすいと強調。一回完結取引のフロー型の販売事業もレンタルにすればストック型になる例を示して工夫を促した。最後に「今後は都市のすべてがネットにつながり、ビジネスチャンスも増えます。SaaSストック型は、いったん優位に立って改良を続ければ、追いつかれる懸念も少なく、グローバル展開も可能です」とSaaSベンチャーの起業家を励ました。
スペシャルスピーチ
気鋭のSaaSベンチャー経営者が語る、
サービス誕生の瞬間、そして起業へ
代表取締役
庵原 保文氏
プログラミング知識なしに機能を選択してスマートフォンアプリを制作できる「Yappli(ヤプリ)」を提供する株式会社ヤプリの庵原保文氏は、別の仕事をしながら、ネット企業勤務時代の仲間と3人で、モチベーション維持に苦心しながらYappliの開発を続けた2年間を回顧。完成・起業後も「このサービスができればすごい」という思いだけで開発したため、顧客がわからず、さらに2年間売れない日々が続いた。その後、小売業界の販促支援に活路を見つけ、地道な営業活動で軌道に。創業4年の今は、自社アプリ制作にYappliを導入する企業は約200社に達し「やっと成長フェーズに入りました」と述べた。
代表取締役
中村 仁氏
飲食店向けの予約・顧客管理ツールを提供するトレタの中村仁氏は、飲食店経営時代にSNSによる集客で成功したが、その際に予約管理で苦労した経験から、店のお客のネット系エンジニアらと、紙の台帳、店主の記憶頼りの管理をITで効率化する課題に取り組んだ。そして、IT初心者向けに「銀行のATM並みに使いやすいツール」を開発。当初は、飲食店の現場について投資家の理解を得られず、資金調達に苦戦したが、導入店の業績改善実績を積み重ねて認知を得た。POSを導入している店はあるが、「メニューより重要な顧客情報の管理を良くすれば、もっと大きな変化が起きるはず」と語った。
熱い! SaaSベンチャーのグロース戦略
SaaSベンチャー急成長の舞台裏 売上アップ、
プロダクト開発・戦略、リテンション、
マーケティングの視点
セールスフォース・ベンチャーズ
日本代表
浅田 慎二氏
セールスフォース・ベンチャーズの浅田慎二氏は「売上高1兆円を目指すところまで成長したセールスフォースはSaaSビジネスの成長の可能性を示しています」と述べ、投資先のトレタ、ヤプリ両社に、営業組織体制、ユニット・エコノミクス(1単位当たりの経済性)を測るSaaS向け経営指標、顧客リテンションなどを尋ねた。
トレタの中村氏は、従業員増に合わせて、分業化による部門間の仕事の重複に注意して組織を見直してきた。KPIも、単純な導入店舗数から繁盛店契約獲得や、LTV(顧客生涯価値)/CAC(顧客獲得コスト)の重視へ、成長に応じて変更。解約防止としては、契約後も運用が軌道に乗るまで顧客を営業がフォローするといった取り組みを挙げた。
ヤプリの庵原氏は、自社のビジネス、コスト構造を理解したうえで設定したKPIを、セールスフォースのシステムを使って運用していると説明。特に、金額ベースでの解約率に注意を払い、既存顧客のアップセルだけでも売り上げが拡大する構造を目指している。また、未ログイン期間に応じた顧客リテンション、展示会での対面のセールスに注力しているとした。
二人は、セールスフォースの投資について、資金だけでなく、経営管理やSaaSビジネスの知見も得られ、セールスフォースのシステム活用でグローバル展開の可能性も広がると評価した。
成長を支え、規模拡大に耐えうる営業組織はどう作るべきか?
「今どき」の営業組織の作り方
コマーシャル営業第2部 部長
寺本 裕一氏
セールスフォース・ドットコムの寺本裕一氏は、コーチングや環境整備で、営業ミドル層のパフォーマンスを向上させる方策を説明。営業活動をプロセス化すれば、異常値を見つけやすく、早めの修正が可能になるとして「ビジネスを因数分解して仕組みをつくる」ことを提案した。また、営業には多数の作業があり、どこでつまずくのか、わかりにくいという課題を指摘。分業化などによる「今どきの営業組織」づくりを訴えた。
セールスデベロップメント
シニアマネージャー
鈴木 淳一氏
セールスフォース・ドットコムの鈴木淳一氏は、同社では、見込み顧客(リード)を創出するマーケティングと外勤営業の間に、リードを案件に育てるインサイドセールス(内勤営業)を挟むことで、商談の受注率向上、失注した商談の再生ができていると説明。内勤営業のポイントとして、立ち上げ時は良質なノウハウを残せるベテラン営業担当を配置、案件の質と量のバランスに配慮して評価することなどを挙げた。
代表取締役社長
内山 雄輝氏
インサイドセールス専門コールセンターとSaaSの管理システムを組み合わせた仕組みを提供するWEICの内山雄輝氏は、労働時間短縮の流れで、限られた時間で受注可能な案件を見極め、営業を効率化する戦略が必要と指摘した。内勤営業は、相手企業の情報を深く知るために活用するとして、テレアポとの違いを強調。「リード獲得などに課題を感じ、私たちのサービスに関心を持つ企業は増えています」と述べた。
