森友関連質問を封じる「強行採決」の異常事態 法案と関係ない質問をしたら審議十分なのか

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だが民進党はこの申し入れについて「質問者の質問権の問題がある。良識の範囲内でやる」として留保。森友学園問題についての柚木氏の発言も約10分程度に抑えられており、衆議院規則違反についても強行採決で封じられなければならないようなものとはいえない。

強行採決に納得がいかない柚木氏ら野党の理事らは、早速同日午後4時、丹羽秀樹厚労委員会委員長に「採決無効」を申し入れている。

「委員長は強行採決を承知していなかったようだ。われわれの申し出を『重く受け止めたい』と言っていた」。申し入れの後のブリーフィングで記者団に語る柚木氏の言葉からは、このたびの強行採決の異例ぶりが浮かび上がる。

「どれだけ急転直下に決めたものかが推測される。まさに安倍晋三首相への忖度(そんたく)で籠池泰典氏を証人喚問に引きずりだし、国政調査権や偽証罪を持ち出して森友学園問題を潰そうとした構図と同じだ」。柚木氏はこう訴えた。

14日に補充質疑を行うことで合意

「国会は総理の犬となり果てたのか」。井坂信彦理事も激しい言葉で自民党を批判した。最終的に自民党と民進党は電話協議を行い、14日に補充質疑を行うことで合意。だが、問題は消えるどころか増えてしまった。

というのも安倍首相は柚木氏の質問に対し、「会計検査院がしっかり調査し結論を出すのを待ちたい」と述べたからだ。実は会計検査院が調査するには大きな障害がある。森友学園への国有地売却をめぐる資料が、財務省や国土交通省から提出されていないのだ。

これが適正なことなのかどうなのか。民進党は4月10日の衆議院決算行政監視委員会第1分科会で、三宅弘公文書管理委員会委員長代理を参考人として招致しようとした。三宅氏は3月25日に放映された報道番組で、森友学園が購入しようとした国有地問題について以下のようにコメントしている。

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