慶應ビジネススクール

経営者を目指すという明確な目標のもとで scene 1

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20年前に中国から日本へ留学し、大学院を修了した後、日本のあるメーカーに就職することになりました。仕事も覚え、営業職として海外ビジネスの展開に携ってきました。管理職となり、現在では、海外子会社の経営を任されるようになりました。
グローバルビジネスの場では、本当にいろいろな問題にぶつかります。そのたびに、自分にまだ足りていないスキルに気づき、日を追うごとに経営の勉強がしたいという思いにつながりました。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科の〈EMBAプログラム〉は、私の願いにかなうものでした。仕事と勉強の両立ができるということは時間を有効に使えます。経営者を目指すというはっきりした目標を持っていた私は、ここで学ぶことになったのです。
 
Executive MBA 第1期修了生
〜江田 徐紅(しほ)〜
恵和株式会社 取締役
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)が、日本初の中核ミドル層に特化した新しいMBAプログラム「Executive MBA(EMBA)」を2015年に開設して初めての修了生を送り出した。総合的な経営管理能力をもつ最高経営幹部(トップマネジメント)が歩を進める瞬間だ。果たして学生たちは何を学んだのか。

時間を割く価値がある

授業は毎週土曜日で、ほとんどはケースメソッドという授業形式です。これは、会計管理、経営科学、組織マネジメント、生産政策、総合経営などの分野において実際の経営状況をまとめた多くのケースを基に、学生、教員とのディスカッションを通して学ぶもので、事前にそのケースの関連資料を予習し、学んだビジネスフレームワークで状況を分析し、潜在する本質的な問題に解決案を考え出すという高度なものです。

またビジョナリー科目(40年後の大義ある未来を考える授業)と個人研究科目(発表会で研究成果を発表する)もあるため、平日の就業後、出張の移動時間、休み時間、睡眠時間を削りながらの学習となりました。多忙な中でも、EMBAプログラムで学んだことをすぐに社内で提案し実行することによって、効果の確認という貴重な体験が可能なのは大きな利点です。私の会社は創業69年という歴史があります。多くの製品を製造販売しており、海外との熾烈な競争の中にいます。厳しい環境の中で選択と集中という戦略をとり、的を絞ることが、ビジネスのさらなる展開に役に立ちます。

2年間というEMBAプログラムでは多くの事例を学びます。2年目を終える頃には企業の持つ課題の分析、解決策の提案によって、事業構想を具体化する力を得たと手応えを感じました。また、課題解決に必要なリーダーシップ、コミュニケーション能力を多くの実践で鍛えることができたのも大きな収穫です。

留学という選択が大きなきっかけに

私は2年生の2学期で、フランスのビジネススクールに4ヶ月の交換留学ができました。たいへん学びの多い経験でした。

企業戦略関連の授業を中心に、競争戦略、グローバル戦略、組織マネジメントなどの授業を通して、戦略の構築と組織での実行、そして、これら(戦略と組織)の整合性がいかにそれを実現するうえで重要かを学ぶことができました。

また欧州、アジアなどの地域、国からの留学生を交えたグループでのディスカッションを通じて、地域、国によって人々の考え方がかなり違う部分と近い部分について触れることで、異文化の交流もでき、今後のビジネスをグローバル展開する際に非常に活かせる経験となったのです。

そして、ビジョナリー科目と海外フィールドでの経験は、私にとって非常に大きな刺激を受ける場となりました。

ビジョナリー科目ではBOP(Bottom of economic pyramid)問題に対する提言を行うチームに所属し、また、海外フィールドではいくつかのBOP諸国の視察をする機会がありました。

当初、私はあまりBOP問題に対して特筆すべきほどの大きな興味はなかったのですが、この2つの科目を通じて、40年後の大義ある未来へつなげるためにもっと考えを深め、問題解決に向けて貢献すべき課題であると強く感じるようになりました。

私が所属するビジョナリー科目のグループでは、「SCRUM」というフレームワークを用いることで、BOP地域の生活レベルの向上、環境問題、これらを政府、民間組織と連携し、現地地域との協働によって変えることができるのではないかという結論を導き出しました。今後、自身がさらにこの結論を深め、どのような貢献ができるか、職務を通じて考え続けていきたいと考えています。

リーダーに必要なものを問われるなら

EMBAプログラムに参加する前は、経営者が社員と同じ釜の飯を食うことで、経営者と社員は一体となり、社員はおのずと経営者について来てくれるものだと思っていました。当然ながらそれだけでは全く足りないことに、経営者討論科目の授業を受けることで気づかされました。

現役の経営者が登壇し、ディカッションする中で、経営者としての強い意志や熱意、社員との信頼関係作り、密なコミュニケーション、経営理念、会社の方針や戦略を繰り返し伝えることがとても大切であると実感することができました。また、戦略の構築と、実行するための組織活動との整合性についても、あらためて考えさせられました。

今後は、今率いている海外子会社が、顧客のため、社員のため、地域のためにいかに貢献できるかを常に考え、EMBAプログラムで学んだ知識を活かし、ビジネスを成功させ、社会貢献をしたいと考えております。

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